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今週のSaaSニュース! Vol.67(9/19週)

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今週の資金調達ハイライト

All-in-oneデータ統合/活用SaaS Fivetran $565M調達

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Fivetranは、エンタープライズ向けに、複雑なインテグレーションをせずに、SaaSなどのあらゆるデータソースからデータを抽出し、インサイトを獲得するためのSaaSを提供。簡単に言うと、企業向けデータ分析の中枢システムとも言える。顧客は、DocuSignやSquareのような大手テクノロジー企業。今回シリーズDでは、$5.6Bのバリュエーションで、Andreessen Horowitzなどから調達した。今回の調達に合わせて、企業向けにデータ複製に特化したSaaSを提供するHVRを買収した。(Fivetran動画)

エアライン向け 売上最大化SaaS FLYR Labs $150M調達

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FLYR Labsは、ディープラーニングを活用して、エアライン向けに売上を最大化するために、フライト需要の予測とフライト運賃の価格設定を支援するSaaSを提供するスタートアップ。ピーター・ティールが個人で投資している。元々は、消費者向けにフライト予約サイトを運営していたが、この技術をベースにB2B(エアライン)向けにサービスをピボットした。同社の試算では、FLYRを活用することで売上を+5-7%向上することができる。今回シリーズCで、WestCap、Silver Lakeなどから資金調達を行った。(FLYR動画)

レストラン特化QRコード決済SaaS Sunday $100M調達

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フランス発のSundayは、レストラン向けにQRコードベースのモバイルオーダー、割り勘などの柔軟な決済を提供するFintech×SaaS。多種多様なPOSシステムとも連携。通常、15分程度かかっていた決済処理が10秒未満で完了するスピードが売りだ。ローンチ5カ月にもかかわらず、欧州・北米で既に1,500店舗以上で利用されている。今後、北米と英国での展開を加速化させる。今回のシリーズAは、Coatueリードで$100Mを調達。(Sunday社CEOインタビュー動画)

ストリーミング動画マネタイズSaaS StreamElements $100M調達

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StreamElementsは、動画クリエーター向けにTwitch、YouTube Live、Facebook Gamingなどの動画ストリーミングサイトへの配信、ダッシュボード解析、マネタイズを支援するSaaS。現在、ゲーム実況を中心に110万人のクリエーターが利用している。現在、クリエーター向けには完全無料で、起業スポンサーからマネタイズを行っている。今回ラウンドは、SoftBank Vision Fund 2がリードで$100Mの資金調達を実施。(StreamElements動画)

エンプラ向けマーケットプレイス構築SaaS Mirakl $555M調達:フランス発のMiraklは、カルフールなどの小売や、AirbusやABBなどのB2Bなど、大手企業向けにマーケットプレイスを構築するSaaS。今回Silver Lakeなどから、$3.5Bのバリュエーションで資金調達を行った。

ゲーマー向けチャット Discord $500M調達:今年4月にマイクロソフトの$10B(1兆円超)買収がささやかれたDiscordが、Dragoneer Investment Groupリードで資金調達を実行。バリュエーションは$15B。

金融機関向け決済インフラSaaS Form3 $160M調達:イギリス発のForm3は、大手金融機関向けにクラウドベースの決済ソリューションのインフラを提供するSaaSスタートアップ。今回Goldman Sachsから資金調達を実施。

ノンバンク向けオープンバンキングSaaS TrueLayer $130M調達:イギリス発のTrueLayerは、非金融業、特にテクノロジー産業向けに決済周りを中心としたFintechインフラを提供するSaaSスタートアップ。今回Tiger Globalから資金調達を行い、バリュエーションは$1B越え。ユニコーンの仲間入り。

金融業特化 文書解析自動化SaaS Ocrolus $80M調達:Ocrolusは、金融機関やBrex、SoFiなどのフィンテック企業向けに、OCRなど複数の技術を組み合わせて高精度の文書解析、自動化ソリューションを提供するスタートアップ。今回$500M超のバリュエーションで、Fin VCなどから調達を実施。

今週の主なIPO/M&A

Freshworks、Toastが華々しくIPOデビュー
非上場化したAthenahealthが再上場か、売却か?

マーケットトレンド

BVP 最新SaaSベンチマーク:ARR 100億円への道

米トップVC Bessemer Venture Partnersによる、SaaSスタートアップのためのARR規模別主要KPIの最新ベンチマークレポート。自社のSaaSのグローバル基準での自己評価や、資金調達時のピッチデックに活用してみると良いと思います。PPTテンプレートはこちら

米Plaid COOに聞く「Fintechのこれまでの進化と未来」

コロナ以降のFintech企業の急成長と上場、未上場問わず、マーケットでの評価の高まりは目を見張るものがある。米Plaid COO Eric Sager氏によると、これまでFintechの進化には、3つの波が存在した。

これまでのFintechの進化の3つの波
第1波 消費者向けFintech startupの隆盛
第2波 大手金融機関のFintech参入
第3波 非金融大手(主にTech)のFintech参入

しかしながら、Fintechの進化は始まったばかりであり、今後のさらなる成長には1)顧客体験(CX)の改善、2)顧客あたり売上の増大、3)運用コストの削減の3つが重要。故に、Fintechの未来トレンドとして以下の3つを予測している。

Fintechの3つの未来トレンド
1) 消費者も、事業者も、CX改善と運用コスト削減でFintechの活用が広がる
2) 多種多様な産業で、独自のFintechサービス構築が進む
3) 消費者のお金に関する意思決定を"自動化"させるFintechが急速に伸びる

ストラテジー

創業2年でゼロから8,000億円超に急成長したHopinの学び

日本でも広く知られるようになった、イギリス発オンラインイベントSaaS Hopin。一部日本語の記事(以下)にもなってますが、最初の6ヶ月でHopinが取った19のステップや、原文の方には、このハイパースケーリングの裏での学び(従業員、マネジメント、マーケ施策)やアドバイスをまとめた記事です。時間がある方は、英語の原文を読んでみることをオススメします。

カスタマーサクセス

Gainsight&SaaStr CEOによるカスタマーサクセス最前線からの学び

日本でも「カスタマーサクセスの青本」著者でも知られるGainsight CEO Nick MehtaとSaaStr CEO Jason Lemkinによる対談動画(以下)のまとめ。カスタマーサクセスの役割や、注目指標であるNDR(Net Dollar Retention)をいかに向上するか、について語っています。個人的に一番重要なtakeawayは、「スケール後にNDRを上げる最も重要な方法は、優れたプロダクトを2-3追加する」という点です。BoxやDatadogがNRRを向上させた最大の要因は、顧客に2つ以上のプロダクトで活用されるようになってからです。

プロダクト開発

米国で進むPdMの4つの専門分化

B2B、B2C限らず米国大手テクノロジー企業の幹部クラス出身者で構成されたReforgeによる記事。今回の記事は、Adam Fishman氏(元Imperfect Foods社CPO、Patreon社VPoP、Lyft社Head of Growth)とKeya Patel氏(元Headspace社 Director of Product Growth、Dropbox社PdM)が中心になって寄稿。

こちらの記事では、米国でも一般的にPdMと一括りにされがちだが、スタートアップがスケールするに従い、実際はPdMも大きく4タイプ(以下)に専門分化し、求められる仕事内容、人材要件、連携する社内部門も大きく異なるため、それに基づくPdMの組織作りやキャリア形成(続編記事)を解説しています。記事では、エンジニア→フロント、インフラ、SREなどへの専門分化や営業→SDR、BDR、AE、CSMなどに専門分化したように、PdMも専門分化していくと説いています。

ざっくりしたまとめは、こちらのTweetstormを参照ください。

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