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今週のSaaSニュース! Vol.61(8/8週)

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今週の資金調達ハイライト

CRMデータバックアップSaaS OwnBackup $240M調達

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OwnBackupは、CRM SaaSデータ保護・バックアップを行うSaaSスタートアップ。初期はSalesforceに特化し、その後、Salesforceプラットフォーム上で開発された、米上場SaaSであるVeevaやnCinoにも対応。Salesforceエコシステムの成長と共に、2018年から毎年連続で2倍の売上成長を叩き出している。今後の成長戦略としては、Salesforceの最大のライバルである、Microsoftにも対応を拡大。この、成長する単一のプラットフォームに集中特化→圧倒的なシェア確保→他プラットフォーム展開というOwnBackupの戦略は、Add-in系SaaSの成長戦略として示唆深い。今回のシリーズEは、$3.35Bのバリュエーション(前回の3倍)で、Alkeon CapitalやB Capitalなどから$240Mを調達した。(OwnBackup動画)

エンプラ向けカスタマーセンターSaaS Talkdesk $230M調達

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Talkdeskは、エンタープライズ企業のカスタマーセンター向けに、AI/MLを活用してカスタマーサービスの品質向上を実現するSaaSを展開している。IBMや富士通など、1,800社以上が顧客。SaaS評価サイトG2や米IT調査会社ガートナーでも、同分野のリーダー企業として評価を受けている。Talkdeskの驚くべき点は、エンプラ向けSaaSとしては珍しく、創業者Tiago Paviva氏がSaaS未経験×第二新卒に近いキャリア(大卒後P&Gに7カ月在籍)で、単独で立ち上げたスタートアップであること。創業から10年を経た今回のシリーズDで、1兆円超($10B)のバリュエーションで$230Mを調達した。(Talkdesk動画)

社員の報酬管理・公平性改善SaaS Pave $46M調達

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米国では、コロナ禍で労働条件の公平性の浸透が加速している。一例として、今月には米上場企業の役員に女性に加え、LGBTQやマイノリティの登用を義務づけるNASDAQの新基準を米SECが承認したことも記憶に新しい。Paveは、企業が「Equal pay for equal work」を実現するために、社員の報酬設計や可視化、社員への透明性のある説明を支援するSaaSを提供するスタートアップ。業界、職種、ランク別の報酬ベンチマーク情報も提供。現在までに900社、6万5千人が利用している。今回シリーズBは、$400Mのバリュエーションで、YC Continuity、Andreessen Horowitz、Bessemer Venture Partnersなどから$46Mを調達した。(Pave動画)

ARR 760%成長の建設向け資材調達管理SaaS Agora $33M調達

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2018年創業のAgoraは、建設業者が簡単に資材発注、配送トラッキング、自動データエントリーを可能にする資材調達のSaaSを提供するスタートアップ。会計システムと連携して、建設プロジェクトのコスト管理をシームレスに行うことも可能。昨年は、合計$101B(10兆円以上)の電気工事がAgoraで実施され、顧客数は前年比の6倍、ARRは760%成長した。本シリーズBでは、Tiger Globalなどから$33Mを調達した。(Agora動画)

インド発 エグゼクティブ向けビジネス教育SaaS Eruditus $650M調達:Eruditusは、ハーバードやMITなどの世界トップの15大学と連携して、エグゼクティブ(経営幹部)育成の教育コンテンツを企業向けに提供するSaaSスタートアップ。 今回、前回ラウンドの約5倍、$3.2Bのバリュエーションで、AccelやSoftBank Vision Fund 2などから$650Mを調達。

臨床試験の運用支援SaaS Reify Health $220M調達:Reify Healthは、新薬開発のための臨床試験の治験患者の募集や運用支援を行うSaaSを、病院ならびに製薬メーカー向けに提供するSaaSスタートアップ。本シリーズCでは、$2.2Bのバリュエーションで、Coatueなどから$220Mを調達。

プロダクトの機能リリース支援SaaS LaunchDarkly $200M調達:LaunchDarklyは、ソフトウェア開発者が新機能を開発・ユーザーへの展開する際に、ソフトウェアのダウンタイム無く、新機能実装をするためのSaaSを提供している。今回のシリーズDでは、$3Bのバリュエーションで、Lead Edge CapitalやBessemer Venture Partnersから$200Mを調達。

SMB向けall-in-one HR SaaS Gusto $175M調達:Gustoは、従業員管理、給与計算、401kや健康保険などの福利厚生を一括管理するSaaSを提供する、古参のHRtech SaaSユニコーン。今回、T.Rowe.Priceなどから$175Mを調達。

製造現場のオペレーション管理SaaS Tulip $100M調達:Tulipは、製薬や自動車などのメーカーの製造現場向けに、製造管理や歩留まり状況の可視化を支援するSaaS。今回シリーズCで、Insight Partnersなどから$100Mを調達。

SMB向け会計SaaS FreshBooks $130.75M調達: FreshBooksは、創業20年近い老舗のSMB向け会計SaaSを提供。今回、$1B超のバリュエーションで、融資とエクイティ併せて$130.75Mを調達。

今週の主なIPO/M&A

市場データSaaS TracxnがSEBIにIPO申請
Service NowがインドアマッピングSaaS Mapwizeを買収
ソフトウェアガイドSaaS WhatfixがEdtech SaaS Nittioを買収

マーケットトレンド

米国クラウド100 2021から見るSaaSスタートアップの現状

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今週、毎年恒例のForbes、Bessemer Venture Partners、Salesforce Ventures主催の「2021 Cloud 100」が発表されました。コロナ禍でのSaaSの盛り上がりを色濃く反映した内容となっています。主なハイライトは以下。

2021 Cloud100の主なハイライト
・2021 Cloud100選出企業は、全社ユニコーン
・2021 Cloud100企業の合計評価額は、2020年比+94%増の$518B
・セクター別では、フィンテック系が全体の28%でトップ
・選出企業100社の平均ARRマルチプルは、34x(2016年時は9x)
・選出企業100社の平均売上成長率は、+90%
・選出企業100社のユニコーン到達までの期間は、8.6年
・Cloud 100は、常に高いリターンを創出(2020 vintageでIRR 117%)

米VCがKubernetesに注目する5つの理由

Googleの社内プロジェクトで生まれ、オープンソース化したKubernetes(Kubernetesについては、こちらの記事参照)。エンジニアの方なら馴染みもある方も多いと思いますが、Kubernetes関連のSaaSスタートアップは米国のトップティアVCがこぞって投資する領域の1つです。この記事では、なぜKubernetesに、VCが注目しているのかを解説しています。

VCがKubernetesに注目する5つの理由
1) コンテナ技術の普及と現代のアプリ構築でのKubernetesの有効性
2) Kubernetesエコシステムの急速な成熟化
3) DevSecOps台頭とKubernetesスタートアップの第2波
4) フィンテックの隆盛とKubernetes活用の拡大
5) オープンソースのハイプカーブ突破(=一般化)

ストラテジー

セールスフォースの新メディア「Salesforce+」の背景にある戦略

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日本でも話題になりつつありますが、クラウドCRM最大手セールスフォースが"B2B版Netflix"とも言える、動画主体の新メディア「Salesforce+」を来月リリースすることを発表しました。この記事では、同社Global Brand Marketingを統括するSVP Colin Fleming氏が背景にある戦略を語っています。SaaS企業のメディア化の戦略は、HubSpotのThe Hustle社買収にもみられるので、要チェックのトレンドと言えると思います。

SaaSの値上げでお客様を怒らせないための大切な5つのポイント

SaaSスタートアップの成長において、プロダクトの値上げは避けて通ることはできません。通常、SaaS企業では、6-12ヶ月スパンでプライシングの見直しを行います。こちらの記事では、なぜ値上げがSaaSスタートアップにとって重要なのか?、値上げでお客様を怒らせないための基本的なポイントを解説しています。

SaaSの値上げでお客様を怒らせないためのポイント
1) 値上げを新規顧客だけに適応する
2) 既存顧客のデータ分析に基づき、アプローチ戦略を作る
3) 競合プロダクト(代替品)の価格動向を探る
4) 料金テーブルのプランを再構築する
5) 価格よりもプロダクトで得られる価値を顧客に伝える

プロダクト

Googleのプロダクト評価フレームワーク 「HEART」

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Googleで利用されている、ユーザーのプロダクト活用状況を評価するフレームワーク「HEART」に関する解説記事です。コンシューマアプリらしいプロダクト指標も含まれますが、SaaSのプロダクト開発やカスタマーサクセスでの活用状況を分析する上で、非常に参考になるフレームワークだと思います。HEARTの概要は、以下の通りです。

HEARTとは?
Happiness:ユーザー自身によるアプリの主観的な評価指標
Engagement:ユーザーがアプリを1回利用する際の深さを知る指標
Adoption:新規ユーザーが初回利用での活用度合いを知る指標
Retention:ユーザーが価値を感じ、回帰利用する状況を知る指標
Task Success:ユーザーへの価値提供の達成状況を知る指標

プロダクト開発の優先順位付けフレームワークと注意事項

SaaSにおいて、プロダクト開発の優先順位付けとプロダクトロードマップ作りは、成長の成否を分ける重要なプロセスです。そのため、世の中には以下に示すような、多種多様な優先順位付けのフレームワークが存在します。本記事は、これらのフレームワークの紹介とフレームワークを利用する際の注意点に解説しています。この記事で強調している点として、これらのフレームワークは、優先順位付けを「意思決定」するためではなく、プロダクトチームが他の部門やお客様と「ディスカッション」するためのツールだと説いています。つまり、社内の他部門やお客様とアラインしたプロダクト開発こそが、最も重要です。

代表的な開発優先順位付けフレームワーク
1) RICEスコアリング
2) バリュー×工数マトリックス
3) ステークホルダー・スコアリング
4) Kanoモデル
5) オポチュニティ・スコアリング
6) "Buy-a-feature"モデル

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