金木犀とその香水が香る季節
今年もこの季節がやってきた
道端から香ってくる、金木犀の香り。
秋が始まる合図だ。
1番大好きな季節。それとともに香ってくる金木犀の香りも大好きだ。窓を開けた時、住宅街を散歩している時、ふわっと香るだけで一瞬で幸せな気持ちになる。この瞬間こそ私の幸せそのものだと思う。そしてたまに、緑の見当たらない市街地や人混みの中から香ることもある。
ここ数年、金木犀の香りものがよく発売されているように思う。
バラエティショップでも必ず見かけるし、秋季限定で香水を発売しているブランドもある。金木犀の香りが大好きな私は毎年毎年、買おうか悩むのだが、買うことのないままもう数年が経った。
でも、金木犀の香りが香るはずない季節の街中でその香りを感じた時、私は買わないでおこうと思った。
私が金木犀の香りに、こんなにも魅了されてしまう理由。
それは、夏が終わり、秋が始まる前の暑くもなく寒くもない、なんとも言えないあの空気感の中に、その香りが漂うからだと思うのだ。
金木犀の香水を買ってしまったら、いつどこでも香りを感じることができてしまう。それも一つの幸せだろうが、そうしたらきっとあの香りを好きな理由こそが消えて無くなってしまう。
だから私は金木犀の香水を買わない。
秋の、今の空気を、今年も存分に堪能しようと思う。
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