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[教員/指導者向け事故防止] 授業や行事・部活の失敗で炎上しないために  #2理科実験授業の事故


はじめまして!
今日からNOTEをはじめました。よろしくお願いいたします!
私は60才の退職教員です。詳しくはプロフィールをご覧ください。
さて、私は何の因果か、幼いころから色々な困難に遭遇・体験してきました。仕事上もプライベートも・・・。

授業や部活動、競技会での事故・・・そんな私の経験を届けることで、保育所・幼稚園から小学・中学・高校・大学の教育関係者の皆様、イベントなどの運営者の方々の事故防止に役に立てればと考え、NOTEを始めることにしました。

ぜひ、ご覧になり、参考にしていただければと存じます

#2 小学4年生での体験 理科実験で・・・

忘れもしない小学校4年生の時(10歳)。
田多(仮称)先生の理科授業
「油を熱するとどうなるか?」という実験。今となっては、目的が何なのかよくわからないが、そのようなことだった。
理科室の大きなテーブルで、4人くらいのグループ学習。
小さい皿に油を入れて、アルコールランプで熱する。

三脚の下にアルコールランプの炎が届くように置き、その上に「石綿の網」を敷いて、さらにその上に油の入った小皿を置く。
準備OK .のはずが、その班はアルコールランプ用の背の低い三脚が足りなかったらしく、足の長いガスバーナー用の三脚を使っていた。
そのため背の高い三脚では炎が届かなかったため、アルコールランプの下に「かまぼこの板」を三枚重ねて、その上にランプを乗せていたのだ。

さあ点火。スーッと青い炎がでて、始まった・・・・。

実はあとから聞いたのだが、前のクラスのこの実験で、皿を倒して火傷をした女子がいたそうで、その油が網に付いていたのだろう。
しばらくすると「石綿の網」がくすぶり、煙が出始めた。
田多先生は、「アルコールランプを消しなさい」、と指示し、
私が消すことになった。
アルコールランプは蓋が付いていて、それを被せることで、消火できるわけだ。
私はそれを三脚の間から被せた。

しかし、次の瞬間、アルコールランプが手前に倒れてしまったのだ・・・。

「あああーーー」
アルコールが周りにこぼれ、それに一気に引火。
作業を担当した私の顔方向に「ボアン」と火炎があがり、私の顔をあぶり、さらに頭に火がついてしまったのだ。

私はその瞬間のことはよく覚えている。
あっと思った瞬間、熱さは感じなかったが、田多先生が大声で
「バカーー」と言って、私に走り寄り、私をヘッドロックしながら手で頭の火炎をもみ消した(払い消した?)・・・・。

火が消えて私が周りを見たとき、友達は顔が引きつり茫然としていたのを鮮明に覚えている。

その後、先生は私を準備室に連れて行き、黒くになった顔を洗うように指示した。私は水道で普通に顔を洗ったのだが、恐ろしいことに皮膚がずるっとズレる感覚があった。原爆で焼かれた人たちと同じ症状かな。
皮膚が垂れ下がった当時の写真。見たことがある人もいるだろう。
たばこの火の温度は700度、アルコールランプの炎は1200度らしい。これは推測だが、高温で一瞬なめられ皮膚表層の火傷を負って、その皮膚がダメになったようだ。しかし火傷が浅かったおかげで、現在の顔は普通の顔が保たれている。感謝!

そのあと保健室に連れていかれた。
ちょうどその時期、修学旅行中で養護の先生が不在、教頭先生が来て二人で手当てしてくれた。
薬を塗ろうと考えたのだろう。オロナイン軟膏を塗ってくれた。
これです↓ 当時は何にでも効く、万能薬と言われていた。今もあるのかな?


長くなったが、まだまだ続く。
私も強情だったから、先生から帰ったらどうか、と言われたが、当時は早退=悪行であったから、授業を最後まで受けてから帰った。
商店街を歩いて帰るのだが、前から来る人皆が、私の顔を食い入るように見ていたのを覚えている。

家に帰ると、母親が見るなり、「大変、病院に行きなさい」となった。その時来客中であったため、私はそのままの足で、商店街を戻って病院に一人で行った。

これが事の顛末である。
小学3年生であるのによく忘れずに覚えているのは、衝撃が大きかったからだろう。50年前だが今もはっきりと覚えているし、珍しい体験だからいろいろな人に話をして覚えてしまったのだろう。

今ではアルコールランプは使用していないだろうし、そんな状況で一人で下校させることもあり得ない。
なんと家庭訪問で先生が謝罪に来たのは、数日たってからのことだったらしい。
昭和40年代半ばとはそんな時代だったようだ。
大事(おおごと)にしなかった母に「なぜ」と聞くと、子供を人質に取られているのと一緒だから、という返事。
この時代(半世紀前)、ちょっとやそっとでは大事(おおごと)にするようなことはなかった。
だから子供は強かった。

私の格言 「先手必勝、後手炎上」

多くの失敗・事故経験をしたからこそわかった私が創った「格言」。
保護者連絡や行動をすぐに行えば大破・炎上しにくいが、後に回せば大炎上間違いなしと知るべし。 

教訓

*危険のあることを十分に予測し、無理をして行わない。
*危険のある場合は、できるだけ教員が行う。
*教員として、用具器具の過不足はしっかり把握しておく。
*緊急の場合は、速やかに119番。
*保護者への連絡は躊躇しない。お叱りは恐れず、すぐに対処。
*一人で対応しないで、周りや管理職に相談し、対応してもらう。

昨今の教育界は厳しい。
せっかく子供、児童・生徒、そして人のために尽くそうと教育界に入った方々。しかし社会は、ひとたび何かあれば厳しい指摘を受けたり、責任を問われたり、最悪訴訟にも。
そんな世界で目的をもって続けていくあなた方、大きな失敗にならないよう、事故を予想して行動できるようにしていくことが求められるでしょう。

参考にしていただければ幸いです。


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