生涯発達と生涯学習

(1)ハヴィガーストの発達課題論の特徴は何か
人間の諸行動は自然な成熟というよりも、学習の結果であると捉えており、幼児期・児童期・青年期・壮年初期・中年期・老年期という生涯の各段階に発達課題があると説いている。発達課題とは、3つの要素の相互作用で生ずるものであり、1つ目は身体的成熟に基づく課題、2つ目は社会の文化的圧力から起こる課題、3つ目は人の人格や自我をつくっている個人的価値と抱負である。

(2)学士力、社会人基礎力、キー・コンピテンシーとは何か
学士力:学士レベルの資質能力、社会人基礎力:職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として、前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力の3つの能力と12の能力要素から構成される、キー・コンピテンシー:人生の成功や社会の発展のために必要なコンピテンシーで、コンピテンシーとは、単なる知識や技能を指すのではなく、3つの広域に分類されるものであり、生涯にわたり成長し変化するものである。(相互作用的に道具を用いる力、自律的に活動する力、異質な集団で交流する力の3つの広域カテゴリーの重なりに、反省し省察する力が存在する)

(3)発達観の脱構築とはどういうことか
従来の発達概念は、進歩発展という前進する変化を絶対的な善とする近代的な価値観と結びついてきたが、画一的・一方向的、あるいは上昇を強調する近代的発達観を批判し、価値の多元化や総合調整的な変化をとらえていく必要があるのではないかということである。

<参考文献>
笹井宏益・中村香『生涯学習のイノベーション』玉川大学出版部,2013

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