シナモンはみんな同じじゃない
うちには砂糖も化学調味料もありません。
かわりにハーブや香辛料をいくつか持っています。
なかでも一番使用頻度が多いのはシナモンです。オートミールに入れるのが一番多いです。(オートミールについての記事はこちら)
リンゴにかけたり、たまに全粒粉の食パンを買ってきて、フライパンでトーストにし、ハチミツを薄く塗ってシナモンをかけて食べたりもします。
でも、シナモンは、昔は生薬として使われていたくらいですから、取りすぎは禁物です。
また、従来は効果があるとされていた点についても、それを疑問視する研究がでてきています。これは、どんな種類のシナモンを使うかに関係しています。
シナモンの種類
シナモンには主に、ふたつの種類があります。
ひとつは、カシア・シナモン(Cassia cinnamon)。これは中国シナモンとも呼ばれます。ベトナム産のシナモンもほとんどがカシアです。
もうひとつは、セイロン・シナモン(Ceylon cinnamon)で、スリランカ産の物です。
カシアはセイロンより安価ですが、肝機能に悪影響を及ぼすクマリンという成分が含まれています。
スタバなどのコーヒーショップに置いてあるのは、ほぼ間違いなく安物のカシアです。スタバに行ったときに、ここぞとばかりにカウンターのシナモンをラテにかけまくる、というようなことはやめておいた方が無難です。
一方、セイロンシナモンは 英語ではTrue cinnamon (純正のシナモン)とも呼ばれ、アンチ・エイジングに効果があるとされるのは、このセイロン・シナモンのほうです。
なので、買う際は産地を確認しましょう。産地が明記されていなかったら、おそらく中国産かベトナム産のカシア・シナモンだと思った方がいいです。
私は、セイロン・シナモンをスティックで買ってきて、ミルサーで1本ずつ粉末にし、小さいガラス瓶にいれて少しずつ使っています。
一日に小さじ半分くらいが適量なんじゃないでしょうか。匂いからもわかるように、けっこう「きつい」スパイスなので、大量に摂るべきものではありません。
シナモンの効果と副作用
セイロン・シナモンは、血行を良くする効果もあると言われています。なので、冷え症予防にはいいかもしれません。
一時、シナモンは血糖値を下げる効果もあるといわれましたが、これは種類によります。
最近の研究では、残念ながら、セイロン・シナモンには、血糖値コントロールの効果はない、とされています。
じゃあ、「シナモンは血糖値を下げる」という過去の研究は間違っていたのかというと、そういうわけではなく、過去の実験には、おもにカシア(中国シナモン)が使われていました。
これはどういうことかというと、カシアは、クマリンなどの毒性成分が含まれているけれども、そうした成分が何らかの形で血糖値を下げるのではないかと言われています。
そして、そのカシアとて、一日あたり小さじ2杯くらい摂らないと効きません。これは、シナモンの摂取量としては多すぎます。
たとえ血糖値を下げるのにわずかに功を奏したとしても、毎日大量に摂り続けたりすると、こんどは、肝機能障害のリスクが上がる結果になりかねません。なので、血糖値を下げる目的でシナモンを摂るのは、おおすすめできません。
あと、シナモンは子宮を収縮させる作用があるので、妊婦さんはシナモンの摂取は控えた方がいいです。これはカシア、セイロンにかかわらず、です。
なにも即効性の毒ってわけではないので、そんなに神経質になることもないですけど。でも、香辛料の一種ですから、刺激物にはかわりはないので、妊婦さんは注意しましょう。
まず明らかに避けべきものは、シナモンのサプリメントでしょうね。シナモンは、わざわざサプリで摂らないといけないようなものではありません。
なんでもそうですが、栄養素は、食物本来から摂るのが一番です。