見出し画像

非地上波ドラマ成長の軌跡#2~『梨泰院クラス』のJTBCドラマ編

안녕하세요(アンニョンハセヨ) 南うさぎです。

 前回は、韓国ドラマ市場の大きな変化として、ケーブルテレビなどの非地上波放送が台頭したこと、放送局やチャンネルが増えたことで競争が激しくなり、ドラマのコンテンツも多様化して全体的にクオリティが高くなってきたことを説明しました。そして、2010年代中盤に急成長したtvNについて書きました。今回はtvNと並ぶヒットメーカー、『梨泰院クラス』で知られるJTBCのドラマを紹介します。JTBCは2011年に開局した中央日報系の総合編成チャンネルです。

JTBCドラマ

『力の強い女ド・ボンスン』

画像1

公式サイト(http://mtv.jtbc.joins.com/dobongsoon)から。

2017年作 (JTBC 放送)
出演:パク・ボヨン、パク・ヒョンシク
最高視聴率:9.7%
脚本:ベク・ミキョン
監督:イ・ヒョンミン
制作:JS PICTURES, DRAMA HOUSE

 2010年代後半になるとJTBCのドラマは急成長します。2017年、先祖伝来の怪力を持つ女の子が主人公の『力の強い女ド・ボンスン 힘쎈 여자 도봉순』が大ヒットし、続いて同年、財閥の大邸宅で起きた後妻殺人事件を巡るドラマ『品位ある彼女 품위있는 그녀』が高視聴率(12.1%)を記録します。そして、このあと実力派の女優を次々にキャスティングしていきます。

『品位ある彼女』

画像2

公式サイト(http://mtv.jtbc.joins.com/dignity)から。

2017年作(JTBC 放送)
キム・ヒソン(左・1977年生まれ)
 代表作2005年ドラマ『悲しき恋歌』など
キム・ソナ(右・1973年生まれ)
 代表作2005年ドラマ『私の名前はキム・サムスン』など

『ミスティー』

画像3

公式サイト(http://tv.jtbc.joins.com/misty)から。

2018年作 (JTBC 放送)
キム・ナンジュ(1971年生まれ)
 代表作2009年ドラマ『僕の妻はスーパーウーマン』など

『SKYキャッスル』

画像4

公式サイト(http://tv.jtbc.joins.com/skycastle)から。

2019年作(JTBC 放送)
ヨム・ジョンア(1972年生まれ)
 代表作2018年映画『完璧は他人』など

『夫婦の世界』

画像5

公式サイト(http://tv.jtbc.joins.com/theworldofthemarried)から。

2020年作(JTBC 放送)
キム・ヒエ(左・1967年生まれ)
 代表作 2007年ドラマ『私の男の女』など

 2017年『品位ある彼女 품위있는 그녀』から、2018年、3人の女性が殺人事件の容疑者になる『ミスティー 미스티』、2019年、韓国の受験戦争の裏側を描いた『SKYキャッスル 스카이캐슬』、2020年、夫の不貞に復讐する女医が主人公の『夫婦の世界 부부의 세계』と、次々に知名度も演技力も高いベテラン女優を主演にした作品が大ヒットします。『夫婦の世界』主演キム・ヒエの1話の出演料は7000~8000万ウォンと言われています。『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョン、『太陽の末裔』のソン・ヘギョ、『愛の不時着』のソン・イェジンなどトップ韓流スターの1話出演料は億ウォン単位になるので、それに比べると少し低く感じるかもしれませんが、tvNドラマ『シグナル』の主演キム・ヘス(1970年生まれ)もキム・ヒエと同じくらいのレベルですが、出演料は5000万ウォンほどだそうなので、キム・ヒエは決して低い数字ではないようです。

 歴代視聴率を出した『夫婦の世界』の制作費は約64億ウォンとされています。また1話で1.7%だった視聴率が23.8%まで上がり非地上波視聴率1位になった『SKYキャッスル』の制作費は約75億ウォン。韓国ドラマの平均制作費は100億ウォン、大作は300〜400億ウォンと言われ、大ヒット作『トッケビ』は約144億ウォン、『ミスター・サンシャイン』は約430億ウォンと言われる中、実力のあるベテラン女優を生かして結果を出しているJTBCのドラマは、かなり評価されています。

『梨泰院クラス』

画像6

公式サイト(http://tv.jtbc.joins.com/itaewonclass)から。

2020年作(JTBC 放送)
共同制作:SHOWBOX、ZOIM CONTENT
最高視聴率:16.5%
脚本 : チョ・クァンジン
監督 :キム・ソンユン、カン・ミング

 2020年に大ヒットした作品といえば、飲食業界で成り上がっていく復讐劇『梨泰院クラス』。ちなみに制作費は平均より少し多めの約128億ウォンだそうです。主演のパク・ソジュンとキム・ダミの原作ウェブトゥーンとのシンクロ率の高さで、放送前から注目を浴びました。ネットフリックス公開で海外でも好評でした。日本での高い人気ぶりは韓国でも話題になり、キム・ダミが演じたイソ役も新しいキャラクターとして愛されました。

 2020年に大躍進したJTBCドラマの成長にはこれからも目が離せません。『梨泰院クラス』のJTBC、『愛の不時着』のtvNと覚えておくとちょっと通っぽいかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?