💊チョコラBBプラスは食後服用なのに、何故トラフルBBチャージは食後じゃなくて良いの？〈薬剤師の視点から解説〉

Q、用法・用量で、チョコラBBプラスは食後服用なのに、何故トラフルBBチャージは食後じゃなくても良いことになっているの？

チョコラBBプラス：用法・用量に食後の記載がある

トラフルBBチャージ：用法・用量に食後の記載なし

ポイントはトラフルBBチャージが持続型ビタミンB２（リボフラビン酪酸エステル）になっているということ

ってことでさっそく記事を使って解説していくぜ。

A、

ビタミンB2はリボフラビン

チョコラBBに含まれるリボフラビン(ビタミンB2）は水溶性だ。吸収する時に脂質二重膜を透過する必要があるため、水溶性は困難となる。

脂溶性だけが食後服用に適していると勘違いしている人もいるが、一般的に、水溶性の場合も食後に摂取することで吸収が促進される傾向がある。

【簡単な薬物動態を復習しよう】
薬は崩壊→溶解→吸収

溶解ってことは薬が溶けるためにある程度は水溶性である必要があるが、溶解から吸収する過程において、"脂質"二重膜を透過する。つまり薬はある程度の脂溶性であることも大切。
よって、薬はあまりにも水溶性が高いと成り立たないし、あまりにも脂溶性が高くても成り立たないのである。

体はビタミン等の大切な成分はトランスポーターを利用する。このトランスポーターは食後の方がうまく機能する為、食後に吸収量が上がる。

よって、食後に吸収量を上げるためにチョコラBBプラスは食後服用なのだ。

持続性ビタミンB2となり、1日1回服用へ。

一方、トラフルBBチャージはリボフラビン酪酸エステルである。
リボフラビン酪酸エステルはビタミンB2の構造の一部を変えたものだ。

リボフラビン酪酸エステルは脂溶性が高く、トランスポーターを必要としないので食後である必要がない。

Q、ちょっと待って！脂溶性は食後服用じゃないの？

A、確かに脂溶性のEPAや脂溶性ビタミンなどは食事によって分泌される肥汁酸とミセル形成することにより吸収される。食事をしていない場合、肥汁酸が分泌されず、十分なミセルを形成できないため吸収が低下する。だから脂溶性の成分は食後が良いとされている。
しかし、リボフラビン酪酸エステルは特殊な形態をしている。
リボフラビン酪酸エステルは、ビタミンB2（リボフラビン）の誘導体であり、名前のまんまだが、リボフラビンと酪酸エステルが結合した形態だ。この形態は、脂溶性を持ちながらも、トランスポーターを介さずに細胞膜を通過することができるので、ミセルを形成する必要もない。つまり、わざわざ食後に服用しなくても吸収が良い。
よって、リボフラビン酪酸エステルは食後服用の必要がないとされている。

以上。
良ければ、スキをくれ！