まだ10日。もう10日。

ある日から10日間が経過した。そこで日々を振り返った時、『まだ』と考える時と、『もう』と感じるコトがある。この差は何なのかについて述べてみたい。

こんな時、人はどう思うか。

あるお店に午前10時に集合と約束をしたAくんと、Bさん。お店までAくんは2時間の所に住み、Bさんは30分の所に住んでいる。起床時間は両者共に午前7時とすると、その瞬間にそれぞれが脳裏に描いた言葉は

Aくん:『もう、7時』。

Bさん:『まだ、7時』。

人は『もう』と感じる時、比較的マイナス思考であり。過去振り返り型な思考が多い。『もう○○しかない』と言った否定形になる。

では『まだ』と考える時は、比較的プラス思考であり。未来展望型の思考が強い。『まだ○○ある』という肯定表現をするからだ。

『もう』はマイナス。『まだ』はプラス。

よって、Aくんはもっと早く寝ておけばよかったと、過去を振り返り、マイナス思考が脳内を占拠する。一方のBさんは、準備に1時間以上取れるじゃないかと、未来展望型の思考を持ち、プラス発想をする。

別の例でも見てみよう。受験まであと3日と差し迫ったとする。ほとんど遊んでいて、試験勉強をしていない時は、もう3日しかない。あの時少しずつでもやっておくべきだったなぁ。過去を反省する言葉を並べ、マイナス思考が強くなる。

逆に準備万端で望む場合は、まだ3日ある。苦手箇所の見直しでもするか。もう少し問題を解いてもっと準備をしようと未来を見据えて、プラスの発想がどんどん出てくるはずだ。

どちらがより良い結果が出るかは、語るまでもないと思う。

『まだ＋否定形』『もう＋肯定形』

では、全ての生活の場面で『もう』を使うとマイナス思考で、『まだ』を使うとプラス思考かというとそうでもない。

学生時代まで戻ってみる。小学校でもいいだろう。お昼休みがおよそ1時間ほど。授業は45分に、10分休憩。中休みに20分の大休憩があったように記憶している。

さて、この授業中の45分。これを短く感じた人は？という質問に「ハイ！」と答えるのは少数だ。大抵の授業というのは、退屈だったり、面白くなかったりして、時間が経つのがものすごく遅く感じたと思う。すると、授業中に脳裏に浮かぶのが『まだ5分も経ってない』だ。

あれ？さっきと真逆。『まだ＋否定形』が登場した。

さらに、お昼休みの1時間はどうか。少しでも早く遊びたい、校庭へ出たいから、早々に給食を食べ終える。ドッヂボールやら、鬼ごっこやら、思い思いの遊びが始まる。

「さぁ、ここから！」と盛り上がってきたとこで『キーンコーンカーンコーン』と休憩の終わりを告げる鐘が鳴る。すると、脳を占拠するのが『もう休憩終わり？』。

あれ？これまた『もう＋肯定形』。否定形ではない。

さらに、掘り下げる。僕にもあったが、各々好きな科目と、嫌いな科目があるはず。ちなみに、僕は図工や体育の授業が好きで、算数や国語は嫌いだった。

まず嫌いな科目の45分間はどうだろう。

『まだ5分しか経ってない』。時間が経つのが長い長い。

と何度も何度も時計を見ては、まだ、まだと落ち着かなかった。

好きな科目の45分間を見てみると、

『もう45分終わり』

と冷静沈着に、満足感と落ち着きを得るはず。

この差は何だと考える。嫌いなことをする時は集中が散漫になっているから、物事が進むのが遅く感じる。だから、『まだ』と思ってしまう。好きなことをする時は、集中が増すため、あっという間に時間がすぎてしまう。『もう』と感じることが多い。

じゃあ、『まだ』と『もう』どちらの心持ちをすると、人生が豊かになっていくのか。

それは『まだ』と『もう』のイイトコを組み合わせること。

今、学生さんをしている方は比較検討できないかもしれないが、学生時代は、時が経つのか遅く感じるはず。なぜなら、早く授業終わらないかな。早く遊びに行きたいなぁ。と願望を抱くほど授業という自由を奪われる時間が、連日続くからだ。

つまり、『まだ』『まだ』と思う回数が多すぎて、しかも連日続くから時間の経過が遅く感じられるのだ。

しかし、社会人になると、会社という枠組みはあるものの、取引先や上司に結果を急かされる。急かされると、『もう』『もう』と思う回数が多くなり、1年が早く過ぎるように感じてしまう。

「もう」1年が過ぎたと思う背景には、充実感がないことが上げられる。自分の目で見て考えて判断していない。言われるがままな生活なのだ。反対に何かを学び、習得するには、時間をかけ勉強を続けなければならない。わからないという壁が出てくるとやる気も無くなるだろう。そんな時「まだまだ」と執念と挑戦を繰り返さなければならない。この結果は、充実感として返ってくる。

『まだ』と言えるほど、新しい挑戦を行い。

『もう』と感じるほど、没頭できる好きなことを見つける。

先日僕は70日目に以下の記事を書いた。ここから今日で10日が経過した。

ぶっちゃけ、『もう10日』経ったのかと思った。『もう』と思ってる時点で、この10日は充実感がなかったと言える。

まだまだ、好きなことを見つけ切れていないのかもしれない。