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誰もが感じている疎外感

先日、病院に送迎した時に母がふと漏らした話。
休日、母の留守中に、同居している弟夫婦が二人でマックに行ってハンバーガーを食べたそうだ。
「私がいる時だって、二人で出かけたらいいのに」と母は言っていた。

弟たちはそこまで深く考えているわけではないだろう。
多分日曜日の庭仕事の途中、作るよりすぐに食べられるテイクアウトを選んだだけだと思う。
でも、きっと母は、本当は普段から二人で出かけたいのに、自分がいるせいで弟夫婦に気を遣わせてしまっているのではと気にしているのだ。
そして、ほんのわずかだけど疎外感を感じてしまっているのではないだろうか。
母だって、マックのハンバーガー食べたかったのかもしれない。

母と弟夫婦が同居を始めたのはこの春からだ。
まだ試運転状態である。
気ままな一人暮らしだった母は、必要以上に弟夫婦に気を遣っている。

私も少々の疎外感を感じないこともない。
父が亡くなってからの3年間、夕方になると毎日のように近くの実家に顔を出し、母の話し相手になっていた。
帰る時は必ず母が玄関まで見送ってくれた。
今は、夕方顔を出すと母と義妹が夕飯の支度をしている。
これから帰ってくる弟と母と義妹3人で食卓を囲むのだ。
少しだけお茶を飲んで帰る。
ありがたいことにいつも義妹が見送ってくれる。

自分の役目は終わったんだなという安堵感と、わずかな寂しさと共に家路に着く。
今後は、実家に足を向ける回数も徐々に減っていくだろう。

家族の関係は常に変化していく。
人は結局はひとりだということを最近は受け入れられるようになってきた。
そんな年齢である。

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