永田カビ「一人交換日記」
前作を闘病記とするなら、今作は共感を呼びかけるのではなく、現状そのままを描いた日常エッセイ。
作品を家族が理解してくれそうにない。孤独で泣けてしょうがない。呼吸が苦しい。
家族との意思疎通がうまくいかず、鬱というフレーズを簡単に使った父に怒り、部屋でひとり暴れる。
ヒット作を出した直後とは思えないボロボロの精神状態だが、観察力のアンテナはONのまま。部屋で暴れて「いなりずしの酢飯が傷にしみた痛み」、その一瞬を逃がさず描き残す。
前作で異様な迫力を見せた、「過食時にかじった、