「練習する時間」の輝き――乗代雄介『旅する練習』
乗代雄介『旅する練習』(講談社)は、第164回芥川龍之介賞候補作です。ただ、惜しくも受賞には至りませんでした。
その代わりというのも変ですが、乗代さんはこの作品で、第34回三島由紀夫賞と第37回坪田譲治文学賞を見事ダブル受賞しています。
そういう意味で、話題作ということは間違いないのですが、わたしは何より『旅する練習』っていうタイトルが素敵だな、と思っていたんです。
それで今回、このずっと気になっていた作品を読んでみたのですが――
うわあ、わたし、泣いちゃい