これは恋の話

数年前、某所で書き散らかしていた日記より。
とても文章が気に入っているので移植してみた。



おはこんばんちわ
みなさま生きてますか?私はなんとか生きてます。

たまーーーになんかすっごいどうせもいいことを書きたくなったりするので、書きます。

「これは恋のはなし」という少女漫画があります。チカという方が書いてます。
あらすじは、イケメン人気小説家のアラサー男性の家に小5の少女が遊びにくるようになって、紆余曲折を経て保護者代わりをしていると少女に恋をされるっていう歳の差ものです。

このヒロイン遥ちゃんは、とても健気で、儚くて、今にも消えてしまいそうな存在なんですが、その存在の透明さとは打って変わって、中身はとても芯が強い女の子なんですよ。
同級生からの嫌がらせにも動じない、かといって相手を悪く思ったりしない、そして叶わぬ恋を何年も貫く精神の強さ。とても好きです。

で、今日は私のおすすめ漫画について書こうと思ったのではなく。
私の恋の話をしようかなと思って。


隣の席だった子、尊敬していた後輩、初めて付き合った彼、大恋愛だったと思っていたあの人

別に恋多き人生というわけではないけれど、人並みに誰かを好きになったり、付き合ったり、恋愛と呼ばれるものはしてきた。

相手は全員異性だった。
だからたぶん、私は異性愛者だと思う。

世間でLGBTセクシャルマイノリティが認知されるようになってきて、いろんなタイプの人がメディアでみられるようになった。
SNSではそれを公表する人も多くなったし、認知度を上げるべく活動する人もいる。

私も一時期、男だけれど女装しているタレントのゆるい追っかけをやっていた。
当時、彼の見た目は知らない人がみれば誰しも女の子だと思うほど、完成度が高かった。
別にそれだけでファンになったわけではないけれど、やっぱり私は可愛い見た目の人が好きなのだ。

追っかけにはいろんな人がいた。純粋な女性、男性だけど心は女性、女装している男性、バイの人…etc
様々な性自認の人、性的嗜好を持つ人がいて、私は色々な世界を知った。
そしてひょんなことから、SMショーを見に行ったり、ストリップ劇場に足を運ぶようになった。

私は昔から可愛い女の子が好きだった。
今でも好きだ。
可愛い女の子が好きだし、女体も好きだ。
女体は神秘的で美しい。

女体や裸体を芸術だ、なんてもちろん言わない。
エロい目線でだってもちろん見ている。
AVだって女の子にしか興味ない。男が映っていると萎える。
正直イケメンであろうと、マッチョであろうと、基本的に男に興味はない。

そう、私は男に興味がないのだ。

TVに映る芸能人をみていても全然顔を覚えられないし(これは女性芸能人にも当てはまるけど)、イケメンかどうか正直判断できない。
だって、興味がないから。

さて、話は少し変わるけれど私の話をしよう。

私は昔から男になりたいと思っていた。
それは上2人が男兄弟で、私には入れない世界を持っていたからだと思う。
末っ子で女の子の私には加われない遊び。最初はそこへの憧れだったように思う。

様々な経験を経たけれど、やっぱり変わらず私は男になりたいという希望を捨てきれていない。

けれど、私の心が男であるかというとそういうわけではない。
私は私が男ではないことを知っている。
男になりたいという気持ちは、私の変身願望そのものなのだ。

自分ではない何かへの憧れ、こんなダメな自分ではなく理想とする完璧な自己への変化。
今自分が持つ悩みを全て解決してくれるかもしれないという希望。
男になりたいという願いは、己とは全く別の存在になりたいという願望の象徴なのだ。

だから別に、性転換をしたいというわけでもないし、本気で男になりたいわけではない。
私は、男ではないのだ。

けれど

けれど私は、本当に「女」なのだろうか。

私は昔から、女の子なんだから~しなさい、と言われるのがとても嫌だった。
正直、なぜ「女」だからそうしなくてはいけないのか、全然納得できなかった。
男らしいね、かっこいいねって褒められるほうが、可愛いねって言われるよりずっとずっと嬉しい。
昔からそうだ。
私は昔から、どこか「男らしさ」を目指していないか?
その「男らしさ」はあくまで自分の想像と理想でしかないけれど、その理想像に向かって生きている。

果たして私は、「女」と言えるのだろうか。

では、恋の話に戻ろう。

結局のところ私は、男性にあまり興味がなくて、女の子と女体が好き。
私だって可能であれば女の子に触れたいし、抱いてみたい。
女に対して性的興奮を覚えるし、男は画面に映ってない方がいいくらいだ。

そして私は、恋というのが苦手だ。
理由はいろいろあるけれど、結局、恋愛感情というものが全然信用できないんだと思う。

女の子として好きだよ、異性としてみてるよ、と言われても全く理解できない。
それはたぶん、私が相手を「男」として見ていないから、相手を異性としてみるということが理解できないんだと思う。

「好き」と言われて、感覚的にその意味を理解することはできる。
わかる、わかるけど、でも、全然わからないよ。

私が好きになってきた人は全員、男性だった。
だからたぶん、異性愛者なんだろう。

だけど、私は、本当に異性愛者なんだろうか?

そんな、わたしの恋のはなし。

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