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人を変えるのはモノではない

私たちは、自分自身や人生の隙間を埋めるために、モノを利用する傾向があります。

不幸だと感じる?
→じゃあ、モノを買う

無能だと感じる?
→じゃあ、モノを買う

自分には何かが欠けている?
→じゃあ、これを買えば、あなたは完璧です。

私たちは、新しいものを手に入れることで、自分の人生に変化をもたらそうとします。
「人生はうまくいってないし落ち込んでいるけれども、ナイキ・エアマックスのカニエ・ウェスト限定モデルを手に入れたら気分はどうだろう?」
あるいは、
「料理はまだ得意ではないけれども、あのプロ仕様の高級なペティナイフを所有したらどうだろう?」

”そうすれば、きっと私の悩みは解決する。テレビでやっているように、野菜を素早く同じ大きさで切っていくことができないのは、きっとあれがないからだろうか…………。”

いうまでもなく、モノは私たちではありません。
高級な製品を所有することで、才能の溢れる人間になるわけはありません。新しい所有物を手に入れることで、肉体が生理的に変化するわけはありません。
モノにできるのは、かろうじて取り繕うことくらいです。
モノ自体に、私たちの穴を、ちゃんとした長続きする手段で塞ぐ力はありません。

新しいモノを手に入れることで、ドーパミンなどの快楽物質が放出されることはあっても、生活が根本的に変わることはありません。
手に入れるまでのワクワク感を味わった後、購入時のアドレナリンが切れた時、物事はほとんど以前の状態に戻ってしまいます。
購入の前後の最大の違いは、何かを得た利益ではなく、新しいモノを手に入れるために費やした時間やエネルギーやお金が失われたという損失です。

もちろん、実際に私たちの生活に付加価値を与えてくれるものもあります。しかし、それは通常、努力と成長を伴って与えられるのです。

ただ高い包丁を買えばいいというわけではありません。
料理の腕を磨き、包丁の扱いを学び、時間が経つにつれ、ようやく自分の今持っている包丁の限界が分かってきます。
そこから新たな成長を遂げ、道具をグレードアップすることで、次のステップに行く土台ができるのです。
しかし、まだ成長しないうちに新しいモノを買って、買っただけでプロの技能やセンスが手に入ると期待するのは愚かなことです。
学習と経験の頂点に到達し、目の前に新しい地平が開けたとき、はじめて、その新しい冒険に備えてよりよい武器を探すべきです。

それから、「自己投資を惜しむな!」とよく言いますが、それは場合によります。
Youtubeの無料動画講座や図書館で借りた入門書でも、高い教材と同じかそれ以上の効果を発揮することがあります。
私たちはこのような選択肢があることを忘れがちです。
さらに、結果だけを素早く得ようとして、真に重要なプロセスの方を忘れがちです。

お店やネットショップで売られているのは時間のかかるプロセスではなく、即効性のある結果です。
広告からは「自分の行動を修正したり認識を変えたりするよりも、簡単でワンステップの解決策を選びなよ。」と勧められます。
脂肪を燃やすサプリやコレステロールを下げるお茶を売り込むのは、毎日の運動と適度な食生活を売り込むことに比べたら、はるかに簡単でわけないことだからです。

しかし、本当の変化をもたらすもの、偉大な勝利への道は、いつも時間のかかるプロセスの方です。
目的地にシャトルバスで移動することを選ぶと、道中の美しい風景を見逃すだけでなく、成長を促すような機会も逸することになります。
近道しようとすると、貴重なものを見失うだけでなく、やる気も次第に失せていきます。

だから、たとえしんどくても、常に王道を往かなければならないのです。
そうすれば時間がかかったとしても、いつか絶対に辿り着くことができます。


最後までお読みいただきありがとうございました🙏
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