夫がコロナに感染し、ある日突然、幼い2人の子供とともに濃厚接触者になった妻の話

コロナの感染状況が高止まりのままなかなか減少しませんね。
緊急事態宣言が出て2週間以上経ちますが、特定の区域にお住まいの方々は人と会えない、外食もできない等不自由な生活を強いられているかと存じます。

私事のできごとで恐縮ですが、少しいつもとキャラや立場を変えて今回は発信していきたいと思います。
実は我が家は昨年末のクリスマス前に夫が新型コロナに感染し、今までの人生で一番の苦難に直面していました。

まず結論から言うと、夫は無事に回復し、今は日常の生活を取り戻しています。
少し嗅覚の障害が残ってはいるものの、飲食も通常通りできています。
そして一緒に暮らしている妻である私、1歳と2歳の子どもたちは感染しませんでした。

夫が発熱を訴えてきた段階で最悪のシナリオを想定して、最善を尽くしました。

新型コロナは発症する2,3日前から人にうつす感染力を持つそうです。
発症する直前まで私も夫も、当然幼児の子どもたちも家の中ではマスクはしていませんでした。
家の中でもマスクを、と呼びかけられていたことは知っていました。ですが幼い子どもたちと暮らす中、マスクをずっとしていることはとても難しく、守れていませんでした。

食事もみんな一緒にしていました。子どもたちのおむつ交換やお風呂のお世話等、みんなと密接して行っていました。
夫の陽性がまだわかっていない段階でも、夫はきっとコロナだと思っていました。発症前の夫からすでにうつされているかもしれない、今は潜伏期間でいずれ発症するかもしれないという恐怖に晒されました。
子どもはあまり重症化せず、無症状なことも多いと聞いていましたが、もし私が発症してしまったら、子どもたちはどうなるのだろう。
夫が万が一、重症化してしまったらなど 不安が山積みでした。

もし家族の誰かに発熱等のコロナかもしれない症状が表れたとき、他の家族はどのように動けば家庭内感染を防げるのか。

我が家の方法がすべて正しいか、間違いなく100%感染を防げるのかどうかは断言できません。
当時はまだ保健所や医療機関の対応に若干の余裕があり、夫が宿泊療養に入れたこともとても大きかったので、入院を要する人すら自宅療養で乗り切らなければいけない、今の厳しい状況だと同じやり方をとったとしても、
正直感染は防ぎきれないかもしれません。同じ家にいる期間が長ければ長いほど感染リスクは高まるものと解釈しています。
ですが少しでも家庭内感染の率を下げたい、何でもいいから具体的な例を知りたい、という方の助けになればと思い、わかりづらい文章ですが、投稿することにしました。
困っている人、不安に思っている人に少しでも有益な情報になればと思います…。
あくまでも濃厚接触者側の話なので、感染者本人である夫の具体的な症状の詳細は割愛します。

■1日目 発症当日
夜。いつもどおり子供たちを寝かしつけ、夫婦でつかの間の談笑をして、私が床についてすぐです。マスクを付けた夫が発熱を訴えてきました。
居間に行き、今後のことを話し合いました。もちろんまだこのときはコロナかどうかはわかりません。
翌日に夫の実家に子どもたちを連れてクリスマス会をする予定がありましたが、キャンセルしました。
とりあえず夫の個室での完全隔離は絶対ということで、夫は必要な物を部屋に持ち込みました。
具体的には

・電気ポット
・コーヒー、紅茶、スープ等
・ペットボトルの2リットルの水数本
・ビニール袋 結構大量に レジ袋から台所ポリ袋も
・マグカップ
・アルコール各種(ウエットティッシュ、霧吹き)
・使い捨てマスク1箱
・体温計
・箱ティッシュ

等です。
部屋にこもる物資を持って部屋に隔離したあと、私は夫が触った物、ドアノブや手すり、電気のスイッチ等 思い当たるものをすべてアルコールで消毒し、念入りに手を洗いました。

明日の朝から戦争が始まる、明日のクリスマス会を突然中止にしてしまい義両親に申し訳ない、でも仕方ない、
本当に突然予告もなく急に始まるんだ、私や子どもたちは大丈夫だろうか、
夫はコロナなのか、それとも違うのか、万が一悪化してしまったら、
もうすぐ夫の冬休みが始まるからささやかでも楽しいことができたらと思っていたのに、全部なくなってしまいそうだ、
でも仕方ない、とにかく明日できるだけのことをしないといけない、
幼い子供を2人抱えて一人で。と体の震えが止まらず、
仕方ない、仕方ないと、こんな事態になってるのに楽しみにしていた僅かな予定がなくなってしまったことを残念がる自分を残念に思い、
また仕方ないと自分に言い聞かせ、葛藤しました。

とにかく翌日頑張るために、万が一の最悪の事態を避けるために早く眠らなければと気持ちが焦るだけで、ぐるぐると回る思考は止まらず、その夜は全く眠れませんでした。


■2、3日目
夫の隔離生活が始まりました。この2日でやったことは下記になります。

・初日は朝一で家族全員の寝具を洗濯。布団や枕本体は天日干し。コインランドリーは使わない。

正直寝具は発症後から一晩、普通に使ってから洗ったところで手遅れかもしれないと思いました。
夫は子供の寝かしつけもしますし、発症直前まで子どもたちも夫のベッドで遊んだりしていましたので…。
大量の洗濯物でコインランドリーに頼りたくなりましたが、万が一ウイルスを施設内に置いてきてしまうことを考えると使用できないと思いました。

・アルコール、ハンドソープ、ゴム手袋、ペーパータオル、使い捨てマスク、食料品(レトルト、冷凍食品、子供の離乳食含む)、ポカリ等の買い出し

元々蓄えはしてましたが使用頻度がさらに増すことと、長期間家から出られなくなることを想定して買い物に行きました。本当はこの段階から家から出てはいけないのだろう、と思ってはいました。ですが現実はとても難しく、不織布のマスクをして声を出さず、最短ルートで買い物を終わらせることが精一杯でした。
1日で済ませたかったところでしたが、子供も2人連れていて持てる量に限りがあり買い漏れもあり、2日要してしまいました。

隔離中家の中で気をつけていた事は下記になります。

・食事はドアの前に置いて、部屋で食べてもらいました。食器は普段使って いるものを使用しました。
使い終わった食器は普通に洗い、作業後は手洗いと消毒をしました。
・トイレ等で部屋を出るときはLINEで教えてもらい、鉢合わせないよう徹  底。部屋に戻ったらその都度夫が触った場所を消毒。作業後は手洗い、消毒。トイレであればドアノブ、電気のスイッチ、水を流す回すやつ、トイレットペーパーホルダー、便座 等
・夫のお風呂は一番最後。湯船に浸かるのはやめてもらいました。このときも会わないように子どもたちを寝かしつけてる間に入ってもらいました。
私達が寝室にこもっている間に、隔離部屋の加湿器の給水や電気ポットの水の交換等自分でしてもらいました。
どの場所に立ち入ったか確認して、触れたであろう箇所を後で消毒しました。ゴム手袋をしてお風呂も掃除。作業後は念入りに手洗い。
・洗濯物は特に分けませんでした。が、なるべく私が夫が着ていた衣類に触れないように入浴のとき、直接洗濯機に入れてもらってました。
洗濯機を回した後、干した後も手洗い消毒。
・換気はこまめに。
・元々洗面所や台所で使うタオルは別にしていましたが、さらに徹底しました。
・子どもたちをなるべく共用部分(うちだと廊下でした)に行かせないようにしていました。
・夫の部屋から出るゴミは袋の口を隙間ができないよう固く縛って出してもらいました。袋そのものにもウイルスが付着しているかもしれないので、扱ったあとは手洗い消毒をします。
・夫は部屋から出るときは必ずマスクを着用し、声は出さず、触れる物や回数を極力減らし、自身でも触れた場所を消毒をしていました。
・とにかく私自身が手洗い消毒を徹底。タオルがすぐべしゃべしゃになるので、ペーパータオルも惜しみなく使います。

幼児2人の完全ワンオペ育児と家事、コロナかもしれない夫への配食やフォロー。
自分たちも感染しているかもしれない、この先どうなるかわからない恐怖。手洗い消毒をしすぎて両手がどんどん乾燥し、皮膚がひび割れて何箇所も出血しました。ゴム手袋をつけても、外したあとは結局手洗い消毒をするので、個人的にはゴム手袋をしたからといって手荒れを防げるとは思いませんでした。この夫の自宅療養期間が心身ともに一番辛かったです。

■4日目
病院での抗原検査で夫の陽性が判明。私と子どもたちは濃厚接触者となり、自宅待機とPCR検査の対象になりました。
夫に保健所から連絡が入り、宿泊療養に入れることがわかり、少し安堵しました。

夫が病院に行くために家から出ていくときも、帰ってくるときも、鉢合わせないよう工夫しました。
この日は子どもたちを連れて公園に行っていました。もちろんマスクをして、他の利用者とは接触せず、距離を取っていました。
そこで夫から陽性だったと連絡を受け、これが年内最後の外出になったなと思いました。
電話口で夫と「誰も悪くない。精一杯それぞれ頑張ろう、乗り切ろう」と話しました。

■5日目
夫は昼食を済ませてから迎えの車に乗り、療養に向かいました。
夫が出て行った後は、夫を隔離していた部屋は開けずに放置していました。
下手に入室して消毒作業をするより、放置して自然にウイルスが不活性化するのを待った方がいいと判断したからです。日数的には1週間ほど放置で十分かと思いましたが、念の為10日ぐらいは入らないようにしていました。

下記は自宅待機中に具体的に行っていたことです。保健所からの指導に基づいています。

・外出は極力禁止。ゴミ出し、郵便受けを見に行くぐらいは致し方ないが、人に会わない時間帯を選ぶ等配慮。
・通販や生協の受け取りは配達員の人と対面しないように玄関に置いてもらう。
・幸い、義実家から食べ物や物資の援助をもらえたので、その際も玄関先に置いてもらい、数メートル離れてもらい会釈する程度にする。
・もし人から援助をもらえない環境であれば、ネットスーパーの登録もしておくと良いかと思います。

私たちのPCR検査もこの日でした。
うちは車があったため難なく病院に行けましたが、タクシーや電車等の公共交通機関は使えないため、自力で行けない場合は保健所や病院が迎えに来てくれるのかなあとぼんやり思ったりしました。
全身防護服で覆われた女性に、激務な中対応してもらい頭が下がる思いでした。
結果は明日か明後日に電話で連絡します、と言われまっすぐ帰宅しました。

■6日目
検査からちょうど24時間ほど経った頃、全員陰性との連絡が入りました。感極まって泣いてしまい、お礼を言うと「よかったですね」と優しく仰ってくださったのがとても印象的でした。
まだ油断はできないが、とりあえず先の見通しが立ったと深く安堵しました。
体調の変化に気をつけながら、まだ何もわからない子どもたちをお世話しながら、ひたすら毎日を乗り切ることに尽力していました。
時間さえあれば夫や実家の母と通話をしていました。

■7~13日目
この期間は自宅待機の約束事を守り、淡々と子どもたちと3人で過ごしていました。

子どもたちに普段以上にきつい物言いをしてしまったり、非常に余裕がなかったと思います。
外に出られない不自由さ、完全ワンオペ育児、夫がいつ帰ってこられるのかわからない不安もまだまだありました。ですがそれでも夫が自宅で療養している期間よりも、この時期のほうが数倍楽でした。日数が経てば経つほど、私達が発症することはなさそうだと思えましたし…。

■14日目
発症から14日経ったところで、夫が宿泊療養から帰ってきました。
嗅覚障害はまだ残っていて、体力もだいぶ落ちて痩せていましたが、久しぶりに子どもたちを抱っこできた夫はとても嬉しそうでした。


それ以降は夫も少しずつ体力を回復させながら日常生活に戻っていきました。自宅待機期間の2週間が経った後、私も子どもたちも外に出られるようになりました。
クリスマスもお正月もないような年末年始でしたが、無事に乗り切れたこと、家族のありがたさ、最前線で頑張っている医療現場や保健所の方たちへの感謝。心配してくれた人たちがかけてくれた言葉、いろいろなことを思い、考え、気付かされた出来事でした。
日頃から万が一のために物資の蓄えをしておいてよかった、生協の宅配を利用していてよかったと思いました。

非常に怖い思いをしました。きれいごとばかりじゃなく、重症化しなかった、家庭内感染が起こらなかった、この程度で済んだから言えることなんですが、濃厚接触者になってしまうことはとても厄介で、こんなに面倒くさいことはないと思いました。

そして、最初の方にチラリと書きましたが、夫の発症が義実家で行う予定だったクリスマス会の前でよかったと、心底思いました。
もしも半日でも発症が遅れていたら、微熱程度ならいいだろうと油断してクリスマス会を決行してしまっていたら、70代の義両親や90代のおばあちゃんを濃厚接触者、あるいは感染者にしてしまっていたかもしれません。
考えただけでも身が凍りそうになります。義実家の皆さんを守れてよかった。どんなに直前だろうと、準備していたことを全部投げ出しても、会いに行かない決断をした夫は正しかったと思います。

すごく乱暴なことを言います。コロナに感染するしないよりも、濃厚接触者になる方が圧倒的に確率が高いです。
最近だと行政の手が回らず、濃厚接触者を追わなくなったとの話も聞きますが、同居家族はおそらくほぼ濃厚接触者判定になるのではないかと思います。
濃厚接触者になっただけで、2週間(10日に縮められるとの話も出ているようですが)厳しい軟禁生活を強いられます。
そして、今は感染者を家で療養させないといけない事態が多発していて、同居家族の肉体的、精神的負担は相当なものになっているはずです。
同じ家にいればいるほど、感染するリスクも上がります。いくら気をつけていても、長期になればなるほど疲労もたまります、どこかで油断や詰めの甘さは出てしまいます。

人に会わないことは辛いです。私もすぐ人に依存する性質ですので、本当に辛いですが、自分のため、大事な人のため。
今はぐっと我慢して、人に会わないように 収束の兆しが見えるまで 耐え忍んでいこうと 思っている次第です。

ここまでの長文を読んでくださいまして、本当にありがとうございました。
新型コロナの1日でも早い収束を、心から願っています。


これだけ書いておいてまだあるのかという感じですが、1歳と2歳の兄弟が期間中どのように過ごしていたか、ワンオペ育児のことを中心にした話を後日またまとめたいと思っています。
我が家のコロナ期、子ども編 です。小さいお子さんがいらっしゃる方への参考になればと思います。こんなに長くならないと思います、長くしないようにしたいです…。

※追加です。

子ども編できました。


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