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女子サッカー選手が今後知っておくべき言葉『抽象度』

このブログを読み進めていく中でキーワードがあります。


それは抽象度という言葉です。もともとはコンピューターや哲学の分野で使われていた言葉で、徐々に日常用語になりつつある言葉です。


もしかしたら、あなたはこの言葉を初めて聞くかもしれません。今後、サッカーでも、『あの選手は抽象度が高い』みたいに当たり前に使われるようになるでしょう。


ちょっと難しい言葉ですが、その意味は視点が高い思考のことです。


視点が高い思考とはどういった意味か?


たとえば、あなたが松江ハナツバキSC所属のDF梅木かおり(21)さんだとします。

出身は栃木県宇都宮市、宮城県の名門『常盤木学園高校』にサッカー留学して、その後はプレナスなでしこリーグ2部のスフィーダ世田谷FC→松江という経歴です。


身長は162cm、体重53キロ、好きな食べものはもちろん餃子、マイブームはタピオカ。


このように具体的な個、つまり梅木香織さん個人についての情報は具体的です。別の言い方をすれば情報量が多いということ。



ここで梅木かおりさんを一歩、抽象的にしてみましょう。すると女子サッカー選手です。さらにもう一歩抽象的にするとサッカー選手です。その上はアスリートです。やがては人間、生物に行きつきます。


こんな感じで視点を高めて、どんどんと抽象化した思考をすることを抽象度を上げるといいます。


とはいえ、あなたは『で、これになんの意味があんの?』と疑問に感じるに違いありません。なので、抽象度を上げるメリットを説明します。


梅木かおり→女子サッカー選手と抽象度を上げた場合、この女子サッカー先週は同僚の松江の選手だけではなく、日テレ・東京ヴェルディベレーザやINAC神戸レオネッサの選手も該当します。


INACといえば川澄選手が最近復帰しましたが、彼女が以前に在籍していたアメリカのチームの選手、あなたにとって神のような存在であるアレックスモーガン選手もその対象にふくみます。もちろん中学生、高校生やクラブの下部組織の選手も同じくです。


アレックスモーガン


もう一段視点を上げてサッカー選手になると男子サッカーの選手、キングカズこと三浦知良選手やヴィッセル神戸のイエニスタ選手、ACミランやバルセロナFC、マンチェスター、ユナイテッドFCの選手も扱います。


抽象度を上げて、視点が高まれば視界が広くなることが分かります。反対に、その視界は梅木かおりさん個人を特定したときよりも抽象的で、情報量は少なくなっています。


しかしながら、世界中のサッカー選手が適応対象となることから潜在的な情報量は多いです。


抽象度を上げる=潜在的な情報量が増え、俯瞰的な視点と思考で物事をみれるということです。

抽象度図 [自動保存済み]



監督が交代したり、移籍したりしたときにガラッとフォーメーションやシステム、戦術などの環境面が変わっても、高い(俯瞰的)視点から即座に対応できます。


また試合中は練習中とは違って、どういったプレーをしてほしいのか、いちいち説明を受けられません。

リアルタイムで試合は動いて、選手自身も走りまわっている中で、立ち止まって考えることも難しい。考えるだけ、エネルギーをロスしてしまいます。

余談ですが、このロスを減らしていく方法が『戦術的ピリオダイゼーション』です。今後、解説します。


でも抽象度が高いと、監督やキャプテンからの一言、場合によってはアイコンタクトからでも、監督の意図が瞬時に理解できるようになります。


なぜこんな芸当ができるのかといえば、抽象度が高い(選手)とは、自分がもっている情報量が圧倒的に多く、俯瞰的な高い視点からすぐにゲームのパターンを把握して対処できるからです。

知識の引き出しが多く、それを即座に応用して、いろいろな問題解決ができる感じです。


仮に十分に言葉が通じない海外のクラブに移籍しても、即座にチームで自分が求められている役割を認識して、ピッチでそれを表現することができるようになるのです。

女子サッカー⑤


つづく

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