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深海へのダイビング

はじめに

このドキュメントは私的な思考実験につき、使われている表現はまだ稚拙で、ファーストバージョンなので、今後変わっていく可能性があります。ドキュメントは章立てもしてないので、期待しないでください。備忘録的なものです。

元来、職業デザイナーは市場調査の結果から、新製品開発という「キャンバス」を得たり、新製品の広告の宣伝という「キャンバス」得て、そこに絵を描くことでデザインしている。すなわち「キャンバス」はすでにそこにあるのだ。その「キャンバス」をヒアリングする場を「オリエンテーション」といって、その場で、クライアントからデザイナーに提示されるのが普通だ。
しかし、コロナというパンデミックを経験した時代は、先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態だ。これを軍事用語で「VUCA」という、

  • V(Volatility:変動性)

  • U(Uncertainty:不確実性)

  • C(Complexity:複雑性)

  • A(Ambiguity:曖昧性)

これらをつなげた言葉がVCUA(ブーカ)だ。

VCUAの時代には、この「キャンバス」を、クライアントが用意出来ない事が多くなる。サイズすらわからない「キャンバス」を提示される。例えば「どういう商品が売れるでしょうか?」「どうやったら売れるでしょうか」「我が社は、我が街はこれからどうなればいいでしょうか?」といった具合だ。

外部のデザイナーが勝手に直感で「キャンバス」のサイズを決めることはできないので、クライアントが見えない濁った水を、可能なかぎり浄化して、その水たまりの奥底に沈殿している澱のようなものから、その時点で必要な「キャンバス」のサイズをはじき出す作業を共にする必要がある。

  • デプスインタビュー

  • エスノグラフィー

  • 座談会

  • 市場調査

  • などなど

といったデザインリサーチを使いながら、行うこれらの作業は、本来、クライアント側がやらねば行けない作業なため、デザイナーと同レベルの意識あわせをするため、デザイン思考という非デザイナー向けのメソッドが重視されるようになる。

デザイン思考とダブルダイヤモンド

デザイン思考は、デザイナーの思考パターンをメソッド化して、非デザイナーでもつかえるようにしたものだ。有名なのはスタンフォード大学のd-schoolのものだが、いまとなっては少し古いように感じるので、わたしは、イギリスのデザインカウンシルの考えたシステミックデザインをベースに、よりわかりやすいメソッドを考えて見たい。

そもそもシステミックデザインはデザイン思考のようなパターン化だけではなく、「キャンバス」そのものありかたを社会システムととらえ、その再定義をしないと、社会がよくならないよねという視点から作られている。
くわしくは下のリンク先の記事に詳しいが、ダブルダイヤモンドという中に、拡散と収束をするメソッドーパートが置かれているのが特徴だ。

  • 探索

  • リフレーム

  • 想像

  • 触媒作用

と書くメソッドーパートは翻訳されているが、正直これでは、学者の作ったママの堅い言葉で何のことかよくわかりづらい。これを比喩をつかって、物語化してみよう。

  1. 心の中の違和感に潜ってみる(深海へのダイビング)

  2. 発掘された違和感を言い換えてみる(海の底で何かを発見する)

  3. 言い換えたものをキャンバスの形にしてみる(拾い上げたキャンバス)

  4. キャンバスに言葉にした違和感を描いてみる(海辺のアトリエ)

  5. 形にしたモノを共有してアップデートする(海辺のギャラリー)

キャンバスという表現では立体物がイメージできないので、暫定的なもの。堅いことばを直感でわかるように表現するのはコピーライティングの領域なので、今後も適切な表現を開発してみたい。

ヒントとなるものはあるのだけど、途中でプロジェクトから不本意に外され,権利がなくなってしまったので、回避した表現をつかっているため、かなり苦しい表現になっている。

メソッドは相互に往復循環するところはダブルダイヤモンドと同じで、不確実の海にもぐってみて、まだ言語化できないものを拾い上げ、マインドマップ等で拡散してみて、そこから不確実の海の底にある澱を発見し、それを描くキャンパスのサイズを決め、実際にキャンバスに描いてみてから仲間やネット、市場に早い段階で発表して共有し、問題点や良い部分を見極め、メソッドを折り返してブラシュアップする。

この辺はエンジニアリングの世界でいわれるラピッドプロトタイピングや、アジャイル開発の考え方にも似ている。

初版はこの程度にして、次ぎはメソッドのブラシュアップと、マトリックスの図形化、中小企業のオーナーの頭脳でもわかるような表現の開発をしていきたい。

デザイン思考の新しいメソッド研究は、まだアカデミアのなかだけで流通しているものなので、わたしは街のデザイン屋さんとして、デザインコンサルティングの商材として泥臭くこれがお金になるもとして開発していきたい。学会に発表するコネもつもりもない。

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