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今週のSaaSニュース! Vol.23(10/18週)

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注目!資金調達ニュース

次世代カーディーラー業向けSaaS Tekion $150M調達@$1B+
いまや世界一の自動車会社になったTesla。Tekionは、Tesla 元CIO Jay Vijayan氏が創業したカーディーラー特化のインダストリーSaaSスタートアップ。Teslaでの経験から現代の自動車販売業は、旧態以前としたシステムに依存しているため、現代の顧客が求める顧客体験を提供できていないことを発見。Tekionでは、「次世代のカーディーラーの姿」を実現するために、顧客体験を中心に据え、CRMやオンライン販売・決済、販売後のアフターサービスを一気通貫で管理できるSaaSを提供。全米大手チェーンのSerra Automotiveや、GM、BMW、日産・ルノーなども既存投資家。本ラウンドは、PEファンド Advent Internationalがリードの他、Index Venturesなども参加。

データ入力・プロセス自動化SaaS Hyperscience $80M調達
DXが進展する一方で、金融機関などの申請書類や請求書などは未だに手書きなどの紙ベースの業務プロセスが多く存在し、業務効率と顧客体験の悪化の原因になっています。Hyperscienceは、高い画像認識と機械学習技術により紙文書からのデータ入力/抽出を自動化し、プロセス全体の効率化するSaaSを提供。大手金融機関、保険会社、政府機関などで採用され、90%以上の自動化を成功させている。本シリーズDラウンドは、前ラウンドからわずか4カ月での調達。Tiger Global Managementがリード投資家の他、Bessemer Venture Partnersなど全ての既存投資家が追加投資

大学新卒者採用特化版 LinkedIn Handshake $80M調達
Handshakeは、大学生向けに興味分野や専攻、スキルを登録して、自分にあったインターン/職探し、企業は新卒レベルの求人広告を掲載できるSaaS。既に1,700万人の求職者、1,000以上の高等教育機関、約50万社の採用企業をカバーし、特に黒人などマイノリティの多い教育機関と提携して、学生の就職支援行っている。本ラウンドは、前回ラウンドの評価額の2倍超の$550-600M(推定)で、リード投資家であるGGVなどから調達。

ローカルマーチャント向け決済・マーケティング支援SaaS Fivestars :Fivestarsは、ローカルの商店向けにPOS、ペイメントとペイメントを起点とした顧客データベース構築、顧客向けの特典(リワード)などのプロモーション、Fivestarsネットワークからの新規顧客へのリーチなどのマーケティング支援のSaaSを提供。既に6,000万人の購買者ネットワークを持ち、アメリカ人の6人に1人がFivestarsを利用。本シリーズDラウンドは、Salt Partnersがリードの他、Lightspeed Venture PartnersやDCM Venturesなども参加。

ローコード社内システム開発SaaS Retool $50M調達@$925M
Retoolは、ローコードで簡単に社内システムを開発できる「Software for Software」を提供。Forresterの調査によると、全世界でカスタムソフト開発への支出は年間$120Bある巨大な市場であり、Retoolはこの市場を狙う。本ラウンドは、Sequoia Capitalがリードで、GitHub CEO、Stripe創業者、Brex創業者やY-Combinator創業者 Paul Graham等が出資。

プリセールス特化 CRM SaaS Vivun $18M調達
「全ての企業がソフトウェア企業になる」中で、技術知識で営業をサポートするプリセールスは、PMFの実現や機能開発において起点となる、重要な戦略アセットになっています。Vivunは、ZuoraでプリセールスをリードしたMatt Darrow氏が創業した、プリセールスに特化した営業活動管理のSaaS。業界のペインが大きい割に、プリセールスに特化したSaaSは無かったため、同社は昨年の創業1年目でARRは6倍、従業員数も10名から30名と急成長しました。Dell、Okta、Autodeskなどの大手テック企業が顧客。本ラウンドはAccelがリード投資家。

金融特化リスク管理SaaS AxiomSL M&A:AxiomSLは銀行、投信、証券などの金融機関が対応する必要のある5,000以上の規制当局への報告に対応するためのSaaSを提供。米PE Thoma Bravoが買収。

分散型アプリケーション開発SaaS Anyscale $40M調達:米UCバークレーが開発したPythonベースのフレームワークRayの開発チームが創業した、同プラットフォームを使った分散型アプリ開発のスタートアップ。創業者の1人はDatabricks、Convivaの共同創業者。本ラウンドは、既存投資家のNEAがリード投資家の他、Andreessen Horowitzも追加投資。

従業員の雇用データ管理SaaS Argyle $20M調達:雇用記録は、賃貸契約や住宅ローンなど、個人にとって重要なデータ。Argyleは、この雇用記録の民主化をミッションにしたスタートアップで、企業は採用応募者の同意の元で雇用記録に素早くアクセスできる。本ラウンドはBain Capital Venturesがリード投資家。

飲食店向けマーケティングSaaS Popmenu $17M調達:Popmenuは、飲食店がオンラインの顧客から反応をもらえるようなウェブサイト構築(例. メニュー評価)やSNSやメールでのマーケティングを支援するSaaSを提供。Bedrock Capitalがリード投資家。

マーケットトレンド

給与(ペイロール)データ APIによるFintechの可能性の広がり

現在の金融サービスの進化において、イネーブラーとしてPlaidのようなFintechインフラをAPIで提供するプレイヤーの存在は重要性を増しています。今後のFintechの進展を考える上で、給与データへのアクセスは、融資者、企業、B2C Fintech企業にとって関心が高まっていること、そしてどのような新規事業、イノベーションの機会があるかを考察したa16zの記事。

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コロナのロックダウンに見る、消費者行動変化の4つのステージ

オンラインショッピング決済ユニコーン Klarna CEOによる、ロックダウン中にどのように消費者行動が変遷していったか、についての論考。氏曰く、以下の4つの購買行動のステージがあったと解説。また、「後払い(BNPL)」サービスのニーズがロックダウン中に急増したとも語っている。

Stage1. 必需品の買い占め(例. トイレットペーパー)
Stage2. 家電・エンタメ用品ブーム(例. Nintendo Switch)
Stage3. フィットネス用品ブーム(例. Peloton)
Stage4. DIY/自宅改造ブーム(例. Home Depot)

音声・ビデオメディアの現在・過去・未来

ポッドキャストやTiktokなどの音声・ビデオメディアは目まぐるしく進化しています。ラジオなどの過去の音声メディアを参考にして、次世代の音声メディアの体験はいかに変わっていくのか?多層化、インタラクティブ性など。Andreessen Horowitz ジェネラル・パートナー Connie Chan氏とSpotify チーフR&Dオフィサー Gustav Söderströmによるa16zポッドキャスト

ストラテジー

営業ファネルはもう古い!? 成長ループモデルとは?

著名テックスタートアップ幹部と著名ベンチャーキャピタリスト(a16z Andrew Chen等)によって構成されるReforgeによる、急成長するB2B/B2Cスタートアップが取り入れるべき成長ループ(別名 Flywheel)モデルについての解説記事。ファネル型フレームワークは営業モデルとしてよく使われるが、組織機能不全に陥らせるサイロを産み、またプロダクトの進化の視点に立った時に、部分的な視点しか与えないデメリットがあります。これを解決するためにPinterestやSurveyMonkeyなどを例に、成長ループモデルのメリットやKPIの設定について解説しています。

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マネジメント

良い共同創業者の見つけ方とは?

LinkedIn創業者/Greylock PartnersのReid Hoffman氏とベルリンで共同創業者のマッチングプログラムを提供するEntreprenuer First創業者2名による、良い共同創業者の探し方についての彼らの取り組みやインサイトに関する記事。個人的には、この中で語られている、創業者が自分の強み・弱みをしっかり認識し、そこを補完しあえる共同創業者を探すこと、そして多くの人とトライアンドエラーで合う人を探すことは、基本ですが大切だと思います。

ファイナンス

Y-Combinator流 シリーズA ピッチデックの作り方

YC Janelle Tam氏による、シリーズAピッチデックの構成と各ページの作り方の詳細な解説記事。ピッチデックを作る上での、6つのキーポイント(以下)も参考になります。シリーズAのみならず、ピッチ資料作成の際のご参考に。

シリーズAピッチデックのキーポイント
1. なぜ投資すべきか?に答える(営業資料はNG)
2. クリアかつ簡潔に書く
3. 微細に入らず、全体像を示す
4. 現在ある事業から説明する
5. ビッグ・ピクチャー(未来の姿)を描く
6. なぜ資金調達が未来の実現に必要か説く

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