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救急外来へ行った話

お風呂場で滑ってコケ、頭を強打した私。
念の為に病院へ行くことにした。

救急外来の入口から入り、母は廊下で待機。
私は看護師さんに連れられてベッドが何台かある部屋に通された。
救急外来が初めてで緊張しているからか、頭を打ったからかはわからないけど、受付用紙を書くのに手が震えていた。

看護師さんに状況を説明。
その後、お医者さんが自己紹介をした。
名札の研修医に少しだけ不安を覚えた。
「でも、全ての科を勉強して、その知識がしっかり入ったばかりの状態だろうから、それはそれで大丈夫か。救急を任されてるんだから、それなりの実力がないと……」
とよくわからない思考を巡らせていると、CT検査の案内が始まった。

『CT検査は放射線を浴びます。妊娠の可能性はありませんか?』
私はすかさず「はい!大丈夫です!」と答えたのだが、『あっ、いや、少しでも可能性があれば……』と食い下がるお医者さん。

「……!?本当に大丈夫です!」と言っているのに、
『3ヶ月以内に行為があれば、少しでも可能性がありますので、気になる場合はは尿検査で……』と説明を続ける。(尿検査は自費らしい。)
放射線を浴びるから危険性をきちんと説明しないといけないんだと頭ではわかる……。
でも何、この公開処刑みたいなセクハラもどきは!?どう言ったら信じてもらえるの?
「本当に本当にないです!」と目を見て答えた。
『それでは“自己申告で可能性はない”ということで進めさせていただきますね。』
こうやってはっきり言うのも淋しいのでは……?
ちょっと恥ずかしいやり取りは終了した。

CT検査の準備を待っている間、心電図モニターに時計が表示されていることに気づいた。
23時57分…。妹に0時ピッタリにお誕生日おめでとうラインは送れなさそう。
母に「妹にお誕生日おめでとうライン送っといてね」とラインを入れた。
母曰く、既に妹から愚痴ラインが来ているらしい。
“ユニバに行けなくなるのは嫌だ”とか、“誕生日の瞬間いないなんて…”とか。
少しは姉を心配しておくれよ…。

CT検査の結果、大きな出血や骨折は見られなかったとお医者さんは教えてくれた。
月曜日に画像の専門の先生が見て何か異常を発見したら呼び戻しをすることがあると説明を受けた。

頭を打った後の注意事項で、
『安静にしてください……でも、妹さんのお祝いしたいですよね。』と気遣ってくださった。
無理はしない、ということを約束して病院をあとにした。

看護師さんが母に、
『娘さんが問題なく睡眠ができているか、時折確認してあげてください。呼んでもなかなか起きないよ、頭痛くなってきたよとかあったら、どこでもいいので病院に行ってくださいね。』
そう言っているのを聞いて、少しゾゾッとした。
これで終わりってわけではないのか…。

無事帰宅。
妹に「ただいま、ごめんね。」と声を掛けたのに、無視をされメンタルブレイク……。
もちろんお風呂に入る気が起きず、眠ることにした。

しかし、なかなか眠れない。
寝ている間に頭が痛くなったら…、明日から起きれなくなったら…。
不安になっても仕方がないことなのに、ぐるぐる頭の中を巡る。頭を打ったんだから頭は使いたくないのに……。

布団でモゾモゾしながら思った。
2度とお風呂で油断しない。
普段の生活の中で、危険は溢れているんだと知ろう。

皆さまも本当に気をつけましょう!

あとがき


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