見出し画像

オーダー記録:Kiesel Aries 7 Baritone Evertune

この子のレビューを書き忘れてましたのでザッと書きます。

モデル

今回は1本目と同じAries Bolt-onにしました。エルボーコンターがA2よりAriesの方が広くて弾きやすいです。カラーは可愛げのある地獄みたいなコンセプトにしました。

ボディ

マホガニー系とアッシュは比重のバラつきが大きすぎるためオーダーでは使いません。アルダーかウォルナットが選択肢ですが前回ウォルナットボディにEvertuneで4kgを超えてしまったので今回はアルダーにしました。アルダーはAriesの基本スペックですしEBMM JR CutlassやJackson Juggernautなど好きなギターが多いです。完成品の重量も3.70kgで狙い通りでした。

ただちょっとボディ鳴りが大きすぎる感じがして鉛シール170gを貼って制振しました。ウォルナットで作って重すぎると軽量化するにはザグるしかないですがアルダーなら重りでちょうどいい重量と鳴り感に調整できます。

ボディトップ

バールトップが好きですがポプラバール、バックアイバールは当たり外れが大きすぎるため今回はもっとも杢が安定しそうなバールメイプルにしました。アップグレードなしですがかなり良い杢でとっても満足です。今後オーダーのバールはメイプル一択にします。

ネック

Aries 7B(上)とA2-7(下)

前回と同じくフレイムメイプルにしました。今回は指板も着色フレイムメイプルの杢目ハッピーセットです。今回もうっとりするほど極めて素晴らしい杢です。これもアップグレードしてません。本当にセクシーなルックスです。
が!正直この組み合わせは失敗でした。A2の時はリッチライト指板だったこともあり気にならなかったのですが、フレイムメイプルネック×フレイムメイプル指板は剛性がけっこう低めです。そういえば以前試奏したEBMM JP15も同じ組み合わせ(しかもローステッド)でしたがネックが軽すぎて買うのをやめたことがありました。今さらですがバリトラネックってMNGポストの時くらいしか人目に付かないので、見た目よりサウンド重視で3pcハードメイプルやマルチプライにした方がいいですね。フレイム$500もするし。
ネックシェイプはThinner Neck Profileを選択して1F=19.3mm、12F=21.5mmと理想的。A2は同じ構成で19.2/21.3mmだったので手仕上げとは言えネック厚は正確かもしれません。Kieselは無駄のないCシェイプでどのポジションでも曲率一定なので非常に弾きやすいです。指板Rは平らすぎるのは嫌いなので標準の14インチRにしました。

PU

知らなかったのですがA2に載せたIllusionistってBorn of Osirisのシグネチャーなんですね。ちょっとBKP系でトランジェントがキツい気がしたので今回は同じセラミックでさらにハイパワーのThoriumにしました。他の要素が違いすぎて比較できませんがパワフルで悪くないです。ただもっとコンプ感があってもいい気がします。よく言えばパワフルな割にニュアンスが付きやすいです。
フロントはA2と同じセラミックのEmpyreanで特に文句ないです。

トータルサウンド

クリーンでの比較動画です↓

同じメーカーの兄弟モデルとはいえ材も重量もPUも結構違うのに割と近い音ですね。Ariesは弦高が低いのもありますがアタックがチリンとして繊細でカラフルな倍音が美しいです。A2はクリーンだとちょっと重すぎ、鳴らなすぎてモコって聞こえますね。ここまで剛性が高いとネックスルーに近い感覚です。ただ7弦を殴ったときのDingwall的なゴーーンって鳴りはA2の勝ちです。

歪ませるとほぼ違いは分かりませんが、生鳴りも含めた演奏感はA2の方がタイトで速くてローもしっかり出てるのでよりメタルギア感があります。ただしローは出るには出るのですが結構音量が飛び出ることがありMIX時にマルチバンドコンプで平すので単純にローが出てるから良いとは言い切れません。Ariesはネック剛性が低くて7弦のアタックがやや出遅れます。アッパーホーンを胸につけて弾くとアルダーのボディもかなり振動しているのが分かります。

ヘッドに90g、ボディに170gの鉛シールを貼ったらかなり改善しました(制振についてはこちらに詳しく書いてます)。総重量は3,973gになりやはりEvertune 7弦は4kgくらいがベストですね。E-IIのM-II 7B ETやNT-7 Evertuneも4kgくらいあるのでそういうことかもしれません。

このギターは084を張ってドロップF#にしようと思って作ったのでネックをもっと高剛性にするべきでしたが、いざとなればあと200gくらい増量すればとりあえずは問題なさそうです。カーボンロッドとダブルアクションロッドが入ってるのも安心材料です。ただギターはネックが命なのでここはあくまで見た目よりサウンド重視で選ぶべきという良い教訓になりました。

費用と納期

本体$3,979−割引$190+送料$80=3,879ドル。
後日請求の消費税が¥18,400。
購入時のドル円レートは1$=¥142.36で総支払額は¥588,942でした。

支払いが2023.12.26、到着が2024.4.26なのでちょうど5か月かかりました。Evertuneやバールなどオプションが多いと納期が延びる気がします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?