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今週のSaaSニュース!🍇Vol.20(9/27週)

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注目!資金調達ニュース

EC/マーケットプレイス構築SaaS VTEX $225M調達@$1.7B

VTEXは大企業向けに、ECサイトやマーケットプレイス構築をall-in-one型で提供するブラジル発SaaSスタートアップ。主に、ブラジル含む南米市場に参入したい大手ブランドがターゲット。Coca Cola、Addidas、Sony等が顧客。GMV(流通総額)は$8Bを超え、本年度の売上成長率は+114%に急成長。昨年11月に発表した前回ラウンドはSoftbankから$140Mを調達。本ラウンドは、1年未満で前回の評価額の約4倍、$1.7Bで調達。リード投資家は、Tiger GlobalとLone Pine Capital。

SMB向けマーケティングSaaS SendinBlue $160M調達

Sendinblueは、LP作成、SMS、Email、チャットでのマーケティング、Facebook広告管理、CRMツールなど、スタートアップを含むSMBが使うマーケティングツールをall-in-oneで提供する仏・パリ発スタートアップ。世界60ヵ国、18万社で使われている。競争の激しい北米においても存在感が増しており、昨年は2倍成長している。本ラウンドは、Blackrock等から調達。

グローバルワークフォース管理HR SaaS Papaya Global $40M調達

コロナの流行により大きく変化したことの1つが、「世界的なリモートワークの普及」です。そのため、オフィスの所在地に囚われない、グローバルでの人材採用が加速する一方で、採用者の現地国の労働法や税制に則った給与計算や労務管理などが課題になります。Papaya Globalは、世界各地の法規制に則った、HIRE(雇用契約)、ONBOARD(採用オンボード)、MANAGE(コンプライアンス管理)、PAY(クロスボーダーでの給与計算・支払)の4つの自動化ソリューションを提供。2016年以降、毎年4倍ペースで売上成長し、コロナの追い風を受けています。トヨタ、Microsoft、Wixなどの大手グローバル企業が顧客。今回のシリーズBは、前回からわずか1年以内で5倍の評価額でクローズ。今回のリード投資家はScale Venture Partnersに加え、既存投資家のBessemer Venture Partners、Insight Partnersも追加投資。

国際物流決済SaaS PayCargo $35M調達国際物流において、航空・海上輸送キャリア、港、フォワーダー、通関業者など複数ベンダーへの支払いへの対応が求められ、かつ紙ベースの非効率なプロセスのため、スピードと安全性に課題があります。PayCargoは、これらをソフトウェアで行い、迅速かつ安全な国際物流決済を可能にするソフトウェアを、UPSやDHLなどグローバル大手企業に提供。同社の年間決済総額は$4Bに達していますが、まだ世界のサプライチェーン金融の3%未満しかなく、成長余地が大きい。本ラウンドはInsight Partnersがリード投資家。

最新技術/スタートアップ特化版"ウィキペディア" Golden $14.5M調達Goldenは、ウィキペディアでは詳しく取り上げられない、新技術(例. 量子コンピュータ)やスタートアップに焦点を当てたナレッジ・データベースを提供。Wikipediaとは対照的に、Goldenでは自然言語処理を使って、ニュースなどの公開情報から抽出し、Goldenのスタッフが監修する半自動化したコンテンツ作成を行う。将来的には、AIによる全自動生成を目指す。PEやVC、ヘッジファンドや大企業の新規事業部門、政府機関が有料顧客。米国エアフォースと$1Mの契約も締結済み。本ラウンドは、既存投資家のAndreessen Horowitzがリードし、Marc Andreessenが社外取締役に就任。

MSP向けデータバックアップSaaS Datto IPO申請:2017年にVista Equity Partners(PE)が買収。直近の業績は、ARR $507M、サブスクリプション売上成長率 19%、NRR 115%。既に黒字化しており、Rule of 40達成。

セールス・イネーブルメントSaaS Seismic $92M調達@$1.6B:HighSpotと並ぶセールス・イネーブルメントSaaSユニコーン。本シリーズFラウンドは、欧州大手PE ペルミラがリード投資家。

顔認証SaaS Clearview AI $8.6M調達:FacebookやInstagramの画像データベースから顔認証を行うサービスを提供し、物議を醸しているスタートアップ。米司法省や入国管理局など政府機関も顧客。本ラウンドは、Facebook社の社外取締役である"Paypalマフィアのドン" Peter Thielなどから調達。

コミュニティ・タッチSaaS Commmune 4.5億円調達:顧客体験を最適化するコミュニティタッチツール「commmune」を提供。既に約50社に導入実績あり。本シリーズAラウンドは、DNX Ventures、UB Venturesから調達。

Market Trend

直近Q2でのエンタープライズSaaSスタートアップの状況は?
米国大手VC NEAが投資先のエンタープライズ向けソフトウェア企業に行った直近Q2サーベイ結果から得られた5つのインサイトを紹介。

1. おおかた予想通りのトレンド
・カテゴリーではビデオ/チャット系が追い風
・エンタープライズ向けは好調の一方、SMB向けは悪化
・約60%はコロナで営業活動が難化
・テックや金融産業向けは追い風の一方、旅行や政府向けは向い風
2. Q2以降の見通しは、復調 vs 悪化は50:50で二分
3. DevOps、クラウドインフラ、CRMはIT支出を削減する傾向
4.約50%の企業は営業/マーケチームを縮小
5.カルチャーや従業員エンゲージメントを重視する企業は、OKR活用増加

ジェネレーションZ(~23歳)向けのFintechの可能性とは?

学生向けFintechスタートアップMos CEOとa16Zによる、ジェネレーションZ(GenZ)の特性とFintechスタートアップの可能性についてのPodcast。GenZは、「デジタル・ネイティブ」と言われたミレニアルより、デジタル依存度が高い世代。そのため、ソフトウェア企業を信頼しやすく、Fintechスタートアップの参入余地が大きい。加えて、リーマンショックと今回のコロナで親の世代が経済難の状況を目の当たりにしているため、伝統的な金融機関への信頼は元々高くない。しかしながら、クレジットよりデビットを好む、貯蓄性向が高いなど、融資に対して保守的な特性も強いため、ソフトウェア企業はGenZと"長期的な信頼関係"をデジタルでいかに築くかが重要との示唆。

Strategy

Notionから学ぶ。コミュニティとテンプレート活用による成長戦略
すでにユーザー数100万人を超え、評価額$2BのNotion。彼らの成長戦略の柱である、現時点で約5万人を抱え、日々成長する「ユーザーコミュニティ」とユーザーにより生成される「テンプレート」(=ユースケース)をテコにした成長の仕掛けについての詳しい解説。Product-led Growth型の成長モデルとして注目されがちですが、Sales-led Growth型でも応用できる、参考になる仕掛けもあると思います。主なTakeawayは以下です。

・顧客が日常使ってるようなメジャーなSaaSとの連携の強さをアピールして、使いやすさや導入の心理ハードルを下げる
・ユーザーコミュニティの中で影響力のある「パワーユーザー」を特定して、アンバサダー化/共創する
・所属部門や人数規模など、ユーザー属性でカスタマイズしたオンボード資料で活用支援を促進する
・ユーザーが検討する際に想起する競合SaaSから自社サービスへの乗り換えに関する記事のSEOを強化する など

米大手テックサービスに見る、PMFのサインとは?

Dropbox、Superhuman、Amplitudeなどの有名な米国SaaSを含む20以上の米国テックサービスに見るProduct-market fit(PMF)が見つかった際のサインの三大パターンを実例で紹介。ちなみに、紹介している事例のおよそ半数は、プロダクトリリース直後ではなく、1.5-4年かけてPMFを見つけている。

パターン1. 急激な"引き"がある (例) Dropbox
パターン2. 緩やかだが着実に積み上がる (例) Substack
パターン3. 周りの人間が自発的に使い始める/話題になる (例) Product Hunt

SaaSプライシング初心者へのTipsとプライシングKPI

SaaSプライシングに関する記事を多数書いている、米VC Openview Venture Partnersの記事。プライシングは開発、マーケ、営業など複数チームにまたがる重要な意思決定なので、密な連携とコミュニケーションの重要性を説いています。加えて非常に参考になるのが「プライシングで見るべきKPI」。

プライシングで見るべきKPI
・競合とのコンペでの勝率
・価格理由での失注率
・ACVトレンド
・案件サイズ別の平均ディスカウント率
・新規顧客の受注プラン構成比
・ACV・プラン別のリテンションレート

米SaaS企業104社の各種LP・プロダクトUIまとめ

サインアップページや料金テーブル、オンボードメールなどの事例集。プロダクトのフロント開発やマーケティング企画の際に役に立ちます。

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