Dr. STONEから考えたいこと
はじめに
最近、ずっと読みたかったDr. STONE(ドクターストーン)の漫画を大人買いして一気読みしました。
この作品の中では、圧倒的な科学の知識もさることながら、これからも考え続けたい”こたえのない問い”がたくさん散りばめられているのが秀逸でした。
人が原始の時代から現代文明を築くまでを追っているような流れのため、そのまま私たちが現在も抱える問題提起になっています。
そしてまだ小さいうちは難しいですが、大きくなってきたら子どもとも議論してみたいテーマがたくさんあります。
※ここからその考えたいことの内容に入ります。
※ストーリー的なネタバレはしないよう心がけていますが、絶対に一ミリもストーリーを示唆されたくない!!!という方はここで閉じていただいたほうがいいかもしれません。
思いつく限りでも、ざっとこんなものがありました。
理想の世界ってなに?
司が実現したかった世界
氷月が実現したかった世界
ゼノが実現したかった世界
千空が実現したかった世界
あなたは騙されていない?
なにが価値を決めるの?
資本主義は人を幸せにする?
よくばりは悪いこと?
人間が作ってはいけないもの
人を殺めることはどんな時でもダメなこと?
罪を償うということ・許すということ
人間だけができること
永遠の命(死なないこと)はいいこと?
どれも唆るぜ!!!
と、いうことですべて個人の見解ですが、ひとつずつ見ていこうと思います。
理想の世界ってなに?
石化光線で文明がリセットされたため、それぞれがそれぞれの理想の世界を思い描き、その世界を実現しようとします。
考えたこともなかった人が多いシチュエーションだと思いますが、それぞれの主張を見て、危ういと思う部分、納得できる部分、ここだけは反対だ、などを自由に考えてみます。
いろんな視点や立場で世界というものを考えてみる練習にもなります。
司が実現したかった世界
司が実現したかった世界
序盤で出てくるのが、かつて霊長類最強高校生と言われた、獅子王司。
彼が作りたかったのは”若者だけの世界”
その彼が言います。
彼が嫌ったのは既得権益を振りかざし欲にまみれた大人たち。
そんな人たちのいない、”人が人から奪わない理想郷(シャングリラ)”というのが司の考える理想の世界なのです。
氷月が実現したかった世界
氷月が実現したかった世界は”優れた人間だけが生きる世界”
この地球でもはや70億もの人口は絶対に支えられない。ならば誰を生かすのか?
必要なのは選別。無能たちを養うために結局「奪われる」から
”優れた人間だけが生きるのを許される世界”の危うさは競争社会である現代と写し鏡のようだなとも感じます。
ゼノが実現したかった世界
その容姿も思想も、マッドサイエンティストみがあるゼノ。
天才であるゼノは旧世界ではしがらみも多く思うように科学を進められないもどかしさを抱えていました。
彼が原始の世界でしたかったのは、ゼロから科学の武器を作って独裁者になること。
科学を極めることにのみ情熱を注ぐ天才が導く世界、どう思うでしょうか?
千空が実現したかった世界
千空が目指すのは、かつて地球を生きた70億人すべてが生きられる世界。そのために科学で問題を解決する。
作中でも幾度となく、この信念が語られます。
とてもシンプルですが、科学への覚悟と人類への優しさを感じて好きです。
あなたは騙されていない?
Dr. Stoneの準主人公というべき、あさぎりゲンはメンタリストです。
交渉術に長けていて、自分が譲れない部分を手に入れるための心理戦が見ものです。
そんなゲンのテクニックを見ていると、自分も今までの人生でたくさんのことに騙されてきたのかも?と思えてきます。
気がついたら契約していたり、何かを買わされていたり。
そんな瞬間がなかったか、どうしたら冷静でいられるか考えてみるのもおもしろいです。
なにが価値を決めるの?
なにが価値を決めているのか、それを考えるきっかけをくれるのが龍水が”お金”を作ったとき。
お金はよく考えてみるとただの紙と金属の塊。さらに現代でいうとただの電子データの数字です。
ではなにがこのお金をいろんなモノやコトと交換できる価値のあるものにしているのか。
それは信頼。みんながそれに価値があるということを、信じているかどうか。
国の通貨も今までも問題なく使えたこと、政府が認めていること、そんなことがあって我々が信頼しているからこそのものなのです。
お金以外でも同様。
オランダのチューリップバブルなど調べてみるとおもしろいかもしれません。
資本主義は人を幸せにする?
作中では原始に逆戻りした世界=ストーンワールドでまた”お金”が生まれた瞬間に、それに目が眩んでしまって手に入れるためにがむしゃらに働き始める人間が描かれます。
あえて意地悪にいうと、金のためにしたくもないことを無理してする歯車に成り果ててしまうのです。(私もその一人だなああああ)
これを見たときに、資本主義って、幸せって…?となりました。
ゆっくり考えたいテーマです。
よくばりは悪いこと?
ストーンワールドでお金=ドラゴを作った張本人である龍水はなんでも欲しがります。
人材も、食べ物も、服も、敵すらも。とにかくなんでも欲しいんです。
最初それは強欲に映りますが、その”欲しい”が強い原動力となって突き進む力を生んでいることが分かります。
実際の人間の歴史でも、人間の”欲しい”が人を世界に移動させ、科学を進めてきた経緯があります。
人間が作ってはいけないもの
作中で作ったもので、仲間の中で使用について真剣に考え議論する場面が出てきます。
それは神と悪魔の発明品、銃。つまり強い殺傷能力のある武器です。
それでも、作らなければ死なないですむ人がいるかもしれない。
いずれ誰かが作るなら、それから守るために正しく使えるものが作って持つべきでは?
悪いことをする人の抑止力として使えるならいいのでは?
現代社会でも進行形で議論されていて、いろんな意見が出てくる内容です。
人を殺めることはどんな時でもダメなこと?
これはまだ小さい子には難しいですが、大人になるまでに考えておきたいこと。
人を殺めてしまうことは、絶対にあってはならない。
その観念は、家庭で社会で学校で繰り返し身につけていると思います。
でも、それでは死刑は?戦争は?身を守るためにしたことは?
ここで少し脱線。
ある日、私の高校の国語の先生が言いました。
「人は、人を殺していいんだ」
みんながえっ?何言ってんの?となる中で先生は続けます。
「現に今ある戦争は、人を殺してもいい、ということになっている。」
そう、条件付きではあるものの、法律でも人は殺していいことになっている。
そのとき、なんだか自分の土台が崩れるような感覚に陥ったのを鮮明に覚えています。
それからずっと、頭の中に残って考え続けている事柄です。
罪を償うということ・許すということ
少年漫画では定番の、昨日の敵は今日の友。この作品でも何度も描かれます。
敵として戦っていた者と仲間になるのはよくあることですが、それ以前に犯した罪はどうなるのか。
償うってどういうことをしたらいいんだと思う?
許すことはどんな時でも必要なの?
謝ったら許してもらえる?
そんなことを身近な例で話してみるのもおもしろいです。
人間だけができること
これメモとって忘れました。また思い出したら書きます。。
12/23追記
思い出しました!
人間だけができることって、なんでしょう?
もっというと、人間にとって、最強の武器とは?
二足歩行ができる、火を使える、複雑な言葉を話せる、力をあわせることができる、目に見えないものを信じることができる…..
いろんな意見が出てくると思います。
ひとつの解釈として、Dr. STONEの中ではこんな言葉が出てきます。
そう、人間は世代を超えて沢山のことを継承していけるんですよね。
しかもよりよいものを、次世代に残していくことができる。
今まで生きた人たちの集合知で私たちは生きてるということに、思いを巡らせてみます。
永遠の命(死なないこと)はいいこと?
死なないことがいいことか、というのを考える場面があります。
一見、”永遠の命”は人を魅了して止みません。
けれども、死と同じ、あるいはそれ以上に恐ろしいこと、という意見もあります。
終わりのない世界では人口はどんどん増え続け、やがて資源が足りなくなります。
それを奪い合い、やがては人同士が殺しあうことになります。
まとめ
Dr. STONEから考えたいことをだらだらと書いてきました。
また新たなものが見つかったり、そこから何か連想しておもしろいことが出てきたら追記していこうと思います。
最後に宣伝!
Dr.STONE めちゃくちゃおもしろいので、ぜひ読んでみてください!!!
私は電子書籍で買いましたが、子ども用に紙も揃える所存です!
それでは、また。
唆るぜ!!!!!
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