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海外ドラマファンのためのマガジン

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日本の海外ドラマファン数を増やすべく、初心者さんに興味を持ってもらえるような海ドラ愛に溢れる記事をお届けします。基本的には月・金の更新です。【筆者】フリーランス/海外ドラマと映画…
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2020年9月の記事一覧

【第54回】被害者だって笑っていいんだ『アンビリーバブル たった一つの真実』エミー賞2020リミテッド・シリーズ作品賞紹介⑤

【海外ドラマファンのためのマガジン第54回】 エミー賞授賞式は終了しましたが、まだ候補作の紹介が終わってないので、コツコツと続けることにします。(ほんとは受賞式までに終えるのがカッコよかったな) 被害者は、その人それぞれの反応を見せる。 レイプ事件というのは、被害者が自ら通報したり、病院に行くなどして自発的に行動を起こさないと、事件として発生しないんですよね。 だから、うやむやになることもある。 自己申告制なんです。 でも、被害にあった直後に「病院にいかなきゃ」とか、

【第53回】配信サイトは、もはやNetflix or Amazonの二択ではない。いつの間にか11個加入してた……。

【海外ドラマファンのためのマガジン第53回】 第72回エミー賞2020が終了しました。 今回の授賞式のために作品賞候補全26作品のうち、日本未配信の2作以外はすべて視聴したんです。(該当シーズンが未配信の場合は前シーズンまで視聴。) 海外ドラマが大好きなので、全作見る分には、見る気満々で挑めます。 しかし、悩ましい問題がありました。 プラットフォームが多彩すぎて、どこの配信サイトで見られるのか、探すのが大変だということです。 さらに、お目当ての作品を見るためには、新たな

【第52回】ゼンデイヤ驚きの受賞ほか、バーチャル開催の第72回エミー賞3つのサプライズ

【海外ドラマファンのためのマガジン第52回】 無観客の会場に向かってしゃべるジミー・キンメルの映像が流れたときは、寂しさを感じました。 コロナ禍のために、いつものマイクロソフト・シアターではなく、ステイプルズセンターで行われた第72回エミー賞。 日本での生中継がなかったのも寂しいですが、すこしでも臨場感を感じてもらうために、YouTbue映像を入れてお届けしていきます。 ※日本では、授賞式の模様を9月26日(土)23:00~25:30FOXで放送。 まずは、ジミー・キン

【第51回】イジ―の華麗なる反抗にも注目『リトル・ファイアー彼女たちの秘密』エミー賞2020リミテッド・シリーズ作品賞紹介④

【海外ドラマファンのためのマガジン第51回】 このドラマ、かなり好きです。多分、今年のベスト10に入ります。 セレステ・イングの小説『Little Fires Everywhere』(2017)を読んだリース・ウィザースプーンが気に入ってケリー・ワシントンに本を薦めて、二人でプロデューサーも務めて制作したドラマ。 ミドルアッパークラスの白人一家と、ワケアリ黒人母娘という2つの家族が交流することによっておこる家族崩壊を描いていきます。 リースは、『ビッグ・リトル・ライズ

【第50回】世界には、まだまだ知らないことがある『アンオーソドックス』エミー賞2020リミテッド・シリーズ作品賞紹介③

【海外ドラマファンのためのマガジン第50回】 ユダヤ教について、何も知らなすぎる 海外ドラマではよく、クリスマスではなくてハヌカーをやったり、 結婚式でグラスを踏んで割ったりするシーンが登場します。 でも、厳格な正統派ユダヤ教のコミュニティについては、何も知りませんでした。 今年の2月に『ロニートとエスティ』という映画を見たのですが、この映画でも厳格なユダヤ教コミュニティで育った二人の女性を描いていました。 レイチェル・マクアダムスの髪型かわいいなと思っていたら、カ

【第49回】日本未配信『Mrs.America』エミー賞2020リミテッド・シリーズ作品賞紹介②

【海外ドラマファンのためのマガジン第49回】               残念ながら日本未配信。 配信サイトが増えて、世界同時配信なんてうれしいことも増えてきました。 今回のエミー賞でも、授賞式前に視聴できなかった候補作は、2作のみ。 コメディ部門の『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』と、この『Mrs.America』です。 ケイト・ブランシェット主演ドラマというだけで、「見たい!」というアンテナが反応しますが、本作に出演している女優が4名も俳優賞にノミネートされて

【第48回】ヒーローよりカコイイ黒人女性レジーナ・キング『ウォッチメン』エミー賞2020リミテッド・シリーズ作品賞紹介①

【海外ドラマファンのためのマガジン第48回】 正直に言えば、アメコミにはそんなに興味がないんです。 スーパーマン、バッドマン、スパイダーマンは見てきましたが、アイアンマン以降、劇場に見に行ったのは『ブラックパンサー』のみです。 アベンジャーズ系には、あまり興味がありませんでした。(食わず嫌いかもしれません) 『ウォッチメン』の原案は、DCコミックですが『LOST』(2004-2010)のクリエイターデイモン・リンデロフが、製作&脚本を担当しているということで、気にはな

【第47回】俳優の卵さん必見ドラマ『コミンスキーメソッド』エミー賞2020コメディ部門作品賞紹介⑦

【海外ドラマファンのためのマガジン第47回】 コミンスキーメソッド』シーズン2 俳優として成功するには、何が大事だと思いますか? マイケル・ダグラスが演じているコミンスキーは、演技の先生。 ロサンゼルスで演劇教室を開き、俳優を目指す若者を教えています。 授業で、こんなことを言います。 「俳優組合に所属している俳優の90%は無職だ。どんなに才能があっても、粘り強くても、叶わないものは叶わない。一人前の役者として生涯安定したキャリアを築ける可能性は無に等しい。これが現実

【第46回】危険が伴う女の友情『デッド・トゥ・ミー~さよならの裏に~』エミー賞2020コメディ部門作品賞紹介⑥

【海外ドラマファンのためのマガジン第46回】 4ノミネート『デッド・トゥ・ミー~さよならの裏に~』シーズン2 ケンカしたからこそ仲良くなる 友人と本音を吐き出してケンカしてみたら、意外といい関係性になった。 ってことあると思います。 もちろん心底嫌いな人だったら、そうはならないと思うので、好きだなと思っている相手に限ります。 このドラマの主人公の二人、ジェン(クリスティナ・アップルゲイト)とジュディ(リンダ・カーデリーニ)は、出会った場所が特殊でした。 身近な人

【第45回】セレブに見えないおじさん大興奮!『ラリーのミッドライフ★クライシス』エミー賞2020コメディ部門作品賞紹介⑤

【海外ドラマファンのためのマガジン第45回】 『ラリーのミッドライフ★クライシス』シーズン10 おじさん、ちょっと落ち着いて! 主人公のラリーさんは、『となりのサインフェルド』(1989-1998)というアメリカでは大大ヒットコメディのクリエイター、ラリー・ディヴィッドさん。 彼を主人公に製作したドキュメンタリー風コメディです。 登場人物も、ハリウッドで活躍する俳優たちが登場して、本人役だったり、そうじゃなかったり。 毎回、シチュエーションは決めてあるのですが、セ

【第44回】楽しそうな死後の世界『グッド・プレイス』エミー賞2020コメディ部門作品賞紹介④

【海外ドラマファンのためのマガジン第44回】 『グッド・プレイス』シーズン4 NBC 死んだら人間はどこにいくのでしょうね? 天国と地獄 という概念は、どんな宗教にもあります。 無宗教の場合は、ただ肉体が無くなるだけ とか 宇宙に融合する とかいうのもあるかもしれません。 もっとシンプルに考えて、「グッド・プレイス」と『バッド・プレイス」 と言う概念はどうですか? 死んだら「良いところ」か「悪いところ」へ行く。 宗教的じゃない概念で死後の世界を考えたんですけど、こ

【第43回】ルームメイトは吸血鬼『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』エミー賞2020コメディ部門作品賞紹介③

【海外ドラマファンのためのマガジン第43回】 『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』シーズン2 おしいれに吸血鬼が住んでいるという夢を見ました。 小学生の頃の話です。 ハッと目が覚めて、『こわ~い』と思いました。 『ほんとうに、おしいれに吸血鬼がいたらどうしよう!』 そう考えると、好奇心が止められません。怖さはあるのですが、思い切っておしいれを開けてみました。 吸血鬼はいなかったです。 それから毎日、学校から帰ると、まず部屋の押し入れを開けて吸血鬼がいるかどうか確

【第42回】イマドキ黒人女性の日常は……『インセキュア』エミー賞2020コメディ部門作品賞紹介③

【海外ドラマファンのためのマガジン第41回】 『インセキュア』シーズン4 HBO シーズン1しか配信していないのは、なぜ? Amazon Prime Videoで配信中の『インセキュア』ですが、日本ではシーズン1までしか配信されていないのです。 もったいない!!! イマドキのアラサー黒人女性の日常をのぞき見する感覚で見られるドラマなんですよ。 黒人版の『Fleabagフリーバッグ』や『アリー・myラブ』といった雰囲気。 主人公のイッサは『Fleabagフリーバッ

【第41回】エミー賞2020コメディ部門作品賞紹介②『シッツ・クリーク』

【海外ドラマファンのためのマガジン第41回】 『シッツ・クリーク』シーズン6 Pop TV 冗談で買ったモノってありますか? わたしはまりもっこりのペンですね。 これが意外と書きやすいボールペンなのですが、まりもっこりのチャームがブラブラしてるんです。 だけど、アメリカの富豪となると、冗談で買うモノもレベルが違うんですよ。 ジョニー・ローズさんは、息子の誕生日に、冗談でプレゼントを購入しました。それが、 シッツ・クリークという町です。 このアイデアを聞いただけで、