全国高専大会について
「高専」といえばロボコンが有名ですが，バレーボールにも高専カテゴリが存在します．垣花実樹さんが企画した「バレーボールのアドベントカレンダー」で機会を与えていただいたので，高専バレーのお話を書こうと思います．
第56回全国高専体育大会バレーボール競技
2021年12月11日（土），12日（日）に鶴岡高専（山形県の日本海側）が主管で全国高専大会バレーボール競技が行われました．もともとは9月初めに開催する予定でしたが，新型コロナ感染予防の関係で延期になり，この日程での開催になりました．予定では，酒田市国体記念体育館という大きな体育館で行われることになっていましたが，会場確保が難しく，下記の会場で実施しました．
11日（土）
庄内町総合体育館： （男子）1回戦，2回戦
朝日スポーツセンター： （女子）1回戦～準決勝
12日（日）
朝日スポーツセンター： （男子）準決勝，決勝
（女子）決勝
体育館の玄関はこんな感じです．
翌週の同じ場所の風景はこんな感じでした．神様が冬の到来を1週間だけ遅らせてくれたようです（笑）
試合結果は下記のとおりです．
例年であれば，1日目を予選リーグ，2日目準決勝，決勝トーナメントという形をとるのですが，感染症対策のためトーナメントとして試合数を減らし，トーナメントのブロックごとに学校を入れ替えることで，可能な限り接触を避けるように運営しました．コート設定は下図のような感じになりました．
体育館の確保が難しく，２日目は狭いのですが朝日スポーツセンターでの実施になりました．男子のガチの試合を朝日スポーツセンターを２コートでは，狭すぎて危険なので，時間設定的には厳しかったのですが，１コート設営にしました．１コートだと国際試合と同じプレーエリアを確保でき，広々と試合ができます．下図は決勝戦での一場面です．
大会は鈴鹿高専の初優勝で幕を閉じました．何度もチャレンジしてきて初優勝なので，喜びもひとしおだったと思います．おめでとうございます．準優勝の明石高専は，神戸市立高専との戦いの中，MBが脳震盪で救急搬送され，監督の先生も病院に同伴したことから，準決勝の２セット目以降は，学生だけで戦うことになりました．そこからキャプテンを中心に決勝戦まで戦い抜いたのは立派だと感じました．
（男子ばかりの戦評で申し訳ありません．ほとんど男子会場にしかいなかったので…）
全国大会に出てくるチームは，チーム戦術としてブロック＆ディグが鍛えられており，何処と対戦しても，勝つのは簡単ではないですね．どの高専も部活以外にやることが沢山あります．さらに，今回の新型コロナ騒動で，練習時間，対外試合も制限され，大変な中でバレーボールを続けてきたと思います．教員の方も多忙なので，学生たち自身が創意工夫してチームを作ってきたことが感じられました．お題目や見てくれではない，本当の意味での「アクティブラーニング環境だよな～～～」っと，改めて感じ入りました．
今回は無観客での実施になりましたので，動画配信も試みましたが，低解像度のものを2日目のみ実施することしかできませんでした．全試合を録画し，大会後に皆さんに見てもらうことは実現しましたが，いろいろ，不手際が多くて本当に申し訳ありませんでした．
高専カテゴリについて
国立高等専門学校は，全国に51校55キャンパスが設置されています．これに，都立高専，府立高専，市立高専，私立高専が加わって，大会が開催されます．15歳（高校1年生世代）から20歳（大学2年生世代）までの学生が出場する特殊なカテゴリになっています．
地区予選は，北海道，東北，関東信越，東海北陸，近畿，中国，四国，九州沖縄の８ブロックに分かれて行われ，男子は12チーム，女子は9チーム（or 10チーム）が代表となり，全国大会が開催されます．例年は下図のように大会１日目は予選リーグ，２日目は決勝トーナメントが行われます．
私が全国大会を初めて見たのは，赴任3年目の第４１回大会（平成１８年，2006年）でした．失礼ながら，高専のバレーボールなんて，ええ加減にやってるものだと思っていましたが，意外なほどに競技レベルが高かったことに驚かされました．「学生も教員も忙しいだろうに，よくこのレベルで戦えるよな～～～」っと感心したことを覚えています．
まとめ
全国大会主管という大役を終えましたので，とりあえず，思ったことを書いてみました．運営上の不手際も多く，多方面に多大なご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます．
世の中には，色々なカテゴリがあり，色々なバレーボールがあるのだと知っていただければ幸いです．
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