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今週のSaaSニュース! Vol.82(1/9週)

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今週の資金調達ハイライト

エンタープライズ向け決済SaaS大手 Checkout.com $1B調達

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英国発のCheckout.comは、クレカ決済やApple Payなどの各種電子決済、銀行送金などの決済手段を一括で提供するSaaSスタートアップ。類似企業としてStripeがあるが、大きな違いはStripeがSMB企業にフォーカスに対し、Checkout.comはグローバルに展開するエンタープライズ企業にフォーカスしている点だ。世界19ヵ国に展開。2021年の総決済総額は、数十兆円に達する。最近ではWeb 3.0の機会を捉えており、CoinbaseやFTXの様な暗号通貨系のプレーヤーにも決済手段を提供している。本シリーズDは、Altimeter Capital、Tiger Global、GICなど多数の世界トップの投資家が出資している。バリュエーションは$40Bに。(Checkout.com Youtube動画)

サプライチェーンを見える化するSaaS project44 $420M調達

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2014年に米国で創業したproject44は、流通業や製造業向けに物流の状況をシームレスにリアルたむで可視化するSaaS。コロナ以降、半導体チップに代表されるようにサプライチェーンは国際的な課題になっている。project44は、スターバックスやAmazonのようなFORTUNE 500に名を連ねる大企業を中心にこの課題解決を支援している。今回ソフトウェア大手PE Thoma Bravoなどから資金調達を行った。(project44 Youtube動画)

エンタープライズ向けタレントサーチSaaS SeekOut $115M調達

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米マイクロソフトの元幹部とエンジニアが2016年に創業したSeekOutは、Githubや公開されいる個人データソースから独自のAIで企業のニーズあった人材をサーチを可能にするSaaSスタートアップ。直近では売上は4倍以上に成長し、現在ARRは$25-50Mのレンジに達している。世界的なテクノロジー人材不足を補うため、Salesforce.comやUiPathのような大手テック企業が顧客。本シリーズCは、既存投資家のTiger Globalがリード。バリュエーションは$1.2B。(SeekOut Youtube動画)

フランス発B2B向けall-in-one バンキングSaaS Qonto $552M調達:米国のBrexやRampの欧州版。SMB企業向け。本シリーズDはTiger GlobalとTCVの2社がリード。バリュエーションは$5B。
元祖法人向けカード+支出管理SaaS BREX $300M調達:創業3年目の法人カードSaaSの元祖。Meta(旧Facebook)元幹部がCPOに就任。本シリーズD-2はGreenoaks CapitalとTCVがリード。バリュエーションは$12.3B。
遠隔診療+コラボレーションSaaS Tiger Connect $300M調達:全米7千以上の医療機関に提供。本ラウンドは、ソフトウェア大手PE Vista Equity Partnersが出資。
セールスイネーブルメントSaaSの雄 HighSpot $248M調達:直近3年間で売上は+935%成長。ARRはこの1年で2.3倍。本シリーズFは、B Capital Group とD1 Capital Partnersがリード。バリュエーションは$3.5B。
ハイブリッドな労働環境を効率化するSaaS Envoy $111M調達:リモートとのハイブリットな労働環境を自動化・管理するSaaS。本シリーズCは、Brookfield Growthやa16zなどが出資。バリュエーションは$1.4B。
アイルランド発飲食店向けオーダー管理SaaS Flipdish $100M調達:中小のレストラン向け。欧米を中心に25か国で展開。本ラウンドはテンセントとTiger Globalから調達。バリュエーションは$1.25B。

今週の主なIPO/M&A

米HR SaaSユニコーン Justworks上場を延期
米銀行特化SaaS nCinoが不動産系SaaS SimpleNexusの買収完了
米Gainsightが顧客コミュニティSaaS Insidedを買収

マーケットトレンド

2022年のデジタルヘルス7大予測
米top-tier VC Bessemer Venture Partnersによる記事。コロナ禍でヘルスケアのデジタル化の市場普及と投資が加速し、2021年はバーチャルとリアルのケアモデルが混在する「ヘルスケアのハイブリッド化」が一気に進みました。この記事では、2022年のデジタルヘルスの7つの予測をしています。

2022年デジタルヘルス7大予測
1. IaaSとデジタルヘルスが出会い
2. ハイブリッドケアへの注目度の高まり
3. 臨床結果が競争上の重要な差別化要因に
4. 大退職時代で臨床医が不足
5. テクノロジーを駆使した独立医の勃興
6. ヘルスケアは投資対効果から投資対"価値"へ
7. 10代向けデジタルヘルスの普及

ストラテジー

バーティカルSaaSのTAMを拡大する方法と成功パターン
ヘルスケアや建設など、特定の業界に特化したバーティカルSaaSは年々数が増えています。しかしバーティカルSaaSは、業界に特化しているがゆえに、単一SaaSプロダクトではTAM(Total Addressable Market)が限定される欠点があります。こちらの米VC CRVの記事は、バーティカルSaaSならではの「TAM問題」を解決する7つの方法(下図)と、ホリゾンタルと比較したバーティカルSaaSスタートアップならではの成功パターンを解説しています。ホリゾンタルSaaSより開発スピードが早期に求められる点など、非常に参考になります。概要をまとめたtweetstormはこちら

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営業&マーケティング

米box社はいかに成長を再加速させたか?
boxをはじめとした米国SaaS上場企業の多くは、上場以降、長く高い成長率を維持してきました。今回のパンデミックの直撃を受け、成長は停滞。株価の低迷に苦しんできました。しかしbox社は、この1年停滞していた成長を加速することに成功しています。この裏でbox社がどのような変革を行ったか?に関する、同社CRO Mark Wayland氏へのSaaStrのインタビュー記事です。上場前後のSaaSスタートアップには示唆の多い内容だと思います。

米box社の成長を加速させた5つのテーマ
1. 市場へのメッセージのシンプルに再構築
2. 複数プロダクトのクロスセルの加速
3. 大口顧客にフォーカス
4. 更新を顧客対応部門の全員で実施
5. AE(営業)の生産性向上

米B2B マーケティングリーダーに聞く2021年のトレンド
コロナで始まりコロナで終わった2021年。B2BにおけるGTMモーションは大きく変化しました。とくにオンラインでの接点の要であるマーケティング部門は、その重要性が高まっています(下図)。こちらの米SaaS企業 Driftによるサーベイは、B2Bマーケティングでどのような変化があったかを理解する上で参考になります。特に注目すべき変化として、従来のリード獲得やブランディングに加え、マーケティングとして「優れた顧客体験」をいかに創出するかが重要になっていることがわかります。

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プロダクト開発

プロダクトの4つの成功要因
プロダクトマネジメントにおいて、古くからプロダクトの成功要因は3つの要素(Desirablity, Feasibility, Viability)があると語られています。こちらのプロのPMコーチをされているRoman Pichler氏の記事では、現代のプロダクトの成功要因として、第4の要素 Ethicality(社会への道徳的な価値)を指摘しています。この4つの成功要因の位置付けは、下図の通りです。

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PMが全社をつなぐための戦略マップ」の重要性
こちらも前出の記事と同じく、PMコーチのRoman Pichler氏の記事。Product Manager(PM)は、プロダクトを中心に全社をまとめる指揮者の役割を果たします。この全社をまとめるための基盤として役に立つ「戦略マップ」(下図)の解説と重要性について解説しています。PMのみならず、シード/アーリーステージの起業家の方にも参考になると思います。

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マネジメント

大退職時代で従業員の退職につながる5大先行指標
コロナは、働く人々の働き方や価値観を大きく変えました。そのため、コロナの影響を大きく受ける米国では、大退職時代-The Great Resignation-を迎えています。この現代において、従業員の退職はどのような要素がドライブしているのか?こちらの米MITの論文では、企業の口コミ情報サイトGlassdoorの140万人分のデータを解析した結果を考察しています。メディア等では給与報酬への不満を指摘している例も見られますが、現実には下図の通り、企業カルチャーの悪さや食の不安定性・組織改編が影響していることを示しています。

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ファイナンス

今週の米上場SaaSのEV/NTM Revenueマルチプル動向
先週に引き続き、今週もSaaS企業のマルチプルは続落しており、直近のEV/NTM Revenueマルチプル(中央値)は2019年水準の10.5xまで下がっています。マルチプルと売上成長率との相関係数(0.56)と下がっており、他の分析でもRule of 40(売上成長率+FCFマージン)への相関係数が上がっていることが指摘されており、今後の動向についても注視が必要です。

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