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できる!なでしこなら知っておきたい『自分たちのサッカー』からの『ゲームモデル』&『プレー原則』

自分たちのサッカーという概念があります。


この言葉の発端は2010年のワールドカップにて、男子日本代表が敗戦の弁として、『自分たちのサッカー(ができなかった)』という意味で使われはじめたことのようです。


とはいうものの、この自分たちのサッカーという言葉だけが独り歩きして、明確な定義ができていないのではないかと感じます。


ここでは自分たちのサッカーとは、(自分たちの)理想のサッカーという意味で定義します。


自分たちのサッカーは、抽象度の階層モデルで示すとクラブモデルの下層に位置します。もっとも、このクラブモデルも、その上にあるクラブ哲学に由来します。すべてはクラブ哲学から始まり、クラブ哲学に終わります。



自分たちのサッカーはクラブ哲学というゴールを目指すためのコンパスです。コンパスはいつでもゴール(クラブ哲学)を指しています。コンパスはチーム全員に共有されている必要があります。



さて、自分たちのサッカーはあくまでも理想です。実際のところ対戦相手のことを考慮しなければなりません。この自分たちのサッカーをしていくうえで、対戦相手のことを考慮した現実的な考え方がゲームモデルです。

ゲームモデルは、自分たちのサッカーに比べてより具体的になります。
※抽象の反対


ゲームモデルは自分たちのサッカーがコンパスだったのに対して、ゲームモデルは地図です。


サッカーとはコンパスと地図を頼りに、クラブ哲学に向かう旅なのです。


そして、いつでもコンパスがゴールを指し、全員がそこへの道筋に向けて歩んでいく姿勢を維持・保持するシステムのことが『戦術的ピリオダイゼーション』です。

※厳密には、次のゲームに向けて、最高のコンディションを保つためのコンディション調整も含みます



なお、戦術的ピリオダイゼーションは、ゲームモデルより下層にて適応されます(図参照)。


プレー原則


戦術的ピリオダイゼーションは、たとえコンパスと地図がゴールから外れたとしても、元の針路を保持した状態に回復させる心理レベル作用です。相手チームに、こちらのプレー秩序が乱されても、即座に回復をはかっていくことが目的です。


※戦術的ピリオダイゼーションを理解するには以下をご覧ください
図解でわかる戦術的ピリオダイゼーション 出典fotballista
https://bit.ly/3nYFKPw 



ちなみに、対戦相手ごとに、『今日はどういった作戦、戦術、フォーメーションをとっていこうか』と立てた計画がゲームプランです。




コンパス(自分たちのサッカー)と地図(ゲームモデル)をもとに、チーム全員がゴール(クラブ哲学)の達成のために『どのような動きをしていくべきか』という約束事。

この約束事がプレー原則です。プレー原則は主原則、準原則、順々原則から構成されます。


たとえば、攻撃面では


・ゴールキーパからのビルドアップはスローインでおこなうので、サイドバックはすぐにボールをとれる位置に移動する


・同時に、全選手は次に自分が何をしなければならないのか、各選手がその与えられた役割を予測して動く


・守備の面では、なるべく高い位置で相手のボールを奪う



などの約束事がプレー原則です。



以上のようにクラブ哲学、自分たちのサッカー、ゲームモデル(含むゲームプラン)、プレー原則は全て有機的に繋がっています。


なでしこの皆さんは、日々この繋がりを意識ながらトレーニングを実践していくことが大切です。


女子サッカー⑥


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