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釜場と湊兄弟のはなし

湊河湯の釜場は半地下にあり、秘密基地感満載。
そんな釜場には長い時間頑張り続けてくれている設備たちがたくさんいます。

そのほとんどが古く、先代しかわからないクセがあります。
全開にしてしまったら水が溢れ出てしまうバルブや、自分たちで継ぎ足さないとうまく増えてくれない油。

ところどころに印のついてあるバルブがあり、
「これはたぶん何周まわす、と決めていたんだろうなぁ」ということがわかる。

印のついたバルブ。全開にはしてなかったんだろうな。


「ここにこれくらいの栓ができそうなものがあればなぁ」と周りを見渡すと、鮭フレークの瓶があり、すっぽりハマったりする。
釜場の中には亡くなられた先代の想いがたくさん残っています。

水風呂を冷やしてくれているチラーという機械は1986年のものなので、37年間冷やし続けています。
時々疲れてしまうので、おっきい扇風機で風をずっと当てて、なんとか頑張ってもらっています。

湊河湯のチラー


8月11日に湊河湯が再出発し、これで一安心かと思いきや、全くそんなことはありませんでした。
釜から水が溢れ続けることがずっと続いています。

水が溢れる


弊社のボスたち、湊兄弟が毎日のように原因究明をし、毎週のように工事を繰り返し、3歩前進したと思えば1歩後退し、また3歩進んで1歩下がる、そんな感じで前に進んでいます。
わたし店長も二人の背中を見ながら、いつか自分でもできるよう勉強中です。

原因究明する湊兄弟

他人事のように話しますが、この兄弟は本当にすごい。
2人とも別のタイミングから"銭湯を日本から消さない"という目的に向かって、銭湯に一直線に向かい合っていることが奇跡だと思う。

大きな器を持ちながら広い視野で熱い信念を持って銭湯と向き合う湊三次郎。本当に素直で一直線で曲がることのない芯があり、そして熱い信念を持って銭湯と向き合う湊研雄。
2人が合わさったときに起こる化学反応は測り知れない。

闘いを終えた湊兄弟


自分たちでできる工事は自分たちでやる。
そんなゆとなみ社がかっこいい、と入社した当時の自分の気持ちを、このnoteを書きながら改めて思い出した。

しかし、自分たちでは直せない部分があります。
釜本体やチラー本体。
今は鞭を叩きながら頑張ってもらっていますが、来年には新しいものに換えたいと思っています。
クラウドファンディングを実施した1番の理由です。

10/14(土)まで、現金のみ・番台のみの受付でクラウドファンディング行っています。

みなさまのご支援、お待ちしております。

銭湯を日本から消さない


後半4枚写真:オータヒロキ

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