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ミネラルウォーターを始めたきっかけ

15年超の活動期間で2750種以上の製品を紹介しているブログ
ミネラルウォーター大全はこちらから

ミネラルウォーターを始めたきっかけを、
ごく初期の頃から書いてみようと思った。
今までブログに書いたりもしてきたが、
現在の思いも合わせて。

5000文字くらいあって長いと思う方はスルーしてください。

私が水を買って感想やデータをブログに書こうと思ったのは、
2005年の初夏位だったと思う。

その頃は無料ブログサービスが雨後の筍の如く出始めていて、
私もライブドアブログで日記を書き続けていた。

ちょうどその時期、
中学時代の同級生と遊ぶ機会が多く、
お互い独身だったから、
その友人の家に土曜日泊まりに行く事も多かった。
そしてお互いがブログをやっている事に気づいた。

では2人が共通の話題を取り上げ、
それぞれのブログに感想等を書いていく企画をやろうよと、
何となく決まり、実行する事になった。

夜食買い出しのスーパーで最初目を付けたのが醤油。
種類は多いし、珍しい物も多いって事で決定。
棚にある有名メーカーではない製品を片っ端からカゴに入れた。

レジで驚いた。

高いのだ。
醤油は高いのだ。
夜食のあれこれと一緒に買ったのだが、
一万円近くになってしまった。
まぁそれも必要経費だと諦め、そのまま買う事にした。

夜食を終え、落ち着いた所でさぁやろうかと言う事になった。

まずは製品の撮影。
その後小皿に少量を注いでスプーンで掬って舐めるという感じで進めたが、
直ぐに“これは長続きしない・・・”と悟った。
しょっぱすぎるのだ。
身体に悪いとすぐ気づいた。
少量とは言え、10種以上も口にしたら駄目だ。

どちらからともなく“止めよう”と言い始め、
醤油は1時間も経たずに没になった。

大量に買った製品は、その後友人宅で使われる事になったが、
かなり後までそれらが残っていた事を私は知っている。

醤油は完全な失敗だったが、
まだまだ共通企画への情熱は失っていなかった。

次の日の昼、
昼食を買いにスーパーへ行き、
再び何か題材にできる物はないか探し、
味噌にたどり着いた。

ただ、味噌も買った後に醤油と同じだと気づいた。
高い しょっぱい 消費し切れないの三重苦で早々に没となった。

私たちは馬鹿か!!!
過去の失敗に学べ!!と自分に言いたかった。
過去と言っても醤油で失敗したのはほんの半日前の事だが。

醤油と味噌で学んだ我々は、
次の週も何か題材になる物はないか探していた。

見つけた!!
豆腐である。

種類は多いし、今度は値段も手頃。
しょっぱくもないし、これは行けると確信した。
1丁を2人で分け、
味の違いを知る為に、味付け無しで行こうと言う事になった。
そう言う所には妙なこだわりを見せる2人。

1丁 2丁 そこら辺までは楽しめた。
しかしそれ以後が厳しかった。
最初は豆の味がどうのこうのと言っていた2人だったが、
その内満腹だとしか言わなくなった。
口数もどんどん少なくなっていく。

そりゃそうだ。
7丁か8丁も買ってきちゃっているのだから、
満腹どころの騒ぎではない。
何せ夜食を食べた後に豆腐を2人でこれでもかと食べるのだから。

しかも豆腐は賞味期限が短い。
買った日に食べないと厳しいと言う事が重荷になった。

と言う訳で豆腐は3週位は続いたのだが、
(20丁以上は食べた)
結局没になってしまった。

もう共同企画なんてやめようか。
何でこんな事をしているんだ?
そんな風に2人が言い出しそうな雰囲気になった時、
スーパーで偶然見つけたのがミネラルウォーターだった。

ミネラルウォーターなら身体に悪くないし、
高くないし、賞味期限も長いし、
最悪余っても使い勝手がいいと言う事で採用。

取り敢えず売り場にある10種類くらいを全て買い、
直ぐ近くにあったドラッグストアに行ったら、
新種が更に5本ほど見つかった。

え、これは大量仕入れ可能ではないか?と、
何ヶ所かスーパー・ドラッグストア・ディスカウントショップを回ったら、
30種位の製品が手に入ってしまった。

シリーズ化できるのでは?
その時は無邪気に喜んでいた。
ミネラルウォーターを買うだけでは何も起こらない。
単に水を買ったオッサン2人で終わってしまう。
買ったミネラルウォーターを飲み、
それをどうするかを決めなければいけなかった。

今みたいに飲んでデータを書いて感想を書くみたいな、
形が確立されていた訳では無いから、
撮影するにしてもどう撮影すればいいかわからないし、
注ぐ器もプラスチックの使い捨てにしていた。

更に決めなければならないのは、
1度に飲む本数等のルールである。
よく遊んでいたとは言え、毎週泊まりに行くわけではない。
だったら会った時にある程度の数を飲まなければならない。
色々考えた末に決まったルールは2つ。

1:私が友人宅に泊まった土曜日の夜に25本飲む

2:製品は全て飲み干す

なぜ25本も飲まなければならなかったかと言うと、
出かける度に新種が10本ほど購入出来てしまい、
友人宅がミネラルウォーターで溢れそうになるからである。

製品は全て飲み干すというルールは、
別に捨てても良かったし、
なぜそう決めたのかがわからない。

ミネラルウォーターは揃い、撮影等の機材も準備OK!
機は熟した!!

そんなこんなで2005年8月13日土曜日、
合同企画 ミネラルウォーター飲みが始まった。

まずはカップに水を注ぎ撮影→飲む→データを紙に書く
そんな感じで進められた。
この企画は意外と楽しかった。
水の味が違うと言う事も初めて知ったし、
硬度と言う言葉を意識したのもこの時だった。

しかし、楽しい事ばかりではない。
辛い事もあった。

寒いのだ。
全て常温で飲んでいるのに寒いのだ。
途中から体が震え、紙にデータ等を書く事さえ厳しくなり、
一時中断などと言う事もあった位。

当然だがトイレが近くなる。
寒い上に大量のミネラルウォーターを飲んでいるのだから。
全て500mlだったとしても、25本を2人で飲めば1人6.25Lである。
午後7時くらいから9時くらいまでの間に6.25Lは辛い。
たまに2Lがあったりすると更に増えるから、
仕入の段階で2Lの新種が見つかった時は、
うわぁ・・・と思ったりしたものだ。
買わずに逃げると言う事をしなかったのは凄かったと自分たちを褒めたい。

私はそうはならなかったが、
企画が終わって暫くゲームなどして楽しんだ後に就寝。
起きてみたら友人の顔がむくんでいた。
そう言う体質だったみたいだ。

そんな感じで土曜日に友人宅へ泊まれる時はミネラルウォーターを飲んだ。
お互い旅と歴史が好きだったから、
一緒に史跡探訪等に行った時には、
その地方のスーパー等に寄って、
ミネラルウォーターを探すなんて事もはじめていた。
それでもまだ水の為に割く時間は今よりも少なかったが。

順調にミネラルウォーター企画は進んでいき、
いつの間にか100種 200種と達成していったのだが、
200種を超えた頃に友人が“ギブアップ”と言ってきた。
相談された瞬間に、そりゃそうだなと思った。
私自身も特に水が好きで始めた訳では無かったし、
有り得ない位ハイペースでやって来たし、
新種も近くでは見つけづらくなってきたし、
よっしゃ、そろそろ止めようかと言った。

ただ、2人とも真面目にやって来た事だし、
このままデータを無駄にするのは勿体ないから、
ミネラルウォーターの情報だけを載せる新ブログを作り、
これからはできる時だけ、書き込める時だけにしよう。
私は私で何となく新種を探して更新していくから、
友人は気が向いた時に書き込んでくれればいいやと言う感じで。
そこで誕生したのがミネラルウォーター大全だったのだ。

ちなみにミネラルウォーター大全 最初の書き込みは
2005年10月初旬。
驚くべき事に2人は2カ月弱で200種程度の製品を買い、
飲んでいた事になる。

さて、ここからが第2章。
2人でやっていた企画を1人でやるようになった。

とは言っても、友人と遊ばなくなった訳でもなく、
ミネラルウォーター探しには積極的に協力してくれていた。

1人でやるようになって決めたルールは、
毎日更新と製品は全て飲み干すという事。
土曜の夜に25本はきつかったが、
毎日1本なら何とかなるだろうと思った。

確かに何とかなった。

ただ、問題になって来たのが新種の入手である。
2カ月弱で200種以上は手に入れたが、
そこからが困難だった。
その頃は今みたいに1本の為に飛行機に乗ったり、
死に物狂いで探し回ったりする情熱は無かったから、
段々と新種在庫が減っていき、
300種に達成するかしないかの
もうそろそろ限界かなと言う状況になって来た。

それに製品紹介数が300種に達するかどうかと言う所まで行っても、
私はまだミネラルウォーターが好きとは思っていなかった。
新種を探して見つけるのは楽しかったが。

友人にも相談した。
そろそろブログ止めるかもしれないと。
彼も理解を示してくれ、肩の荷が下りた。

実際1週間くらい更新を止めたのだが、
何とその頃に1通のメールが送られてきて、
私の運命は変わったのだ。

メールは日本経済新聞からの物だったのだ。

最初はいたずらを疑った。
そりゃそうだ。
好きでもないミネラルウォーターの事を、
適当ではないが書いているだけのブログに、
日経新聞が連絡してくる訳はないと。

恐る恐る返信してみると、
きちんとした返答があり、
あれよあれよと話が進み、
新宿駅の南口で待ち合わせる所までとんとん拍子で進んだ。

だが私はまだその段階になってもいたずらを疑っていた。

待ち合わせ当日、会った印象は悪くなかった。
礼儀正しかったし、服装もきちんとしていたし。
そして近くの喫茶店に入り話し始め、
やっと本物の日経新聞記者なんだと納得できた。
その方はスポーツ系の記事しか書いたことがなかったが、
夏休みの企画で1週間水について特集を書く事になり、
その1日をミネラルウォーターにしようと決まり、
色々な人を検索で調べてみた所、
300種近くも飲んでいる人いて驚いたから、
この人に声をかけてみようと思ったとの事。

取材は1時間程度の話で終わったが、
その時私が話した内容をしっかりとまとめてくれて、
読んでいて面白かった。
それほど大きくない記事ではあったが、
名前も載せてもらえた。

日経新聞に載った旨を叔父に話してみたら、
それまでは“お前は妙な事ばかりやっている”と、
呆れてばかりいたのだが、
“日経新聞に載るとは凄いな”と、急に態度が変わった。
それが面白かった。

動いたのは日経新聞だけでは無かったのだ。
本当に行き詰ってブログを止めようと決断した頃に、
工場見学の誘い 展示会の誘い 会って話したいという誘い
色々な連絡が来るようになった。

これは迂闊に止められないな、
よし、マイペースで続けてみようと、
止める事を止める決断をした。

毎日更新を止め、週に3回更新を心がけ、
できない時はしなければいいという感じにしたら、
心がスッと軽くなった。
やはり新種を購入し続け、
飲んでブログ更新し続ける事はプレッシャーだったのだ。
新種が見つからない時は心が重かったし。
少しだけ緩めてみたら世界がパッと明るくなった。
無理をし過ぎるのは良くないと悟った。
そして、それまでは友人と自分だけで終わっていた世界が、
ミネラルウォーター業界の関係者や、
メディアの方々と接触するようになり、
ドーンと広がっていったのである。

お誘いもあって工場見学をさせていただくようになると、
元々現場が好きな私はミネラルウォーターが好きになりだす。
どのような所でどのように製造され、
どのようなこだわりをもって販売されているか知ると、
ただただ探して飲んで書いていただけのブログ更新が、
何やら意味のある事のように思え、
よし、これからはもっともっと水の事について学んでいこう。
そう心に強く誓った。

ミネラルウォーターの事を段々と深く知るようになり、
好きになって来ると、新種を探す行動範囲も広がっていった。
今と同じように、現地で製品を手に入れたいと思うようになったのだ。

決めると早い私は、
関東甲信越くらいだったら1本の為に動く事も厭わなかった。

そうやって活動を続けていたら、
300種が限界だと思っていたのに、400種 500種と紹介数は増えて行き、
秘かに目標としていた他サイトの紹介数である600を突破した。

達成感があった。

その後も話したいと言って下さる方がいたり、
メディアからの取材要請や、
工場見学や展示会見学への誘いも多くなった。

その頃はできる限り誘いには応じ、
可能な限り人と会って話した。
東京で話しても面白くないから、
遠くまで行って話した事も沢山ある。
勿論自費で。
そうやって話したり見たり聞いたりしたものは、
全て貴重な経験となって今でも役立っている。

いつの間にか絶対に不可能だと思っていた1000種を超え、
1000種を超えた時に夢物語だと思った2000種も超え、
2021年2月4日現在で2767種もの製品を紹介するに至っている。

2767種って・・・夢か?!

取り敢えずの目標を3000種に設定しているものの、
数ばかり増やしても意味がないから、
内容を濃くしつつ活動を続けている。

ミネラルウォーター大全の他にも、
データや製品の姿をシンプルに紹介するブログも
ワードプレスを使い新たに始める事ができたし、
私のミネラルウォーター活動は16年目も充実している、

メディアからの取材依頼も相変わらず結構あるのだが、
私はもうオッサンだし、それらは全て断り、
ミネラルウォーターの知識経験を増やす事に費やしている。

勿論今でも現地まで行って製品を手に入れる事を基本にしているし、
週に新種は最低週に2本 今まで飲んだ製品の情報書き換えを合わせ、
週に5回の更新を実現させている。
週5回でもキツイなぁと感じる事は無い。

これからも自分自身が死んだり、病気や怪我で動けなくなったり、
家庭の事情でどうにもならなくなったりしなければ、
周囲に呆れられる位激しく動いて行くつもりだ。

そして若い世代のミネラルウォーター好きに、
製品の情報を伝えたり、業界の知り合いを紹介したりもしていきたい。
とにかくミネラルウォーターの事を好きでいてくれる人を1人でも増やし、
ミネラルウォーター業界を僅かでも盛り上げられたらと考えている。

ミネラルウォーターが好きで、全国各地を回り購入し飲んでいます。その数既に2400種以上。他にも小さな神社・史跡・無人駅・ご当地もの好きです。