【第44回】楽しそうな死後の世界『グッド・プレイス』エミー賞2020コメディ部門作品賞紹介④
【海外ドラマファンのためのマガジン第44回】
『グッド・プレイス』シーズン4 NBC
死んだら人間はどこにいくのでしょうね?
天国と地獄 という概念は、どんな宗教にもあります。
無宗教の場合は、ただ肉体が無くなるだけ とか
宇宙に融合する とかいうのもあるかもしれません。
もっとシンプルに考えて、「グッド・プレイス」と『バッド・プレイス」
と言う概念はどうですか?
死んだら「良いところ」か「悪いところ」へ行く。
宗教的じゃない概念で死後の世界を考えたんですけど、こんな感じです。
というプレゼンをされているようなドラマが『グッド・プレイス』です。
クリエイターのマイケル・シュルツは、かなり概念を練っているので、細かい設定が登場していきます。
★『グッド・プレイス』には建築家がいて、やって来た人が住む地区を作る。
★322人が一緒に住み、その中に必ずソウルメイトがいる。
★地区には、アシスタントのジャネットがいて、望むものを何でも出してくれる。
★悪い言葉を使うことができないので、「このグミ野郎」とかいうことになる。
★恥ずかしい死に方をした人は記憶喪失になっている。
などなど、面白い設定がたくさん登場します。
アメリカのシットコムって、お笑いのセンスが違い過ぎて、ちょっとついていけない。と言う人も多いと思うのですが、『グッド・プレイス』は、ファンタジーで優しい物語。
とにかくギャグをいっぱい詰め込んで笑かそうというよりも、きっちりと作り上げた『グッド・プレイス』という世界観の中で笑いを産み出す感じです。
シーズン4でファイナルとなるのですが、最終回は、とても素晴らしい物語でした。
いつかは地上とお別れしなくてはならない。けれども、人間でよかったなと思える最終回。
死後の世界がどうなるか
という答えとしても、アリなのではないでしょうか?
キャラクターも魅力的で、特にテッド・ダンソンの最高にかわいい演技が見られます。
物語全体も、主演のクリスティン・ベルのイメージそのままのふんわりとした元気な雰囲気。
タハニ( ジャミーラ・ジャミル)、チディ(ウィリアム・ジャクソン・ハーパー)、ジェイソン (マニー・ハシント) 、ジャネット(ダ―シー・カーデン)という脇を固めるキャストたちも、全員エミー賞にノミネートさせてあげたかったなと思える好感度の高さです。
終了してしまって残念ですが、Netflixでいつでも見られるので、「ほっこりと笑いたい」と思ったときにまたシーズン1から見返してみようと思ってます。
IMDb8.2 Rotten Tomatoes 97 %
第72回エミー賞 コメディ部門作品賞候補作
6ノミネート『グッド・プレイス』シーズン4 NBC
ノミネート主要部門
作品賞
主演男優賞 テッド・ダンソン
助演男優賞 ウィリアム・ジャクソン・ハーパー
助演女優賞 ダ―シー・カーデン
ゲスト女優賞 マヤ・ルドルフ
脚本賞 第13話「いつでもどうぞ」