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真っ先に捨てるべきものはテレビです

今回のオーストラリア滞在は3週間とやや長いので、ホテルには泊まらず、ウィークリー・アパートメントを借りています。

仕事で来ているので、滞在費は私の雇用者である大学もちです。私のようなヒラ学者にこんな機会を与えてくれるとは太っ腹です。クビにならないよう精進したいと思います。

ところで、私が滞在しているウィークリー・アパートメントは、部屋の大きさや間取りが、偶然にも、イギリスの私の自宅ととても似ています。
違っているのは、物があるという点です。

「必要なものはすべて揃っています。うちに帰るように身ひとつで来てください」と、そのウィークリー・アパートメントの広告にあったとおり、食器や調理器具だけでなく、ワイングラスにいたるまでひと通りあります。まさに看板にいつわりなし、です。

当然のことながら、その他にもベッド、ソファー、ガラス製のコーヒーテーブル、電子レンジ、トースターなど、イギリスの我が家からはすでに姿を消したものが勢ぞろいしています。

「おぉ、久しぶり。元気にしてたー?相変わらずがんばってるねぇ」と肩をたたいてやりたい気分です。

あいにく自分とは縁が続かなかったけれど、けして悪い奴らではない、昔のフラット・メイトに再会した気分です。

そんな中で、「何こいつ、まだ居たの?」と、ガン無視したくなるものがあります。
テレビです。

まず物理的に邪魔

いま滞在中の部屋には、40インチのフラット・スクリーンのテレビが置いてあります。

私はテレビを見ません。
なので、スイッチを入れないテレビは私にとっては単なる黒い物体です。けっこう目障りですし、客観的に見ると、この真っ黒い長方形平面体はちょっと不気味ですらあります。

ご丁寧に木製の立派なテレビ台の上に鎮座して、狭いリビングの一角を占有しています。

邪魔やっちゅーねん、と思わずガンをつけたくなる傍若無人さです。

これさえなかったら自重トレーニングももっと広々とできるのに、テレビでスペースがとられているせいで、ここしばらくは腕立て伏せすらろくにできていません。まぁ、これは私の怠慢のせいですが。

必要な情報を得るのにテレビは不要

インターネット放送も普及して、膨大な情報や映像がオンラインで得られる今、テレビって本当にいらないです。テレビがなくとも情報の媒体には事欠きません。

実際、日本を離れて以来約 20年間、私はテレビを所有したことがありません。

シンガポールにいた時は、出張の多い仕事だったのでテレビなど見る暇はなく、その後イギリスに移ってからの最初の数年間は学生(院生)をしていたので、博士論文を書くのに忙しくてテレビどころではなかったからです。

そのかわり、当時はラジオを持っていました。なるべく英語を聴くようにするためでしたが、ニュースの速さでは抜群に優れています。ニュースの内容によっては、ひょっとするとインターネットより速いかもしれません。

どうしても視聴する必要がある情報で、なおかつテレビでしか得られないことなんてあるんでしょうか。テレビは、むしろ無駄な情報をたれ流しているだけのように思えます。

提案: まずはテレビを捨てよう

個人的には、断捨離の第一歩はテレビを捨てることから始めるべきなのではないかと本気で思います。

テレビを捨ててくれるのであれば、電子レンジも、ベッドも、なんでわざわざと思うヨーグルトメーカーも、無印良品の一見おしゃれだけど特に必要でない雑貨も、全部持っていてもらって構わない、というくらいの譲歩のしっぷりです。(誰と交渉してるんでしょうか)

テレビは視覚的ノイズにはなるわ、スペースはとるわ、電気代はかかるわと、迷惑の3拍子がそろっています。さらに、テレビが及ぼす影響は物理的な面にとどまりません。

テレビ番組やCMの、あれ買え、これ買えという、いわゆる「すりこみ」効果は、視聴者の消費心理に多大な影響を与えています。

断捨離ができない人は、ひょっとしてテレビのせいではないですか?
長期的な悪影響を考えると、問題の根源となっているものは、なるべく早い段階で処分するにこしたことはないですよ。