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テロの目的というのは

イギリスで再びテロ事件です。昨夜のテロは、4月の議事堂襲撃に続いてまたロンドンで起こりました。

現時点で、容疑者とみられる3人を含む、合計7人の命が失われました。

なぜイギリスを含む欧州でテロが頻発しているかというと、それはイスラム各国やシリアとの関係、移民の多さ、地理的な理由などいろいろあります。

そういう地政学的な要素を知ることももちろん重要ですが、テロ行為の目的がなんなのか、冷静に考える必要があります。

宗教的・信条的なものを背景とした報復、妨害を目的としたものもありますが、最近増えているのは、善良な一般市民や公共施設、いわゆる "soft target (ソフトターゲット)" を狙ったテロです。

なぜ罪もない市民や公共施設を狙うかというと、ひとつには、当然そっちのほうが、厳重に守られた政治家や武力を備える基地なんかを襲撃するより簡単だからです。非常に卑怯きわまりない行為です。

もうひとつの主な目的は、「とにかく恐怖や不安をあおって、社会を『分断』すること」、であると言われています。

ですから、テロが怖くて通常の生活や業務が成り立たないとか、ましてや、仕返しに特定の人種や宗派の人を批難したり嫌がらせなどの行為に及ぶのは、むしろテロリストの思うツボなわけです。

テロ事件が起きた際、被害にあった地域や人々が、許しや愛、市民社会の調和をあえて強調するのはこのためです。単にきれいごとを言っているわけではありません。

テロに立ち向かうためには、怯えてばかりいても仕方ありませんし(もちろん警戒は必要ですが)、不安や差別をあおるのは、悪循環を生むだけです。

とはいえ、あいつらはこうだから、とすぐレッテルを貼ったり差別したりするのが好きな輩(やから)はどこにでもいます。海外に住んでいる日本人でもこの傾向が強い人がいます。

そういう態度は、「易きに流れる」弱さであることを自覚して、全力で抗うべきです。

人格形成の上での、正念場だと言えます。