一億総情弱化する日本
まず最初に断っておくと、個人的には、「情報弱者」というネット用語は、蔑視的表現である(ように私には聞こえる)ので、あまり好きではありません。
そして、日本人一般を指して使われる、「一億総」という表現も、日本で起こっている現象や傾向を拡大解釈、または一般化しすぎるものであり、これを濫用するのは控えるべきだと思っています。
当然、一国の中には、色んな考え、境遇の人がいますから、ある一定の思想や現象に当てはまらない人が沢山いるわけですから。
が、ですね、あえて言わずにはいられない。
日本の方々、大丈夫ですか。
世界の趨勢とか、日本の立場とか、ちゃんとわかってますか。
日本メディアの情報の偏重・歪曲のひどさや、海外ニュースの誤訳などを見聞きするにつけ、情報面において、日本はいまだに鎖国状態にあるのではないかと心配になってきます。
情報に対する受け身な態度が情弱化を助長する
世界の「報道の自由度ランキング」において、日本が徐々に順位を下げているのは、すでに知られていることですが、自由度だけの問題じゃないと思います。
日本のメディアは、たとえ規制されていなくても、「右にならえ」的に、同じような報道をする傾向がある気がします。
何なんですか、あれ。同じようなことを言わないと、仲間外れにでもされるんですか?
その一方で、公共のメディアにも関わらず、独りよがりな視点のニュースや記事が多く、核心をつかずにどうでもいいことを記述したものが多い。ひと言で言うと、マスメディアがSNS化している感じです。
さらに、海外ニュースの扱いにおいてこの傾向が強く、与えられた英語記事をなんとなく思い込みで和訳しているだけに見えます。
それに加えて、間違った翻訳や、英語表現の実際の意味合いを無視した(というか多分知らない)がゆえの変な直訳もあって、内容がとんちんかんなものもあります。
ときに、いま日本には、トランプ米大統領が来日してるんですよね?その前には彼の娘のイバンカも来てたとか。
トランプ一族、及び日本政府の対応についての日本メディアの報道内容は、欧米のメディアのそれとは、大幅に違います。(何がどう違うか、というのは、信頼のおける英語のニュース源4、5本に眼を通せばわかるはずです)。
メディアだけでなく、情報の受け手にも問題あり
さらに言うと、日本のマスメディアの弱体化は、発信側だけでなく、情報の受け手である一般市民にも責任があります。情報収集において、
つねに情報元を確認する、
外国語のニュースはできれば原語で聴く(または読む)、
分からない点は、ちゃんと調べる、
偏った情報源に頼らず、視野を広く持って吟味した上で自分で判断する、
SNS上の発言やフェイクニュースを鵜呑みにしない、
という基本的なことを怠っている人が多いんではないでしょうか。(これは日本に限ったことではありませんが)
情報というのは、情報量が多ければ良いわけではありません。情報の「質」が重要です。受け手は、確かな情報源を選択し、情報の質を精査する必要があります。
したがって、いくらSNSのアプリを使おうが、何千人とオンラインでつながっていようが、情報源や情報の質が悪ければ、情弱なわけです。
とくに日本人は、言葉の壁もあって、英語圏のニュースについては、メディアが都合よくフィルターをかけた情報や誰かからの伝聞に頼っている人が多い。最悪なケースは、自分の勝手な想像や思い込みに頼っている、というパターンです。
分析力・思考力がとくに必要とされている今の世の中にあって、情報面で孤立するのは致命的であると言わざるを得ません。