💊【🏥調剤編】ボルタレン及びその他NSAIDsの比較＜疑義照会の話＞💊

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※市販薬やドラッグストア等にも関係するので、"#薬剤師ミナトメモ"もつけてるぜ！

とある日の疑義照会

歯医者に痛み止めとしてボルタレンが処方されていた患者さん。投薬にて、内科で胃カメラしたら胃に傷があったと聞き出せた。ちなみに歯の痛みはそこまでないらしい。

成分：ジクロフェナク

NSAIDsを比較

ボルタレン（ジクロフェナク）とはNSAIDsの１つだ。

処方薬〜NSAIDsまとめ〜

速く効くのは、ロキソニン
強く効くのは、ボルタレン
長く効くのは、セレコックス

端的に特徴をまとめる

ロキソニンは速くて15分で効くというスピード重視
ボルタレンはNSAIDsでトップクラスの鎮痛薬
セレコックスは持続性に優れる

上記を簡単に解説。

ロキソニンの速さについて

成分：ロキソプロフェン

ロキソニンは即効性に優れた解熱鎮痛剤だ。
ロキソニン錠のインタビューフォームより、歯痛後疼痛に対するロキソプロフェンの服用で15分以内に52%、30分以内に84%の人が効果を実感できたという報告等もある。

ロキソニン錠のインタビューフォーム

よって、速くて15分で効くといえる。

ボルタレンの即効性：遅い（Tmax2.72時間）
ロキソニンの即効性：速い（Tmax0.79時間）
セレコックスの即効性：遅い（Tmax2.0時間）

一目瞭然だよね

ロキソニンは市販薬（第一類医薬品）としても販売されてるぜ↓

ボルタレンの強さについて

成分：ジクロフェナク

実は、ボルタレンが強いというハッキリした根拠あり！のようなNSIADs間の鎮痛効果の差を明確に示すエビデンスはない。しかし、医師の経験則やその他資料等から、一般的にボルタレンの方がロキソニン等よりも鎮痛効果が強いとされている。また、ボルタレンのインタビューホームでは、関節炎疼痛（ラット）において、ジクロフェナクの鎮痛作用はロキソプロフェンよりも強いとの報告も有り。
実際、ボルタレンは他のNSAIDsが効かない場合によく処方される印象を受ける。

ボルタレンの強さ：強
ロキソニンの即効性：中
セレコックスの即効性：中

※ロキソニンとセレコックスは腰痛や抜歯等による痛みに対し、PMID:26888227、PMID:25270186より同程度とされているため、強さはそれほど大きな差はないと考えられている。ロキソニンの方が強いという感想は即効性に優れているからかもしれない。どうしても即効性が優れたものは切れ味が良い感覚になりがち。