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僕が「先生」になって伝えたかったこと【動画あり】

町内のこどもの集いに「先生」として呼んでもらいました。

で、授業でやったのは……

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生卵を立てる実験。

なぜ、こどもたちに生卵を立てさせたのか……。

じっくりお伝えしますね。

幻の学校

僕は六日町の中の「田中町」というところに住んでいます。

例年だと田中町では「地蔵まつり」という村まつりが8月の終わりにあるのですが、こちらも漏れなく中止となってしまいました。

こどもたちがステージに上がって歌を歌ったり出店をしたりと、町内の仲間たちと学年の壁を超えて触れ合う貴重な機会。

僕もおととしくらいから、このおまつりの司会を任されてまして、貴重な収入源を失って絶望していたところでした。笑

そんななか、町内のPTAの有志のみなさんが「それでは、こどもたちがかわいそうすぎる」ということで小さなイベントを企画してくれました。

それが今回呼んでいただいた「幻の田中町小学校1日体験入学」という企画です。

(ネーミングセンスがいい)

熱い想いをもったお父さんがいらっしゃって、その方に声をかけていただきました。

このあたりの記事も読んでくれてたみたい。

実は先日開催した「ぽっぽ天国」の当日、会場で声をかけてくれたんですよね。

「神保さん、すげっすー!!」って。

そういうのって素直に嬉しいですよね。

ということで、その場で「OK」を出させていただいた次第であります。

神保先生に課せられたミッション

・対象は小学生(1〜6年ごちゃ混ぜ)
・人数は20人
・時間は60分
・内容は何でもOK
・報酬はお弁当(笑)

このなかで一番難しいミッションって何だかわかりますか??

ちょっと考えてみて欲しいのですが……。

……

いかがでしょう。

これ、まちがいなく「1〜6年生ごちゃ混ぜ」ってとこなんですよね。

1年生ができることと、6年生ができることって天と地くらいの差があるわけですよね。

僕と現役プロレスラーくらいの差があるわけです。笑

正面からいってプロレスできるわけありませんよね。

シンプルにこのギャップをどう考えて埋めるかが運命の分かれ道!!

えぇ……死ぬほど考えましたよ。

いきついた答えがこちらっ!!

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はいっ!!冒頭にお伝えした通り生卵を立てる実験でした。

なぜ「生卵」を立てさせたのか

一番の理由は座学だけでは「5分ともたない」と思ったからです。

おとなだったら30分くらいは、いい子にして聞いてくれますが、こどもはそうはいきません。

スペース的にそれほど広いわけでもないので、手元でできる作業……と考えたときにいろいろありましが、卵を立てるが一番いいと思いました。

また1〜6年生に共通する「モノ」でもありますよね。

卵を見たことがない、または触ったことがない、という子はさすがにいませんよね。

で、意外とやったことがある人もいませんしね。

ということで、まず僕は「卵を立てる実験」というところから授業をつくることにしました。

そこにどんな意味付けをするか

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やることが決まったら、次はそれにどんな意味を付与するか……。

生卵を立てる、というところにどんなメッセージを与えるかですね。

例えばこんなことが考えられます。

・できないと思ってたことも諦めないでやれば必ずできる
・集中することができれば無理そうなこともできる
・テレビゲームじゃなくても身近な物でも遊べるよ

こどもたちに「卵を立てること」で伝えたいメッセージですね。

僕に声をかけていただいた時点で、なにか期待されてることって何となくわかるじゃないですか。

YouTubeとかSNSとかZOOMとか、ネットを使った何かしらの話をした方がいいのかなーと。

それに沿ったメッセージにするのが「主催者の意図を汲み取る」ってやつですよね。

自分が伝えたいことだけを伝えてたんじゃ、2流のエンターテイナーです。

そこで考えたのが「つたえる」というテーマでした。

よくよく考えてみるとYouTubeもSNSもすべて、とどのつまり「つたえる」という行為なんですよね。

YouTuberは自分が「たのしい!」とか「おもしろい!」ということを動画というコンテンツを使って伝えているわけじゃないですか?

SNSもいまの自分の状況や考えをSNSを通して伝えてるわけじゃないですか。

ということでジンボラボ 神保貴雄は「つたえるプロ」として、こどもたちに伝えることのむずかしさと、たのしさと、切なさと、心強さを伝えることをテーマとして選びました。

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勘のいい方はお気づきかもしれませんが、それだと「たまごを立てる実験」と繋がらないんじゃない??と。

はい、そうなんです。

正直、繋がらないなーと思ったので、無理やり繋がりを捏造しました。

たまごを立てる実験をやったあとに……

「では諸君!!たまごをたまごという言葉を使わずに伝えるには、どうしたらいいと思う??」

てな感じで、2流マジシャンのマジック進行くらい無茶な切り返しで、なんとか場面を転換することに成功。笑

「たまご」を「たまご」という言葉を使わず伝えるには?
見た目?味?手触り?香り?またはそれ以外の情報??

見た目→白い(茶色)・長い丸・丸(上から見たら)
味→生卵・ゆで卵・目玉焼き・卵焼き
手触り→ざらざら?ドロドロ?
それ以外→鶏が産む・茨城or千葉県で生産量が多い・スーパーでは100円で売っている

どうやったら、よりわかりやすく相手に伝えることができるか。
日本人なのか?外国人なのか?こどもなのか?おとななのか?知り合いなのか?知らない人なのか?

神保のカンペメモから引用

見た目や手触りの五感から集まる情報でつたえるのか、それ以外のたまごにまつわる情報でつたえるのか。

このあたりは割と年齢に関係ない能力なのかな、と。

おとなでも「たまごを説明してください?」と聞かれたら「まるいー!」とか「白いー!」とか言っちゃうでしょ。

で、たまごの例を経て、次はチームになってクイズに挑戦してもらいました。

クイズの内容と出題のコツ

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学年をバラバラにして、5人1チームに組んでもらいました。

で、チームのひとりだけにお題を見せて、それを同じチームの人につたえる……という単純なゲーム。

答える子は目をつぶってもらいます。

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「バナナ」をバナナという言葉を使わずにチームのみんなにつたえるというわけですな。

・黄色
・食べ物
・甘い
・みんな食べたことある
・スーパーで売ってる

チームのみんなにつたえたり、質問を受けながら正解を見つけていきます。

これなら1年生でもできそうですよね。

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これはちょっと難しくて「花火」を手持ちの花火で表現するのか、打ち上げ花火で表現するか……で変わってきますよね。

それで迷っているチームを見るのが出題者としてはニヤニヤポイントですわな。

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こういうお題はあえて「ジェスチャーを使ってはいけない」という縛りをつけると盛り上がります。

そのあたりも例えば「数字を使ってはだめ」とか「カタカナ文字を使ってはだめ」とかバリエーションがききそうです。

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高学年の子には、こういうちょっと難しい固有名詞の問題を出すとおもしろいです。

マグロも「魚」として表現するか「寿司ネタ」として表現するかで、その子の個性がわかったりします(その子のお家の個性かも)。

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こんな感じでひとり2回出題者になって2周しました。

結構盛り上がったのではないでしょうか。

ポイントはいくつかあるのですが……

・高学年の子は低学年の子に、どういう言葉でつたえたらいいか
・低学年の子も持ち合わせた語彙でどのようにつたえるべきか
・またどういう質問をすれば一直線で答えを導き出せるか

このあたりを感じでもらえればOKかなと。

人によって、言葉の内容や伝え方を変えた方が、より伝わることを理解してもらえたのではないでしょうか。

最後に伝えたこと

キミの「伝える」が上達すれば、誰かの「伝えたい」にも敏感になります。
いじめられている友達、困っている友達の「助けて」を感じとってください。
そして、それを先生や親・おとなに、その友達の代わりに伝えてあげてください。
伝えることが上手くなることは、やさしくなることと同じです。
世界中の人が「伝える力」を身につければ、世界はもっとやさしくなります。
まずは君たちから、はじめてみてください。

ハイボール飲みたい

気付いたら3000文字を超えちゃいましたね!

こんな授業でよかったら、どこでもやりますので、連絡くださーい。

早く帰ってハイボールを飲みながら、今日参加してくれた我が子に感想でも聞いてみたいと思います。

ではでは、それでは!!

新潟県でカメラマンとして活動しています。特に飲食店などのメニュー撮影、ブツ撮りに定評あり。ポートフォリオ→https://jinbo-lab.jp/。一般社団法人 愛南魚沼みらい塾理事。1980年生まれ。