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女は戦のさきがけ


奉務神社のご祭神である宗像三女神は日本書紀では天照大御神から「玄界灘を守れ」という神勅を賜っています。神勅というのは命令のことです。


福岡県の玄界灘は昔は海上交通の要所であり、それぞれの女神がお祀りされている島は船の目印でもありました。つまり、宗像三女神は日本と外国の境である玄界灘で、わが国と行き交う船を守る女神です。


海の道を守る最高神として、道主貴(みちぬしのむち)とも呼ばれます。神様の中でも「貴」がつく神様は天照大御神(=オオヒルメノムチ)、大国主神(=オオナムチ)、宗像三女神(=ミチヌシノムチ)の三柱だけで、最高に高貴な神様にのみ捧げられた尊称で当時いかに崇敬を集めていたかが伺えます。


さて女神が国を守る・・・というのに違和感を感じる方もいるかもしれません。
「女は戦のさきがけ」という言葉が南方で残っています。「勝利の女神」は皆さんもよく聞くと思います。この語源は、古代は戦争が始まるとまず巫女が戦勝祈願し、戦局を占っていたそうです。沖縄では、敵陣に向けて下半身を露出するという呪術が行われたと記録が残っています。


民俗学者の柳田国男は女性の持つ呪力を「妹(いも)の力」を称しましたが、現代でも女性の持つ力というのは潜在的に信じられていると思います。
例えば、最近よく子供と一緒にウルトラマンを見ていますが、ヒーローもののドラマでは、ヒーローがピンチに陥るとヒロインの女の子がキーとなってパワーアップしたり復活したりするストーリーがままにあります。これも女性の祈りの力が現代でも信じられいるからではないでしょうか。
だから私は女性こそ祈らないといけないな、と思います。
男性と女性は同等であるべきですが、同質ではありません。
同質ではないということはどういうことなのか、ずっと考えていました。
最近、ようやく進むべき道が見えてきたように思います。

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