見出し画像

隣の外国人

神戸三田プレミアムアウトレットに行った時の話。
その日は母の誕生日で、母の欲しいものを探しに行こう〜と出かけていた。
……という口実で妹がただ買い物をしたかっただけでは疑惑があるけど。

お昼前に到着し、ウィンドウショッピングをした後、ご飯を食べることになった。
ここはフードコートが充実している。

妹はお肉を、母と私は天丼を注文する。
3人でシェアしようと頼んだフライドポテトに時間が掛かったのか、私が一番最後にテーブルに着いた。

私たちの隣のテーブルには、外国人の家族。
中国語の様な言葉が聞こえてくる。
私が席につくと、妹が
『さっきから外国人がずーーっと私らを見てるねん』と言い始めた。
確かにずっとこっち見てるなぁ。

『きっとな、“現地の日本人は今から何を食べるんだろう”って話してるんやで!参考にするのかな?』
外ではいつもシャイな妹が饒舌だ。
きっと外国人は言葉がわからないから大丈夫、と思っているのだろう。

「いや、参考にはしないと思うよ。」
私は答える。
「だってさっき天丼のお店で、この家族の1人を見かけたから。」
でもずーーっと視線を感じる。

『……こんな見られながら食べるのって、緊張するね。』
そう言う妹に笑いが堪えきれない。
でも何話しているかわからないから、笑っても大丈夫か。

程なくして、外国人の分のご飯もできあがった。
母と私と同じ天丼だった。
これで食べ物に集中するだろう。

あれ?まだ視線を感じる。
気のせいかな、と外国人の方を見ると目があった。
ずっと見てる!!

でもわからなくもないかも。
私も韓国旅行に行った時に、現地の人はこんな辛いのを食べて平気なのかな?とちらちら見たな。

“この家族みたいに別々のものを頼んでも良かったね”
“天丼ってご飯と一緒に食べていいのかな?”
“天丼とフライドポテトって合うのか?”

そういった会話をしてるのかな。
それだといいなと想像を膨らませながら天丼を食べきった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?