駐妻生活で失われた私の魅力
映画評論家気取りのnoteに、夫から苦情が寄せられた。
自粛生活のなか普段はあまり見ない映画を見て、つい語ってしまったのだが、たしかに書こうと思っていたことが後回しになっている。映画×思い出編はお休みしようかな。
そんな中、ロンドン滞在中にも夫から苦情を寄せられたことを思い出す。
ある日、夫から
「ロンドンに来てから、みなぞうの1番の良さが無くなっちゃった!」
と言われたことがある。けっこう怒っていた。
「私の1番の良さって・・?」と聞いてみる。
「防犯意識!!!」
え!!私の1番の魅力って防犯意識なの?!?!?
奥さんの好きなところは?みたいな質問で、聞いたことありますか。防犯意識。
夫はキレていたのだが、私は笑ってしまった。
どうして夫がそんなことを言い出したかというと、私が友達と旅行に行くとき、高いコートか安いコートか悩んだ末、高いコートを着ていくことにしたのだが、夫はそれに失望したらしい。
高いコートを着る=犯罪のターゲットとなる可能性が高まる、というわけだ。
夫の言うことは分かる。が、私の言い分も聞いてほしい。
安いコートは安いだけではなく、クリスマスマーケットの焚火マシュマロの火の粉をあびるという大ダメージを受け、裾が一部溶けている有様。
しかも、旅の1番の目玉は、素敵なレストラン。
そんな場所に、ただでさえ見窄らしい雰囲気の私がズタボロのコートで登場するなんて、個人に留まらず、日本全体へのネガティブキャンペーン実施ではないか。
ただ、実はこの問題は我々夫婦の間では大変根深い問題なのである。
夫はかなり保守的な会社で働いているわりに(いるからこそなのか?)、反骨精神あふれるかつてのヒルズ族やネオヒルズ族的な方への信仰心が強い。
「フォーマルな場でもズタボロのデニムで行くぜ!ドレスコードなんて非合理的ぃ!」という信念なのである。
※会社にはズタボロのデニムではなくスーツで通っております。
それに対して私が「彼らはカジュアルな恰好で行っても、使う金額が桁違いだから許されるの。我らがズタボロの服で行って、少ししか食べない、お酒も飲まない、ってただの非常識で失礼な輩だよ。」という、お決まりの戦いなのである。
そもそもフォーマルなレストランに行くことも少ない夫婦なこともあり、そこまで致命的でもないものの、この問題は年1~2回発生する年中行事化している。
そんなわけで、ロンドンで駐妻として過ごしたことが原因いうわけでもない気もするが、夫から見たら私の魅力(しかも1番の。笑)が失われてしまったらしい、という話。
ちなみに私は高いコートを着て行ってまったく後悔していない。
むしろ裾がズタボロコートを着ていかなくて本当に良かったと思っている。危ないところだった!!
もちろん犯罪にも巻き込まれなかったので我が家の治安も守られた。
もしスリにでも遭っていたら、それ以降私の家庭内での人権は無きものとなっていたかもしれない。
そんな私がどこへ行ったのか、次回は素敵なグルメ旅行の写真でも載せてみようかと思う。
※夫とは人生の価値観も合うし、ズタボロの件で小競り合いをしながらも、楽しく暮らしています。最近ますます面白い人になってきた夫よ、毎日ありがとう。
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