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夏は冷たい牛乳とシェイクして栄養補給。昔ながらの韓国シリアル「ミスカル 미숫가루」(ドラマ『椿の花咲く頃』について#4)


『椿の花咲く頃』について、4回目です。今回はドラマによく出てくる飲み物「ミスカル」について。

 第3話で、ヒロインのドンベク(コン・ヒョジン)が経営するスナック「カメリア」のオーナー、ギュテ(オ・ジョンセ)が、今日中に落書きだらけの壁を原状回復しない限り再契約しないと、突然理不尽な申しつけをしてきます。貸主である自分をもてなさないドンベクに腹を立てたギュテの報復でした。

 その場にいた、ドンベクに片想い中のヨンシク(カン・ハヌル)が、自分が壁を塗り直すと言います。汗まみれで作業をするヨンシク。ドンベクは厨房でアルバイトのヒャンミ(ソン・ダムビ)と話しながら両手で青い蓋のケースを振っています。ヒャンミが「ミスカルをあげるの?」と聞きますが、このケースの中身が、ドンベクがお礼にヨンシクに出そうとしている「ミスカル(미숫가루)」です。

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ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

 このあともドラマでたびたびセリフの中に「ミスカル」は出てきますが、ミスカルが何かわからない人にはとても気になったと思います。

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 ミスカルはもち米、うる米、麦、黒豆、黒ごま、ハトムギなどを蒸して乾燥させてから煎って粉にした保存食品です。栄養もバランスよく摂れるので、韓国では朝食やダイエット食品としてもよく食べています。

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 穀物によって粉の色も少しずつ違います。このミスカルを水や牛乳に溶かして、蜂蜜や砂糖を入れて飲むことが多いです。香ばしいアーモンドやクルミなどを入れるともっと風味もよくなり、とくに夏場は冷たくして飲むととても美味しいです。水や牛乳にミスカルを混ぜるとき、スプーンだと粉が玉になってきれいに溶かすことは難しいので、簡単にシェイクできるシェーキタンブラーを使うことが多いです。

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ドラマ『椿の花咲く頃』からのキャプチャー画面。

 ドラマの中でドンベクが手に持ってずっと振っていたのが、ミスカルを入れたシェーキタンブラーなのです。粉がきれいに溶けるまで振って、そのまま飲めるようになっているのでとても便利です。ドンベクはヨンシクに“ミスカルを無料であげることは特別ではない”と強調していますが、ギュテには絶対にピーナツをサービスしないのをみると、このときには特別な存在になりつつあるようです。

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 ミスカルは飲みやすく、以前この記事【棒コーヒーとは? 黄金の比率の「ミックスコーヒー」は韓国の国民的コーヒー(『愛の不時着』について#6)】で書いたミックスコーヒーのように、1回分量に包装された市販品も多く出ていますが、好みで選んだ穀物をミスカルにしてくれるお店も多く、韓国では無添加栄養食品として人気が高いです。私も韓国の実家から送ってもらい、忙しい朝などに飲んでいますが、ボリューム感があるので食事代わりにいいです。昔、戦争のときに兵士の食料としても使われました。韓国のサウナ、チムジルバン(찜질방)でも人気の飲料ですので韓国旅行の際にはぜひ飲んでみてください。


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