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お見合いパーティーに行ってみた話

もう何年も前の話なので記憶が曖昧な部分が多々あるけど、せっかくnoteを始めたので思い出しながら書いてみようと思う。

あれは当時働いていた会社で人員削減のため契約満了という名のクビになり、次の仕事に就くまでの無職期間だったか…いやでもデザイン系の仕事してる的なことを言った記憶があるから働いてたのかな…うーん…

まあ時期はどうであれ、子供の頃は大人になったら自然と結婚をするもんだと思っていたのに一向に結婚する気配がないので、面白半分でお見合いパーティーに行ってみることにした。

自分が申し込んだのは個室にて1対1で対面するタイプだった。
「趣味で出会う!」とか「高身長!高年収!」とか開催テーマもいろいろあるけど、無難に「30〜40代限定」を選んだ(気がする)。
今思えば男女全員一緒の方が面白そうだったな、と少し後悔している。

場所は横浜。西口のビル群のうちの一つのビルの高層階に会場があった。
当日、会場の受付のカウンターには二人いたと思う。
それ以外の参加者っぽい人はひとりもいなかった。多分自分が時間ギリギリくらいで入ったんだろう。

受付でタブレットを渡され、個室に案内される。
開始時間までにタブレットにプロフィールを入力するよう指示された。
が、この辺りの細かいことは全く覚えていない…。

いよいよパーティーが始まり、部屋に男性がやってくる。
なんとなく予想はしていたが男性の参加者はほぼ40代だった。同年代の人はいなかったのではなかろうか。
自分は当時30代なりたてほやほやくらいだったと記憶しているので、最大20歳近い歳の差の人もいたんだと思う。
何人かに「若いね」「(参加女性の中で)今日一番若いよ」と言われた。

5分だか10分ほどタブレットに表示されている相手のプロフィールを見ながら男性と会話をするのだが、全くと言っていいほどどの人も印象に残らない。今でもかろうじて覚えているのが美容師、ドライバー、建築関係、消防士もいたような…とにかく色々な職業の人がいたことくらいである。

目まぐるしく男性が入れ替わって行く中、ひとりだけ今まで入ってきた男性とは随分と雰囲気の違う男性が入ってきた。
年齢はやはり40代だったが、スラッと細身の長身でスーツが似合っていた。
職業は大学教授。
いきなり素っ頓狂なことを聞かれ、強烈なインパクトを残していった。
(具体的に会話の内容は覚えていないが、初対面で開口一番「きのこ派?たけのこ派?」と聞かれたくらいのインパクトだったと思う)

そんなこんなで一通りの面会が終了し、また個室にひとり。
タブレットの画面が切り替わり、お見合いパーティーのメインイベント「マッチング」が始まった。

画面に従い何番の人がよかったか入力しなければならないのだが、正直特に異性として気になった人はいない。が、システム上選ばにゃ先に進まない。仕方がないので長身の大学教授(以下教授)を選んだ。


マッチングした。


てけと〜に選んだ結果マッチングしてしまったのだ。

余談だが教授以外にも数人にご指名をいただいていた。
恐らくその日一番若かったという理由で選ばれたんだと思う。全然うれしくなかった。

帰りはマッチングしなかった人から先に出て、その後マッチングした人が出てねといったアナウンスがあった気がする。他にも同じタイミングで出ていった人達がいたので、彼らもマッチングしたんだろう。

せまい個室から解放されて改めて教授とご対面。
マッチングしたとはいえ数十分前に初めて会った人だ。
相手がスーツを着ていたこともあり、どうもビジネスライクな接し方になってしまう。

それでもまあせっかくマッチングしたのでどこか入ってお話でもしましょうという流れになり、その辺の居酒屋に入った。(自分はノンアルの民だと伝えた上で)

改めて時間の制限がない中でお互いの身の上話をした。
助教授は何度かこういったお見合いパーティーに参加していると言っていた。
今までマッチングってしたんですか?とか聞いた気がする。
その質問に対する回答は覚えていないが、自分は金髪だったので今まで参加した中では異質だったと言われた。そしてやはり今日の参加女性の中では一番若かったよとも言われた。

その日の服装はジーパンと柄シャツだった思う。
普段からゆるふわワンピースとかモテ服的なものは着ないし、取り繕うのも面倒だったのでいつも着ている普通の服で行った。
前述の帰りに見かけた他の参加女性はくすみピンクのゆるふわワンピを着ていたので、やっぱりそういう服着てくるんだなぁ、と思ったのをよく覚えている。

居酒屋で2時間くらい過ごしただろうか。
教授はそんなに飲んでいなかったけど、ほどほどに酔っ払っていた。
お会計は奢ってもらったか割り勘だったかは覚えていない。覚えてないくらいにデートで割り勘だろうと全然気にしない。サ○ゼで割り勘どんとこい。

そしてLINEを交換して健全な時間にお開きをした。

帰宅後、今日はありがとうございました的なメッセージを送った。
返事が早かったか遅かったかは覚えていないが、教授からもそのようなメッセージが届き、数回のラリーを行って会話を終えた。

ゆうても初日、今日知り合ったばかり。
そのうちお茶する機会とか作ればいいよね、くらいに思っていた。

翌日。
教授からLINEが届いていた。
かわいいネコちゃんの写真だ。

写真だけだ!!!!!!!!!!

しかも、どうやら自分で撮ったネコちゃんの写真ではなくネットから拾った写真のようだった。困惑しながら「かわいいですね」的なことを送ったが、返ってきたのはスタンプだった。

こちらからもっと話を膨らませたほうがいいのだろうかと思ったりもしたが、いきなり飼い猫ではなくネットで拾ったネコちゃんの写真だけを送られてきたことに対して自分にはここからどう広げたらいいのかわからなかったので、こちらからも適当なスタンプを送ってやり過ごしたと思う。

後日。
教授からLINEが届いていた。
教授がバドミントンをしてる時の写真だ。

また写真だけだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

もしかしてこの人、会話のきっかけを写真で済まそうとしているのか…?!

もちろんせっかくマッチングしたのだからとこちらから話を振ったりもした。けれどもその後も何度かあった"無言で写真だけ送ってくる"という行為がなかなかマイナス方向にヒットしてしまい、こちらから連絡する頻度も落ち、向こうから写真が送られてくる頻度も落ち、そのまま教授とのやりとりはなくなった。

そもそも自分の性格上、LINEでダラダラ雑談するのが面倒くさく、直接会って話す方が手っ取り早いと思っているのでさっさと次の会う機会を作るよう持ち掛ければよかった。

けど、そうしなかったのはよく知らない人と話をするのはものすごくHPを削られるので単に面倒くさいという気持ちが勝ってしまったからだろう。
そこにさらに投げやりかのように写真だけ送られてくるLINE。「面倒くさい」が総合優勝だった。

メディアでは軽々しく"婚活"だと言うけれど、時間やお金もだがそれ以上に体力がないとできないことを痛感した。元来初対面の人と気軽に話せるタイプではないため、ひとりあたり数分とはいえあの個室での時間はとにかく疲れた。

また初めましての人に対して半ば強制的に興味を持たなければならないのも想像以上に苦行だった。
お見合いパーティー(など出会いの場)なんてきっかけのひとつなんだからもっと気楽にやればいいんだといった話もよく聞くが、結婚したいと集まっている時点で今後恋愛関係に発展するかどうか否が応でも考えてしまう。
けれども少ない情報と時間と会話で男性にどう興味を持ったらいいのかわからない上になるべく愛想はよくして気を利かせてこちらから話を振って…

キツい… キツすぎる…

面白半分で参加した結果、根本的にこういった催しが自分には向いていないことがよくわかった。そして大して結婚願望がないことを自覚した。

正確に言うと「自分の時間と体力とお金をつぎ込んで相手探しをするほど結婚の優先順位が高くない」といったところだろうか。

この一件以来、この類の催しには参加していない。








が、当時のことを思い返しながら作文をしていたらもう1回くらい行ってみてもいいかな、と思い始めた。今度は1フロアで男女全員一緒のやつ。


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