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高校教科書で見る日本の地震災害 [自然災害を学ぶための教科書 4/4]

日本列島で起こる地震の特徴については、『地理総合』、『地学基礎』に簡潔にまとめられています。
勉強のとっかかりとしては、最適だと思います。
ここでは、それに基づいて最低限の知識を確認してみましょう。

震源の分布

まずは、震源の分布を見ましょう。
震源はまったくランダムに分布しているわけではありません。
火山分布同様に、東日本において分布に明瞭な特徴が認められます。

https://dil.bosai.go.jp/workshop/03kouza_yosoku/02yuuin_fig02_07.html

東日本の震源分布の特徴を東北地方の東西断面で見てみましょう。
大きく見ると、震源は2つの場所に集中的に分布しています。
一つは太平洋プレートの沈み込みに伴った場所です。
これをプレート境界地震と言います。
もう一つの地震群は沈み込まれる側のプレート(北アメリカプレート)内で発生するものです。
20km程度の比較的浅いところで起こっています。
これをプレート内地震とよびます。

https://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/sec4.2.html

東日本大震災の原因となった東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9)は、プレート境界地震です。
プレート境界地震の中にはは巨大で、津波被害を伴うことも多くなります。
1995年の兵庫県南部地震は、マグニテュード7.3と東北地方太平洋沖地震より小さいのですが、直下の浅いところで発生したため、被害が大きくなりました。
首都圏直下型地震は、プレート内地震として発生の可能性が大きいのですが、相当な被害が予測されます。

地震発生のメカニズム

地震発生のメカニズムについても、高等学校の教科書に書いてあります。
ニュースなどでもよく紹介されることですので、ここでも見ておきましょう。
地震は、大地に力が加わり破壊されることにより起こります。
大地が破壊されるとそこに断層ができ、そこから発生した波が地表に達成し被害が発生します。
地震の原因となる断層には、大きく分けると3種類あります。
横から力が加わってできる断層は、逆断層と横ずれ断層です。
一方、上下方向に力が加わってできる断層は正断層と呼ばれます。

逆断層と横ずれ断層は巨大なものが多く、それに伴う地震も規模の大きなものがあります。
ちなみに東北地方太平洋沖地震の原因は逆断層で、兵庫県南部地震の原因は横ずれ断層でした。

https://kotobank.jp/word/正断層-86210

現在、地震の原因は断層であることは常識になっていますが、私が学生のころ(今から40年前!)は必ずしもそうではありませんでした。

こんな話は、またどこかでしましょう。


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