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湊河湯クラウドファンディング

はじめまして。
湊河湯店長ユウです。

この度、神戸・湊川にある「湊河湯」を株式会社ゆとなみ社で継業することとなりました。
湊河湯の復活、そして今後もっとたくさんの銭湯を継業するため、クラウドファンディングを行うことにいたしました。

ゆとなみ社は、代表の湊三次郎が「サウナの梅湯」を継業したのが始まりで、現在では関西を中心に5軒を経営、そして今年2023年の夏には、新たに湊河湯を含む3軒の銭湯を継業しました。
全国から銭湯経営を目指すメンバーが集まり、「銭湯を日本から消さない」をモットーに、技術とノウハウを日々積み重ねています。

株式会社ゆとなみ社ロゴ
改装前の湊河湯前にて、代表湊と店長ユウ


湊河湯について
〜休業から復活の経緯〜

湊河湯は1949年(昭和24年)から、旧「湊川温泉」として今の場所で営業を続けていました。
現オーナーの元木英雄さんのお父様、淳さんが引き継ぐ前は、英雄さんのお母様、美智子さんのご両親が運営をしていました。

阪神大震災のときも、たくさんの損害がありましたが、近隣の被災者のためにすぐに復旧し、お風呂を提供しました。商店街の方々には無料入浴券を配布したとのことです。

旧湊川温泉。
現湊河湯の道路沿いの角がうどん屋だった。
お好み焼き20円?!


数年前から淳さんは腰痛が悪化。短い休業を繰り返しながら、ずっと1人でお風呂を沸かし、番台はご夫婦で立ち、湊河湯を守り続けていました。

ところが、2022年9月、脳梗塞を患い長期の休業を余儀なくされました。
入院中も淳さんはずっと湊河湯のことを心配していたと聞きました。
「銭湯は機械を止めてはならない」
と、営業していたときは定休日にも家族のために1日も休まず沸かしていたそうです。

湊河湯のことを思い、リハビリに努め、2022年12月現場に復帰、湊河湯は再開しました。
しかし、再開期間は10日間という短いものになってしまいました。
淳さんは肺炎を併発し、2023年1月に、最後まで湊河湯のことを想いながら天国へと旅立ちました。

改装前の湊河湯
写真:岡田和幸


ここで、この度店長を務めることとなりました私ユウの話をさせていただこうと思います。

学生の頃から街に根付く商店街が好きで、大学生のときに東山商店街を知り、三宮から少し行くだけのところにこんな凄い商店街があるのか!と衝撃を覚えたのを今でも覚えています。

そして東山商店街を探索する中で、湊河湯の存在を知りました。この賑やかな商店街のすぐそばに銭湯があることにすごく魅力を感じ、この時まで銭湯にほぼ入ったことなかった私は吸い込まれるように湊河湯に入りました。

湊河湯は少し上がった2階部分に露天風呂・水風呂・スチームサウナがあり、露天風呂は全面ガラス貼りなので綺麗に光が射します。
昼下がりに入りながら光を眺めたあの初湊河湯、気持ちよかったなぁ。

浴室内
写真:岡田和幸
水色の浴槽に光が射す。
写真:岡田和幸

その日から、「湊河湯は絶対残さないといけないな」という想いが頭の片隅に残っていました。
社会人になり、東京で某アイドルのマネージャーをしたり、商業施設の新店舗立ち上げに携ったりする中で、銭湯に行くことはリフレッシュの1つとなっていました。

そして2022年4月のある日、ゆとなみ社の求人を見かけ、湊河湯を自分で残したいという想いで応募。
6月からゆとなみ社で働き出しましたが、そのときはまだ湊河湯は淳さんが元気に運営されていたので、何かサポートをできればと考えていました。

京都・サウナの梅湯と大阪・みやの湯で働いてる中、湊河湯がまた休業したと知り、去年末に弊社社長の湊と直談判しに伺い、継業させていただくこととなりました。

想いが込められた改装

東山商店街にはたくさんの八百屋さんや果物屋さん、美味しい食べ物が売っているお店が軒を連ねています。
そして新開地には、小さな小さな醸造所で作られている「湊ビール」という地ビールがあります。(湊河湯、代表も湊、そして湊ビール…!)

湊ビールロゴ

ちょっとだけ食べてみたい、とか、ちょっとだけ飲んでみたい、とか。
商店街夕方に閉まっちゃう店が多いから夜あればな、とか。
私がずっと思ってきたことでした。

湊河湯は番台式でしたが、フロント式に改装し、ロビーエリアを作りました。
立ち飲みカウンターを新設し、そこで湊ビールを生ビールで提供します。
季節のフルーツを使って、自家製サワーも出したい。(お酒飲めない方にはスカッシュとして提供したい)
そして皆さまに食べてほしい東山商店街の食べ物を小鉢で提供します。

お手軽な価格で、お風呂上がりに湊川の風を感じながら。

立ち飲みカウンター。風がめちゃくちゃ気持ちいい。

立ち飲みカウンターと番台カウンターは、人研ぎという手法で作成しました。
※人研ぎ:「人造石研ぎ出し」の略。セメントに種石(きれいな小粒石あるいは割石)を混ぜて人造石を作り、硬化後、その表面を研磨して作る。

見えている石は、2種類。
①一緒に湊河湯を作り上げてきた建築集団"々"の皆と一緒に拾いに行った、湊川源流の石
②オーナー元木さん(造園師)が仕事でよく使用している石

想いの詰まったカウンター、ぜひ見ていただきたいです。

色のついたとがったような石が湊川の石。丸い黒い石が元木さんがよく使用する石。



ロビーの壁は少しウェーブがかかっています。
私たちはそれを"湊河ウェーブ"と呼んでいます。
ウェーブに沿ったベンチも作成しました。
他にも、"湊河ウェーブ"を感じる箇所があるので、探してみてください。

湊河ウェーブな壁。実はちょっとピンクがかってる。
男湯脱衣所に設置したベンチ
脚の色は湊河湯ロゴと同じブルーでかわいい。


そして湊河湯は、震災の影響なのか、建物がすごく傾いていました。立つだけでわかるほどの傾きです。
そこで、高さをそろえるための補修工事も行いました。

床の高さを揃える。こんなに傾いていました。

今後必要な修繕

釜や濾過器、チラーなど、ほとんどの設備が限界を迎えそうなギリギリで頑張ってくれています。
自分たちで修理できるところは修理しましたが、釜などの修繕が今後必要となってきます。

ずっとずっと頑張ってくれている機械たち。

これまでのゆとなみ社の活動

・銭湯9軒を継業
・銭湯経営コンサルタント
・「森、道、市場」などの大型フェス出店
・アーティストを呼んで浴室で音楽ライブ
・近隣のお店とコラボし、イベント開催
・自社以外の銭湯の修繕や掃除

自分たちで工事をする様子
工事中の湊河湯で開催した音楽ライブ
写真:岡田和幸
りんご音楽祭出店の様子
地元松本の銭湯"富士の湯"と一緒に


資金の内訳と使い道

湊河湯復活にかかる費用は、今後の修繕費も含め、約1,500万円以上にのぼります。

今回のクラウドファンディングでは銭湯の肝になる部分「釜」の修繕に必要となる400万円にご支援いただきたいです。

とはいえ、今回は資金が集まらなくても事業が成り立ちます。
支援を集うことで、資金(借入枠)を使い果たさず、次の銭湯の継業も行えるようにしたいと考えています。

クラウドファンディングを独自で行う理由

①支援していただいたお金をできるだけ多く事業に使いたい

仮に専用サイトを使って600万円が集まった場合、そこから手数料と消費税で約110万円を引かれてしまいます。
湊河湯のために支援していただいたお金の多くが手数料に費やされることになります。サービスを利用する以上仕方がないとはいえ、これは支援していただく方にとっても本望ではないと思います。

②それぞれの銭湯で築いた、もしくはこれから築いていくコミュニティに頼りたい

ゆとなみ社はこの8年間で業界内はもちろん、他業種の方や、数えきれないほどのお客様と出会い、関係性を築いてきました。
そして湊河湯でも築かれ、続いてきたコミュニティがあるはずです。

遠くの何かではなくて、身近にある生身のコニュニティを積極的に頼る試みをしていきたい、今回のクラウドファンディングにはそんな思いがあります。

銭湯業界の現状について

ゆとなみ社がこのような活動をしているのは、銭湯を日本から消さないためです。
日本中で銭湯の数は激減しており、ここ20年ほどで3分の1にもなっています。

クラファン実施スケジュール

8/11(金祝)クラウドファンディング開始
10/14(土)クラウドファンディング終了
10月〜12月 リターン発送

リターン紹介

集金方法は「現地にて現金のみ」です。
申込みも抜け漏れを防ぐために「番台のみ」で受付いたします。
※銀行振込や電子決済は利用できません。

< お問い合わせ先 >
不明な点がありましたら、以下までお問い合わせください。
住所:神戸市兵庫区東山町2-3-5
TEL:070-3352-2680
メール:minatogawayu@gmail.com
担当 松田

おわりに

5月末から復活に向けて工事や準備を進めてきました。
たくさんのご近所の方が「いつオープンするの?」「みんな待ってるで」と毎日お声かけくださり、いかに湊河湯を残すことに意味があるかを実感することができました。

ゆとなみ社のモットーは
"銭湯を日本から消さない"

私の中の"銭湯を日本から消さない"は
"湊河湯を守り続ける"

湊河湯を守ることは"銭湯を日本から消さない"に繋がると思っています。

みなさまのお気持ちを少しだけ、わたしたちにいただけると嬉しいです。
励みにも、力にも、銭湯を残すことにも繋がります。

銭湯を日本から消さない。


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