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ある物語の終わりと始まり

ココ会長はホロライブという物語の第2期主人公であった。
ココ会長とともに始まった時代はココ会長とともに終わりを告げた。


アイドルにとって卒業というのは切って離せないものなのだろう。
物語には必ず終わりが存在する。
幻想に耽った者たちも、いずれは現実へと漕ぎ出していかなければならない。
物語は所詮、一時の逃避に過ぎないのだろうか。

多くの場合、物語にとって終わりとはすべてが白紙に戻ることではない。
始まりから終わりまで、たとえすべてが元鞘へ戻り、物語そのものがなかったことになったとしても、
物語の主人公にとってこの冒険は精神的・肉体的な成長を遂げる試練であったことに違いはない。
そして、試練を乗り越えて成長を遂げた主人公の今後にこの経験は標として残っていく。
少なくとも、物語の上でこれは真理である。

一つの時代が終わった。一つの物語が終わった。それでも人生は、現実は続くのだ。
仕事がある。学校がある。あるいは生活がある。「なにもない」もある。
物語に終わりはあれど、現実に終わりはない。
7月1日が終わろうと、7月2日がまた始まる。
あなたの感情を悲しみの夜月へ置き去りにして、喧しい朝日とともに現実がやってくる。
これがあなたと、そして私の物語だ。

ホロライブの物語の主人公は私ではない。
しかし、ホロライブを愛する私の物語の主人公は私以外に存在しない。
むろん、ホロライブを愛するあなたの物語の主人公もあなた以外に存在しない。
私はまだこの物語を味わい尽くしていない。
だからこそ私は求めてやまない。第3期の主人公を。新たなるホロライブの物語を。
しかして、物語は続く。明日も。明後日も。これからも。
いつか昇る喧しい朝日の顔は、きっとあなたの大好きなあの娘の顔をしているはずだ。

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