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巫道(ふどう)

先日、恐山のイタコを始めとする東北の民間巫女についての本を読みました。(桜井徳太郎著「日本のシャマニズム」)
神職って民間の祈祷師や巫女を下に見る傾向がありますが、この人たちの修行や祈祷の様子を知って女性の祈りの本義を伝えているのはこの人達かも知れないと思いました。


東北の民間巫女(イタコやイチコ、オナカマなど)は誰でもなれるものではありません。
その修行は想像を絶する過酷さで、今だったら絶対ドクターストップがかかって出来ないだろうと思います。
神下ろしや口寄せの祝詞やお経はすべて口伝で、下ろす神様や仏様によって違うので、なん十種類も覚えなければなりません。
巫女として認められるには、神懸かりを経るのがどこの地方でも重要な様で、そのための斎戒(身を清めること)がとても厳しいのです。1日3回の禊、食事は肉魚五辛は勿論のこと穀断ち(穀物類ダメ)、火断ち(火を通した食べ物、火にあたることはダメ)に加え不眠不休で六根清浄大祓を一日1000回唱えたりを7日間続けるというのです。(地方によって修行内容に差はありますが大体このような感じです。)


今、私たち神職がこのような修行ができますか?と問われたら無理でしょうね。
誰でも巫女になれるものではなかったからこそ、彼女たちは聖女として崇められたんでしょう。
この本を読んで、女子神職の道とは巫道であると確信しました。
ようやく自分の進むべき道が見えてきたように思います。

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