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もうスルーネックは買わないと決めたわけ

半年前にMusic Man JR Cutlass(ボルトオン)を買った。ちょうど同じメーカーの同じ7弦でスルーネックのMajesty Artisan 7も持っているので何度も同じフレーズを弾き比べてたら、(材による違いはもちろんあるけどそれを差し引いても)ネックジョイントによる音の違いがよく分かったので、それをテキトーにまとめてみます。
※超主観だし偏見だし何らの科学的根拠もない個人的な感想ですので悪しからず。

ボルトオンは…
・ボディとネックがどちらも主役
→ボディとネックでそれぞれ振動するためそれぞれの振幅は小さい
→弦振動を殺さないのでサスティンが伸び、太い弦もタイトに鳴り、アタックが立つ=俗に言う「スナップ感」
・ボディとネックが別々の鳴り方をするため相互に干渉しあい複雑なサウンドになる(気がする)
・JR Cutlassはアルダーボディ&メイプルネックで、オールマホガニー&スルーネックのMajesty Artisanよりもタイトなアタック、輪郭のあるローエンド、煌びやかなハイエンドが感じられる

スルーネックは…
・ネックが本体で、ウィング材がおまけでくっついてる
→細長い1本の板が振動するので大きな振幅でよく鳴る
→弦振動がネックにたくさん吸収されるためサスティンが短くなり、ローがボワつき、アタックが鈍る
・ネックの鳴りで基本的なサウンドを決め、ウィング材で足りない部分を補うイメージ
・ヒールカットがなめらかにできるのでハイフレットが弾きやすい

実際に弾き比べるとMajesty ArtisanとJR Cutlassに同じ弦を張って7弦ドロップAを鳴らしたときの体に伝わる振動の大きさは明確に違い、Majestyの方がよく鳴ります。
「じゃあスルーネックってヒールカット以外良いとこなくね?」と思うけど、これは個性なので目指すサウンドにより良いとも悪いとも言える。Majesty Artisanは材やPUも相まって甘美なローミッド、ふくよかな空気感、タイトすぎない懐の深さを感じる。特にフロントでのリードトーンは本当にレスポール的で甘くて太くてなめらかで最高。
僕が「スルーネックはもういいや」と思ったのは僕が個人的に欲しいサウンドではなかったからです。僕が欲しいのは「タイト寄りだけどタイトすぎず野太さを感じられるモダンな古典派メタルコア」みたいなやつで、Majesty Artisanではややタイトさに欠ける。スルーネック自体がオワコンとかいう話ではないです。

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で、スルーネックの利点を活かしたまま「鳴りすぎる」という欠点を補おうとしたのが、11プライとかの合板でガチガチに固めたMayonesやIbanez等のモダン系スルーネックのアプローチなんだと思う。Mayonesも何本か試奏したし、手持ちのSchecter KM-6 MK-IIIもそういう設計。

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特にRegiusとかメタルコア界隈では定番だけど、これも好きなサウンドではなかった。これ系のギターはネックが「カツーン」とか「コーン」と鳴り、ウィングで胴鳴り感を追加しているけど、メインとなるネックの鳴りがタイトすぎてつまらない。完全にDjent系に振るならありだけど、古臭いメタルコア的な野太さを残したい僕としてはモダンすぎる。アッシュ等のウィング材で足した「フワッと感」も、ネックの音と分離しているというか嘘くさく感じる。搭載されがちなBare Knuckle PUもトランジェント強めでジャキジャキしている傾向なのであまり好きになれなかった。

要するに、目指すサウンドを明確にして、バランスの良いところを探りましょうねって話ですね。

欲しいギター
チラ裏だけど手持ちのギターを入れ替えるなら?と考える。
スルーネックのKM-6 MK-IIIとMajesty Artisanを手放すとラインナップは
・Music Man JP6 BFR Koa Island
・Music Man JR Cutlass 7
の2本。JRは完璧なバランスのギターだし、6弦でも使いたい。ボルトオンのJP6はJRより懐が深く、タイトさも申し分なく、これも完璧なバランスで、ピエゾも捨てがたい。ということで
・6弦 Music Man JP6 BFR Koa Island (Drop C)
・6弦 Music Man JR Cutlass 6 (Drop B)
・7弦 Music Man JP15-7 (Drop A)
・7弦 Music Man JR Cutlass 7 (Drop G)
こんな感じが理想かな!とりあえず今はJR Cutlass 6が日本で売られるのを待ってるので、出たら買います。

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