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保育園内定後に「まさかの苦しみ」が待っていた、派遣社員という働き方。

◆入園内定が取り消しに!? 派遣社員の落とし穴

出産前、派遣法の3年ルール適応外だった「専門26業種」で働いていた私が経験したこと。それは「認可保育園の入所が決まったのに、派遣先が決まらなくて取り消しになるかもしれない」という、目の前が真っ暗になりそうな状況でした。
(*専門26業種制度は、2015年の派遣法改正で廃止されました)

産休に入る前、就業先からは「育休が明けたら戻ってきてほしい」、派遣会社からも「先方から希望が来ているので、就業が可能になったらすぐに連絡がほしい」と言われていたので、育休明けの仕事は確保できたつもりでいたのです。

そして出産した年の秋、同派遣会社への復帰予定として認可保育園に申請。
保活中にたまたま23区内で比較的保育園に入りやすいといわれる自治体へ引っ越したのが良かったのかもしれません。年明け1月には認可保育園の入園承諾通知書が届き、入園後の職場復帰へ向けて順調な滑り出しになった、はずでした…。

ところが、復帰直前の年度末に就業先で大きな組織改編が行われ、復帰予定だった部署が解体されることになってしまいます。
すぐに別の就業先を探すこともできたのですが「私の部署に入ってもらえるよう掛け合っているので少し待ってほしい」という依頼があったこと、私自身も顔見知りが多い就業先の方が復帰しやすいと思えたことから、3月いっぱいまで待機する選択をしたのでした。
(というより、保育園も始まっていない3月中は、こどもの預け先がないため職探しは不可能でした)

4月に入ってもうまく調整が進んでいないとの連絡を受け、ようやく焦り始めた私。
うちの自治体では、
・4月中に仕事(実務)を再開すること
・就業条件が入園申請をした条件と変わらないこと
が認可保育園の入園承諾の条件だったからです。

役所にも念のため問い合わせましたが、派遣会社にただ登録している状態ではダメで、就業先での実務を再開する、というのが条件になります(これは正社員でも同じ。社員として籍を置いているだけではダメ)。

派遣社員の場合、派遣元(登録している派遣会社)が変わってしまうのはダメ。就業先企業が変更になるのはOKだが、申請時と勤務条件(就業時間の長さ)が同じでなくてはいけない、ということでした。

つまり、このままだと内定が取り消しになってしまう可能性があるということ。
しかし、慣らし保育中に次の就業先を決めないと、預け先がなくなって面談に出かけることさえできなくなってしまいます。もーどうしたらいいのやら。


◆産休明け派遣社員に立ちはだかるハードル

とにかく働ける職場を探さなくては!
そう決意した私は、のんびり構えている派遣会社の担当に毎日のように電話を入れては、応募できそうな案件がないか聞くようになりました。
「産休前の就業先にこだわらない。とにかく4月中に勤務開始できるよう早急に就業先を探してほしい」とも念を押して伝えました。

*後で知りましたが、4月中に決まらなくても保育園内定に影響しないと思い込んでいたそうで。私はガツガツ言えるタイプなので良かったですが、言えずに待ってしまう人もいるので、産休復帰をサポートするからにはちゃんと知っておいて欲しい。

しかし、長時間勤務、だいたいギリギリの人数で仕事を回す、残業ありで夜遅めまで就業していることが普通、というのが常態化している職種なので
「乳児がいる=休みがちになる可能性あり」「残業できない=仕事が終わらない」「時短不可」「そもそも募集条件に合わない」といった理由で、応募しても面談にすら進めないことがほとんどでした。

それでもなんとか数社から面談に呼んでいただけて。
本当の本当に、滑り込みセーフで(本来は5月からの就業募集だったのに、懇願して4月最終週から受け入れていただけました…今でも感謝しています)決まりました。

給与面も仕事内容も、かなり妥協しました。
当時は「そこまでして保育園に預けたいのか?かわいい我が子と一緒にいられる時間を犠牲にしてまで働きたいのか」と気持ちも不安定な毎日でした。

でも、こどもが保育園に通い始めて丸4年が経とうとしている今。
「毎日たくさんのお友達と遊べる幸せ」「こどもの成長につながる取り組み」「信頼できる先生方や、気軽に話せる保護者の方々」と、保育園がなければあり得なかった幸せを実感しています。

◆派遣社員で良かったこともあった

育休明けの就業先探し中はいろいろとすさんだ気持ちになりました…。
「乳児がいるという条件は父親だって同じなのに、出産のためどうしても休まざるを得ない母親だけが、なぜこんな思いをしないといけないのか」なんて恨めしく思ったものです。

そもそも、派遣社員という働き方を選んだからこの事態に直面したわけなのですが、それでも派遣社員で助かった~!という点もあります。

実は私、派遣社員として働く前は完全なフリーランスとして活動していました。
わりと無茶をしたので体調を崩し「自分で仕事や契約を取ってくるスタイル」から「収入は下がるけど安定してストレスのない働き方」へシフトチェンジしたという経緯です。

フリーランスの時代に妊娠・出産をしていたら、育児休業給付金はもらえませんでした。派遣社員として働いていたからこそ、給付金がもえらえて出産後にゆっくり体を休めることに専念できたのです。

それと、これは直感的になのですが、仮にフリーランスとして認可保育園の入園申請をしていた場合、内勤とみなされて不利になった気がします(実際は外に出ての打ち合わせ、実作業がかなり多め)。不承諾通知を受け取る羽目になっていたかもしれません…。

その後、紆余曲折を経て派遣社員という働き方を見直し、現在はフリーランスで仕事をしています。
保育園に通わせながらの転身、なかなかハードでした。でも、思い切って良かったと感じています。転身の際に保育園失格にならないために気を付けたことなども色々あったので、この話もそのうちまとめますね。

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