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人に頼む技術

こんにちは、ヒロ(@road_of_hero)です。

早速ですが、あなたは人に頼むのは得意ですか?

僕の場合、「断れたらどうしよう」とか「イラッとされたらどうしよう」と心配になり地蔵(ナンパ用語で、女性に声をかけたいけど失敗を恐れるがゆえに声をかけられずに、地蔵のように道ばたにたたずんでしまう状態)してしまいます。

でも、人間生きていく上で、他人の力はどうしても必要です。

どうせ人に頼むことがさけられないのなら、相手にイヤな顔をされずに「頼む技術」を習得しておきたいものですよね。

今回は、そんな悩みを解決してくれる本に出会ったので、みなさんに共有したいと思います。

この記事を読んでもらうことで、以下のことがわかります。

・なぜ、頼んでも断られると思うのか?
・頼みごとをしたら嫌がられるかもしれないという誤解
・お願いすることのメリットとは?
・相手にイヤな顔をされないイイ頼み方とダメな頼み方

では、いってみましょう!

なぜ、頼んでも断られると思うのか?

人はお願いをすることによって、「筋肉のけいれん」や「つま先にモノをぶつけるなどの身体の痛み」を処理するのと同じくらいの痛みを脳が感じるのだそうです。

そもそもなぜ、頼んでも断られると思うのでしょうか?そのメカニズムを紐解きたいと思います。

それは人間の持って生まれた本能によって説明できます。
人はお願いをするとき、脅威を無意識のうちに感じているからです。

ステータスへの脅威

こんなお願いをするなんて、ホントは知識や能力がないのではないか?と相手から軽蔑されることに対する恐れです。

確実性への脅威

人間は、未来を予想したいと思う生き物です。
一方、「お願い」には、相手に「受け入れられる」か、「断られるか」わからないという不確実性があるため、それを脅威に感じます。

自律性への脅威

人間は、他人に支配されることなく、自分の力で未来をコントロールしたいと思う生き物です。
一方、「No」と断られるということは、相手の要求に屈することになってしまいます。
自己コントロール感が失われたと感じるがゆえに、脅威を感じるのです。

関係性への脅威

お願いを断られることで、相手との関係が崩れるのではないかという脅威です。
人間はもともと集団で生活してきたので、コミュニティへの帰属意識が高い生き物です。
一方、拒絶されてしまうことで、そのコミュニティからつまはじきにされるのではないかという恐れを感じます。

公平性への脅威

人間は「公平でありたい」と思う生き物です。だれか一人が得をするような不公平は許せません。
ところが、頼みごとをして「No」と言われたとき、そこに上下関係(パワーバランス)が生まれたと感じ、それが不公平=脅威と感じるのです。

頼みごとをしたら嫌がられるかもしれないという誤解

頼んでも断られると思うメカニズムがわかったところで、今度は「頼みごとに関する誤解」について紐解きたいと思います。

人は誰かを助けたいと思っている

ある研究では「私たちが思っているよりも約二倍、人は誰かを助けようと思っている」のだそうです。
お願いするときはどうしてもネガティブな気持ちになってしまいがちですが、一方で、あなたが思う以上に、世間はあなたのことを助けてあげたいと思ってくれているのです。

頼まれた相手もプレッシャーを感じている

人間、「誰かを助けてあげたい」、「いい顔をしたい」という気持ちを本能的に持っています。
だから、Noと言うことに対して抵抗があります
つまり、お願いする側と同様、頼まれた相手もプレッシャーを感じているのです。

シーカーでもありギバーでもある

「お願いする人」と「お願いされる人」は、一定ではありません。ときに、その立場は逆転します。
つまり、ギバー(お願いされる人)はシーカー(お願いする人)の気持ちを理解しているということになります。
だから、お願いしてきた相手に対しては、勇気を持って言ってくれたと、むしろ歓迎してくれるはずです。

頼み事をするとその人に好意を抱く

ある研究によると、「頼みごとをされた人は、頼みごとをしてきた相手のことに好意を抱く」のだそうです。
例えば部下に対して世話をしていると、自然と部下のことがかわいく思えるとかそういったことです。
心理学では「認知的不協和」と言います。

例えば、赤の他人に本を貸す場面を考えてみましょう。
「本を貸す」→「なぜ本を貸したんだろう?」→「相手に好意があるから本を貸したんだ」
といったように、自分にとって都合がいいように考えることで、脳を納得させているのですね。

お願いすることで相手にもたらすメリットとは?

お願いすることによって、相手にもたらすメリットについて見ていきます。

頼むという行為は、利己的ではなくむしろ利他的なものと考えてもよさそうです。

頼まれた側は自尊心が高まる

上記で述べたとおり、「人間は誰かを助けたい」と思っている生き物です。
だから、お願いをされた側は「相手から頼りにされている」と感じ、その結果、自尊心(自らの価値と認める)が高まります
つまり、お願いをすることでお互いの信頼関係が醸成されるということですね。
他にも、「他人にお金を使うと幸福になる」という研究もあります。
相手へのギブは、相手との良好な関係を築くとともに、自らの幸福度まで上げてくれるということです。

他人に親切にすると時間の余裕が生まれる

他人に親切にすると、時間の余裕が感じれれるようになる」という研究結果があります。
仕事で忙しい人が、あえて同僚の仕事を手伝ったりすることで、「あれ、忙しいはずなのに他人を助けるなんて、実は俺余裕なんじゃないか?」と脳が錯覚し、結果、時間の焦りがなくなるというものです。
お願いを引き受けることでストレスがリリースされ、時間的余裕を感じられるようになるメリットがあると言えそうです。

部下に嫌な顔をされずに頼み事ができる方法とは?

いい頼み方とダメな頼み方についてご紹介します。

ダメな頼み方

ダメな頼み方をご紹介します。普段こんな頼み方をしていないかチェックしてみてください。
ポイントは、自己中心的な頼み方は総じてNGということです。

「申し訳ありませんが〜」(やたらと謝る)

これ僕よく言っちゃうやつです。(反省)
申し訳なさを出すと、心の壁ができてしまい、なんか「よそよそしい」「裏があるんじゃないか」と不信感を与えてしまいます。
頼みごとは信頼関係の上で成り立つもの。
持ちつ持たれつの関係であることを前提に、「〜お願いします」ときっぱり言ったほうがよさそうです。

「本当は頼みたくはないんだけど〜」(言い訳する)

助けた側からすると、せっかく助けてあげても充実感がなくなってしまいます

「これを受けてくれたら、こんないいことがあるよ〜」(メリットを強調する)

メリットを強調するのはNGだそうです。
なぜなら、メリットがあるかどうかを判断するのはそれを引き受けた相手だから
お願いする側に言われると、なんか相手にコントロールされているようで興ざめするそうです。

「5分で終わるからお願い」(ささいな事を強調する)

職場でよく聞くセリフです。
これもNG。
理由は、「5分で終わるようなレベルの低いことしかできない自分」というレッテルを貼られたと感じるから。
この頼み方には別の問題もあって、そもそも「自分の見積もりは甘くなりがち」という問題を無視しています。
だから実際に引き受けてやってみると5分では終わらず、引き受けた側からすると「時間が奪われた」という気持ちにさえなります。

「前にやってあげたから、今回はお願い」(借りがあることを思い出させる)

お互いのルールとして決めているのであればよいですが、急にそれを言われると相手にコントロールされた感が出てしまうため、これもNGです。

「いやぁ、助かりました!」

一見感謝の気持ちが伝わる言い方だと思うのですが、これもNG。
前提として、助けた側は「自分の正しい行動を認めてもらいたい」という欲望があります。
だから、その人の感想は相手にとってはどうでもよく、相手のとった行動に対して感謝を述べる必要があります。
「司会をしてくれて、助かりました」ではなく、「忙しいのに、司会をつとめてくれてありがとう」と。

いい頼み方

今度は、いい頼み方についてご紹介したいと思います。
ポイントは、相手が気持ちよくその行動をとってくれるように働きかけることです。

気づいてもらう

人は「誰かを助けたい」と思っていても、「助けて!」とはっきり言ってもらわなければ、積極的に助けようとはしません
なぜならお願いされてもいないのに、積極的に介入することで、もし失敗してしまったら恥だと考えるからです。
例えば、道端で人が横たわっていたとしても、周りに人がいれば、「自分が助けなくても誰かが助けるだろう」「ただ酔っ払って寝ているだけだから大丈夫」という自分を正当化する心理が働き、その状況を見て見ぬ振りをします。
仕事のメールでも「To」に、複数の宛先で送ると、既読スルーされたことってありませんか?
これは宛先が複数あることで、自分は関係ないやと責任が分散してしまうからです。
だから、相手に助けてもらいたいなら、まずは「あなたに言ってますよ!」と相手に気づいてもらうことが大事です。

「一緒に〜しよう」(仲間意識)

もともと人間は群れで生きてきたので、帰属意識(=集団に所属している)が強い生き物です。
だからここを刺激するんです。
具体的には「一緒に〜しよう」と、同じゴールに向かって互いに課題を解決する意識を作ること。
主語は、「You」ではなく「We」にするということですね。
チームの目標を立てるというのもよさそうです。

あなたしかできない(自尊心)

人間、「自分は、他人と比べて平均以上である」という、自己評価を過大に見積もるというバイアスがあります。
他人より優れている自分=私にしかできないことがある
という人間の心理をうまく刺激し、「あなたにしかできないから、お願い」という言い方にするのです。

なぜそれをやるのか?(有効性)

なぜそれをやる必要があって、どんな結果をもたらすかを相手に伝えるというものです。
プレゼンの世界にはゴールデン・サークル理論というものがあります、
what(何をするのか?)ではなく、why(なぜするのか?)から始めよということですね。
「why」には人を巻き込む力や行動させる力があります。
例えば、「これまで紙でやっていた手続きが、あなたの作ったシステムによってWeb上できるようになるので、利用者がとても楽になる」とかそういうことですね。
現状、どんな課題があって、それを解決するために、〜をするからそれを手伝ってほしい。その結果、〜を実現することができるみたいな感じですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、「人に頼む技術」についてお話しました。
頼みごとは自分の目標を達成するだけでなく、同時に相手との良好な関係が築く最高のツールだと思います。
頼むことに対するマインドが変われば、行動が変わると思います。
一朝一夕ではうまくいかないものですが、どれも今日から実践できるものばかりなので、ぜひ試してみてください!

参考文献

頼み方のテクニックについては、こちらの本にたくさん書かれていますので気になる方は読んでみて下さい。




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