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「金のスプーン」階級論に夢を阻まれる韓国の若者の現実(ドラマ『青春の記録』について#1)

 パク・ボゴム入隊前最後の出演作として話題になったドラマ『青春の記録』。

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公式サイト(http://program.tving.com/tvn/recordofyouth/)から。

 芸能界を舞台に、今を生きて行く若者たちが現実の壁を乗り越え、自ら夢と恋を実らせるために努力する“青春の成長記録”を描いたドラマです。自立に向かって前進している若者たちと彼らの家族との関係も繊細に描いているので、韓国でも若い世代に多くの共感を得ました。

「金のスプーン」階級論は、親が裕福であれば「金のスプーンを持って生まれた」とされ、親の経済状況によって持って生まれるスプーンの色=人生が決まり、金のスプーンでない限り自力で成功することは不可能であるという論理です。親の世代は自分さえ頑張れば成功できると思っていましたが、2017年統計庁の資料によると、73.8%の韓国人は個人の努力よりも家柄、経済的な背景が成功するために重要であると思っているそうです。

 そうした韓国社会の厳しい現実を、モデル・俳優業でなかなか芽が出ずアルバイトをかけもちしている主人公サ・ヘジュン(パク・ボゴム)と彼の家族や友人を通じてリアルに表現しているので、韓国の若い世代のことが身近に感じられます。
 また、2020年後半の韓国は『ヴラームスが好きですか? 브람스를 좋아하세요? 』『場合の数 경우의 수』『スタートアップ:夢の扉 스타트업』など異例とも言えるほど青春ドラマが多く製作されています。韓国の若者の成長する姿をさまざまな作品で見るのも面白いです。

「金のスプーン」の階級理論はこちらの記事を参考にしてください。


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