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人のギター侍を笑うな

錦鯉とジョイマン、二度のニアミス事件

M-1グランプリ2021に出場することなくトレンド入りしたお笑いコンビ、ジョイマン。

M1のスポンサーである日清のCMで、本家と同じ演出でジョイマンが優勝するものがあって、それが真剣勝負の合い間の、視聴者がガードを下げたときに来たのは、あまりに面白すぎた。

過去のファイナリストたちが出ているCMと違って、これだけがスポンサーに「いじられている」。

日清の会議で、最も賞レースで勝ちそうにないコンビだからこの演出はありえなくて面白いという結論になったことが、笑ってしまう。右上にちっちゃく「現実ではありません」。

本当のチャンピオンの錦鯉・まさのりはTwitterでジョイマンとやりとりをしたばかりだ。
移動中に頑張ってラップの応酬をしていたら、さっきから返信してるの「ジョイマソ」ですと教えられて真っ赤になったという。

「のりのりまさのり!焼きのり!味付けのり!」

を頑張ってスマホに入力してたら、第三者が「そいつジョイマソです」。老眼と人の良さが起こした悲劇。

チャンピオンになった直後のラジオで「ジョイマソ」本人から謝罪と感謝のメールが届いて、
「えっ本物?」
と聞き返すまさのりさん。
「本物のジョイマソ」は「にせもののジョイマン」だからややこしい!

ジョイマンはリズムネタ。リズムネタといえばエンタの神様

「エンタ芸人」を最近よく見る。一時は、子供だましの一発屋的な意味の蔑称だった。

コウメ太夫とかが、ストレートに「今世間を騒がせている面白い人」として出て、女性客が黄色い声をあげる。

本来リズムネタじゃない芸人を番組用に「整形」させ、字幕テロップと笑い声の効果音をびっしり付ける。

かと思えば、オリエンタルラジオ、poison girl band、テレビに出れなくて辞めることも考えていたサンドウィッチマンを発掘したり、芸人愛を感じないわけでもない。ふしぎな番組。

今はそのころの出演者が、「つまらない期」から一周して戻ってきた。当時の「エンタ」の裏話を聞いたり、全く芸風を変えないことで存在自体が面白くなってきたり。

野田クリスタルのゲームでフューチャーされた「デッカちゃん」。ハリウッドザコシショウが「ですよ。」のモノマネをする。今になってこの人を取り上げること自体が面白い。いい熟成感が漂ってる。
一発で終わりと言われた人たちが、環境に対応して生き残り方を発明して再起し伸びていく。アスファルトに咲く花のように。笑いの世界は奥も懐も深い!

しかし、ザ・エンタ芸人のギター侍、波田陽区だけは戻ってこない。髭男爵の本の中で、地方で再チャレンジする様子を取材されたくらい。

奇抜な格好であるある&決めゼリフの流れを作り、ほぼシロウトが一芸のみで大ブームを起こしたのに、
「あいつ嫌いだった」
とみんなに言われてる感じは怖くもある。

「錦鯉に感動した!夢をあきらめないことを教えてもらった!」って言った人は、今の波田陽区を馬鹿にしちゃいけないってことだからね。
最後に売れたら、醜態だった過去が全部ひっくり返って美談になる。

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読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。