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手術医はどう選ぶ?

 東京駅近辺で以前やっていたミレナリオ。古いディスクから発掘した写真です。神戸でルミナリエは今もやってるのかな?

 今回のテーマは人から教わったことと、わたしの主観をまとめて「わたしはこう選んだ」というお話です。同じ症状でお悩みの方にとっても重要な課題と思いますが、「自分ならこうするなー」というお考えもおありと思いますし、ぜひその直観を大事にしていただけたらと思います。

人工股関節全置換術の情報源

 手術を決めるまでの過程の話でも書いたのですが、改めてこの人に執刀してもらってよかったなと思うので、医師および病院の選び方についてまとめてみようと思います。

まずは書籍からの情報です。人工股関節全置換術の執刀が多い病院は、やはり実績および地元の信頼があるといっていいと思います。

また、人工股関節全置換術を実施している病院同士で登録制度をもうけて、術後長期にわたる経過の共有などで手術の質の向上を目的としたり、行政サービス(患者や病院などへの助成を求めていく)取り組みがされているようで、人工股関節学会に登録している病院を見ることができます。

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わたし自身、実はこの一覧に出ている病院で手術はしていません。けれど登録している総合病院から週に一度出向で来てくれている先生に手術をしていただきました。

理由はいくつかあります。
 1 あまり大きい病院だと長期間通うのに予約や待ち時間が大変そう
 2 入院した時あまりバタバタした環境で過ごしたくない
 3 口コミと地域との密着性
 4 ナースの就職情報のクチコミサイトでまあまあの評価

一番は3が大きかったです。特に前も書きましたが、人工股関節のパーツを作っている会社に勤める身内がいる友人がいましたので、社内で「あそこは頼れる病院みたいだね」という噂を聞いたという情報が決め手でした。そのあと4を見て、1と2は病院自身のホームページの病院としての理念などを確認して、見ました。

執刀医はその病院の近隣から来ていて、その医師自体の情報はあまりなかったのですが、何度か診察を受けて話し方や説明がわかりやすく、頼りがいのあるというか、個人的には相性が合うタイプの人だと感じたのも大きかったです。

ちなみに病院の主治医というのもいるのですが、けっこうおじいちゃん先生でした。おじいちゃん先生だけどしゃきっとしてて、現役で手術もしちゃってるし、救急病院を担ってる自負のようなのもあるようでした。この先生には体重を落としたほうがいいとか、思ったよりリハビリがすすんでて不思議だなぁとか、面白い(というかデリケートな問題の)発言をいろいろ聞きましたが、わたしがもううら若くないせいか、医学的にそういうことならまあそうなんだろうとかいう感じで一度も不愉快な思いをしたことはありませんでした。

やっぱりいろんな医師の考えは知ったほうがいい

「医学的にはそういうことなんだろうな」

という風に納得できたのは、わたしがいろんな医師の意見を知ることができたせいもあると思います。このマガジンでも何度か紹介しましたが、ともかくこのサイトの先生方のコメントは是非目を通されたほうがいいと思います。

ここのサイトにはともかくたくさんの医師の考え方が載っています。

そして自分が見た患者さんの印象的な例を語られたり、動画を紹介されている場合もありました。

わたしが最も心強いと思ったのは、ずっとバレエを趣味でやっていた高齢者が術後半年でバーレッスンで片足を高く上げる動作ができるまでに回復している例を見たことです。

元々しているスポーツや所作については、身体と相談しながら回復して実際できる場合が多いことは多くの医師が書かれていますが、動画にはインパクトがありました。もちろんリハビリの仕方などに工夫はあると思います。

そしてこのサイトを見て良かったことは、例えば「体重を落としたほうがいいね」と言われるということは、けっこう恥ずかしいというかあまり言われたくないことですが、多くの医師が「手術のリスクを減らすためにもリハビリの進み具合をよくするには、ウエイトコントロールをお願いしている」と書いているわけですから、「まあわたしもそれに該当するよねー」っていうのは当然自覚するわけです。逆に言うとわたしだけが言われるわけじゃなく、わたしみたいな体形の人には言わないほうが医師としては無責任ということにさえなります。

そう思うと、いちいち傷つくこともなく、医師の話を素直に聞く準備もできるというのは、ものすごいメリットでした。

実は陰で支えてくれた医師

実はわたしがいずれ、人工股関節全置換術を受けるかもしれないということは、地元の本当に小さいベテランの医師から言われていることでもありました。その医師が75歳になって病院をたたむことになり、紹介状を書いてあげるよと言ってくださっていたにも関わらず、わたしは病院をたたむ前に診察に行く時間をとれず、紹介状をもらいそびれてしまいました。

結果的にそれで自分で病院を探す手はずになったので、いろいろ勉強になったのですが、先生ご自身が「本当は身体が動く限り皆さんのお役に立ちたいとは思ってたんだけどね」と、涙ぐまれたりするような仲良し(双子を両脇に抱えて転んで訪れたとか、いろいろ思い出もあったりして)でもあったので病院をたたまれたこと、それまで訪れられなかったことは人として後悔が残りました。でもそうして心配してくれた医師がいたということが、わたしの支えのひとつだったことは確かです。

その医師が手術するならと候補に挙げてくれた病院は三つあったのですが、結果的にそのうちのひとつから出向されている医師に執刀してもらいました。

それからわたしは、睡眠障害でこの春から精神科に通って睡眠導入剤を数種類出してもらっているのですが、この医師が催眠療法の専門家であり、この病院以外のところで催眠療法により、トラウマを克服した友人がいたことから、わたしは催眠療法にすごく興味を持っていました。

睡眠がとれないことと、ウエイトコントロールにはけっこう関係があります。そしてこの病院の先生のコラムにはウエイトコントロールや睡眠障害と、催眠療法の関係性や、催眠療法がなにかを植え付けて治療するものではなく、患者本人の中からあるものの気づきによって成立するという位置づけがとても共感できました。

わたしの日常のストレス、それから太っていたほうが安心だと思ってしまうきっかけが実はあること、身体がバランスのいい姿勢を根底で求めていることなど、いろんな気づきが3回のセッションで体感でき、この経験はわたしにとってかなり貴重でした。

この催眠療法が保険内診療になればいいのになぁと、心から願います。

催眠療法自体、日本ではこれからの分野みたいなので、もう少し詳しくいろいろなことを知ることができたらレポートとして書きたいと思います。ただかなりプライベートなことになるので書き方は難しいです。

いかがでしょうか。いよいよ次回が「人工股関節全置換術を受けました」の最終回になります。

自分の経験をもとに思いのまま書いていきたいと思います。 現在「人工股関節全置換手術を受けました」(無料)と 「ハーフムーン」(詩集・有料・全51編1000円)を書いています。リハビリ中につき体調がすぐれないときは無理しないでいこうと思います。