見出し画像

今週のSaaSニュース! Vol.75(11/14週)

※SaaSニュースレター登録ご希望は、こちら

今週の資金調達ハイライト

自動英文チェックSaaS Grammarly $200M調達

画像1

Grammarlyは、英文を業務で書く方はご利用されている方も多い自動で英文チェック/添削をしてくれるPLGモデルのSaaSです。リモート前提のグローバルチームで英文でのテキストコミュニケーションは重要性を増しています。50万以上のアプリ/ウェブで利用ができる。最近では独自の自然言語処理のアルゴリズムを活用し、開発者向けのSDKも提供を開始した。今回はBaillie GiffordやBlackRockなどから資金調達を行った。バリュエーションは$13Bでデカコーンの仲間入り。(Grammarly紹介動画)

静的フロントエンドデザイン作成SaaS Netlify $105M調達

画像2

Netlifyは、Wordpress等の動的な処理が不要な、静的なサイトのフロントデザインをかんたんに作成できるSaaSです。アーキテクチャーのシフトにより、フロントエンドとバックエンドのプロセスを分けるトレンドが加速している。前年比2倍の200万人以上の開発者がNetlifyを活用している。今回シリーズDでは、Bessemer Venture PartnersやAndreessen Horowitzから調達を実施した。バリュエーションは$2Bに到達した。(Netlifyデモ動画)

グローバルの医療専門家特化LinkedIn H1 $100M調達

画像3

H1は、世界1,000万人以上の医療の専門家が登録する「ヘルスケア版LinkedIn」。利用者は、臨床試験を実施したい製薬や医療機器メーカーが中心。2020年のFDA(米食品医薬品局)による、多様な臨床試験の推進に関するガイダンスに従い、利用ニーズが広がっている。今回のシリーズCは、Altimeter Capitalなどから資金調達を実施した。(H1概要説明動画)

◆ クラウドセキュリティ Lacework $1.3B調達:2015年にSutter Hill VenturesのMike Speiser氏他2名が共同創業。今回、Sutter Hill VenturesやTiger Globalなどから資金調達。バリュエーションは$8.3Bを超えた。
◆ ローカル商店向けマーケティング・決済SaaS Podium $201M調達:顧客向けのキャンペーンと決済を合わせたSaaS。本シリーズDは、YC Continuityなどから調達。バリュエーションは$3Bを超えた。
◆ プロダクト/顧客満足度分析SaaS Mixpanel $200M調達:以前あったA/Bテストツールなどを廃止し、プロダクト分析に注力。本シリーズCでBain Capital Tech Opportunitiesから調達。バリュエーションは$1.05B。
クラウドビジネス特化BIツール ThoughtSpot $100M調達:2020年に現行事業にピボットし、ARRは250%超に成長。本シリーズFはMarch Capitalリードで調達。バリュエーションは前回ラウンドの2倍超の$4.2B。
契約マネジメントSaaS Icertis $80M調達:インド発のIcertisはエンプラ特化のリーガルテックSaaS。今回$5Bのバリュエーションで、ソフトバンクから資金調達する予定。
次世代 事業計画作成/予測SaaS Pigment $73M調達:フランス発のPigmentは事業計画のビジュアル化に強い「エクセルキラー」SaaS。今回シリーズBで、Greenoaksなどから資金調達。
不動産特化マーケティングSaaS Luxury Presence $25.9M調達:不動産業界向けにサイト制作、コンテンツ管理、デジタルマーケまでを一貫して行うSaaS。今回シリーズBで、Bessemer Venture Partnersなどから調達。

今週の主なIPO/M&A

製造/物流特化SaaS Samsara Networks 上場に向けS-1申請
金融特化オンラインチャネル管理SaaS nCinoがデジタル・モーゲージ・プラットフォーム SimpleNexusを$1.2Bで買収

マーケットトレンド

サブスクリプションビジネスのチャーン動向 2021
Profitwell社によるB2B(SaaS)、B2C(メディア、サブスクECなど)など、3万社のサブスクリプションビジネスのチャーンに関する年1回のレポート。SaaSはサブスクリプションビジネス全体の中でもチャーンが低いこと(下図)や、顧客単価が上がるほどチャーンが下がるなど色々なインサイトを得られます。SaaSに関しても、顧客単価、顧客タイプ、地域、資金調達状況などでのチャーンの違いについてデータ提供しています。

画像4

SaaS企業の経営状況ベンチマーク動向 2021
米Openview Venture PartnersによるSaaS企業への財務に関するグローバルサーベイ結果の最新レポート。下図のようにステージ別KPIデータなどが詳細にデータ化されているので、自社の経営状況のヘルスチェックに参考にしてみても良いかもしれません。

画像5

ストラテジー

4つのSaaSタイプ別に考えるプライシング戦略
米VC Bessemer Venture Partnersによる、SaaSタイプ別でのプライシング(価格設定)をする際のアプローチを紹介した記事。こちらの記事では、X軸:顧客あたりの期待年間契約額とY軸:領域の成熟度別で初期の価格設定の考え方や価格最適化の組織的な取り組み方針に示唆を与えてくれてます。

画像6

営業&マーケティング

すぐに営業パフォーマンスを改善する5つの方法
即効性のある営業改善アプローチ(以下)に関するSaaStrの記事。あくまで短期施策なので、抜本的に改善する上では別の取組みが必要です。

1) リードをクローズ力の高い営業に集中させる
2) CEOを営業同行させる
3) 営業のために資料作りやウェビナー開催を支援する
4) SLAを設定し、リードにはすぐにコールバックする
5) 営業の受注にインセンティブをつける

プロダクト開発

プロダクトマネージャー(PM)が嫌われる理由
プロダクトマネージャーは、社内外多くのステークホルダーと連携する役割のため、コミュニケーションの巧拙が問われる仕事です。この記事では、プロダクトマネージャーが周りから嫌われてしまう、よくある振る舞い(以下)を解説しています。

1) 指示が多く、口出しが細かい
2) What/Whyの緩く、スコープがあいまい
3) 優柔不断で物事が複雑化する
4) 口ばかりのビジョンで行動が伴わない
5) 実行者のことを考えた期限設定をしていない

マネジメント

スタートアップが取締役会をやるべき5つの理由
取締役会をやることで経営陣が得られるベネフィットをまとめたSaaStrの記事。VCも取締役会や(役会設置会社に移行する前であれば、経営会議)を通して、全体の事業状況を把握できて支援がしやすくなるので、重要です。

1) 取締役会にVCが定期的に参加すると、追加出資の可能性が上がる
2) 正しくやれば、経営陣が楽しみながら成長を促せる
3) 経営陣が団結して、ゴール達成に尽力する(最も重要)
4) VCがチームへの理解を深め、支援を得やすくなる
5) 有益なフィードバックを得られる(かも知れない)

◆ パフォーマンスの高いチームの5つの特徴
ベーシックな内容ですが、強いチームを作る上で重要なポイントです。

1) 質の高い1on1を定期実施
2) 失敗を認め、失敗に学ぶ
3) 意識して定期的にほめる
4) 人の弱みではなく強みを強化する
5) 外部採用ではなく、内部から昇進させる

※その他記事はこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?